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ハヤカワ五味『ILLUMINATE チケットサプリ』の炎上についての雑感とまとめ

ハヤカワ五味氏の『ILLUMINATE チケットサプリ』
炎上に至るまでの簡単な流れと雑感をまとめました。
筆者による個人的な憶測、断定、感想で構成されています。
また今後の進展により、追記や訂正が行われる可能性が高いです。
私自身はフェムテックが健全に発展していくことを望んでいます。

※進展がありましたので、追加記事を更新しました。


<2月17日現在の仮説>

①入れ知恵したお友達がアフィリエイターや広告関係の邪悪ビジパだった説

②サプリとビジネスがマジで大好きで社会貢献だと思っていて、薬機法はむしろ消費者のためになってないと思い込んでる狂信説

③そこまで深く考えてなかった説

筆者はこの②の狂信説を現在採用している。

2020年8月26日 <第一報プレスリリース>

PR TIMESにプレスリリース
「ハヤカワ五味率いるILLUMINATEからチケットサプリ発売」という一報に、一部の敏感な医療クラスタ、フェミニズムクラスタが反応。
クリーンな社会派のイメージが強いハヤカワ五味氏が「サプリビジネス」に参入というニュースに対し、一部は期待するコメントを発し、一部は懐疑的反応を示した。また翌27日にFASHIONSNAP.COMでニュースになり、その記事中に「成分は全て医学論文に基づいてセレクトしており、授乳中、妊娠中、ピルを飲んでいる人も安心して飲めるよう飲み合わせに配慮したという。」という一文が含まれていたことで、一部の医クラが盛り上がる。
サプリに詳しい人間にとっては当然であるが、医薬品ではないサプリの宣伝で医学論文を参照した場合、薬機法違反が確定する。そのため「医学論文に基づいて」という表記は、薬機法スレスレの紙一重のレトリックであった。
「いったいどういう論文を?」
「エビデンスレベルはどのくらいのものを選んだのか?」
「サプリの効果に対しては否定的な研究が多いと思うが……」
など、医クラから疑問視する声が散見された。

2020年8月27日 <和気あいあいTwitter>

筆者のDJ AsadaAkiraはハヤカワ五味氏のアパレルでの活躍について把握しており、友人の友人くらいの距離だが人柄の良さなど聞き及んでいた。またサプリとサプリビジネスについても多少の心得があったため、Twitterで疑問を呈するツイートを行ったところ、ハヤカワ五味氏からリプライを頂戴し、やりとりを行った。(以下参考資料)

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以上のように和気あいあいTwitterをやっていたら周囲からも興味を持った医クラ、フェミニズムクラスタ、マーケティングクラスタの人が反応を示していた。(若干うろ覚え)

・「生理痛に効果あるようにも読み取れる宣伝方法は問題なのでは?」
・「婦人科に行くべき女性がこのサプリを買ってプラセボの安心を得てしまい、適切な医療を受けられないリスクがあるのでは?」
・「フェムテックなのに女性を食い物にするサプリビジネスは良くない」

などのネガティブな反応が私の観察範囲内では多かった。もちろん偏りはあるが、どの批判も非常にまっとうだと感じられた。とはいえこの時の私の目的は論破してやろうという意地悪な気持ちではなく「ガチでサプリビジネスを善行だと思っているフェムテックは、どれほどのマインドセットと倫理観なのか?」という疑問視の段階だった。これは今でも変わらない。ほどなくしてハヤカワ五味氏からTwitterのDMで参考にした論文を複数開示していただいた。論文読解と医療知識で論破合戦したいわけではなかったので、軽く目を通して「どれも結構でございます。論文掲載をお待ちしております。」という軽い返答だけ行った。

2020年11月21日 <コミュニケーション断絶>

その後、論文掲載まで黙って待っておこうという思いがあったためしばらくチケットサプリについては触れることなく月日は流れた。2020年11月ごろ、はあちゅう氏とイケハヤ氏、またMB氏なども薬機法チキンレースのサプリビジネスに登場してきた。インフルエンサー系サプリに対してやさしい皮膚科医氏が批判を行っていたので、追加で『ILLUMINATE チケットサプリ』も"医学論文に基づく"とされているという話を2か月ぶりに蒸し返した。恐らくエゴサしていたのだろう、ハヤカワ五味氏から「医学論文の掲載はできない」という連絡をリプライで頂戴した。

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正直、この対応にはものすごく不信感を抱いた。TwitterのDMというクローズドな場で私を納得させたらそれで問題なし、という感覚なのだろうか?という疑問がふつふつとわいてきた。元からクローズドな場での議論ではなくオープンな場での議論を望んでいたため、掲載されないのであれば意味がない。それに私はハヤカワ五味氏の専属のアドバイザーではないのだから、いちいちどのような表記が薬機法としてヤバいのかDMで指摘を行うつもりはなかった。なのでハヤカワ五味氏からのDMはスルーした。私は別に薬機法違反そのものの指摘を行うつもりではなく薬機法チキンレースの法律違反スレスレの宣伝広告で女性向けサプリを売ること自体の倫理観を問うていたので。この時点でハヤカワ五味氏との会話は不可能に思えた。あたかも「薬機法対策」がサプリビジネスの根幹であり、実際の困っている女性にとって有益かどうかは二の次のように感じられた。

補足すると、この議論を行っていた時期だと、ILLUMINATE チケットサプリの成分と量については公表していないし、全成分の正体も完全に不明だった。そもそもそんな内容不明のサプリなんて聞いたことないから、根拠となる論文を見せてもらったとしても議論できるはずもない。

またこのハヤカワ五味氏のリプライの日本語についても首をかしげるものだった。

「薬機法に抵触してまで公開することが誠実だとは思いませんでした」

この一文はずっと頭の中でひっかかっていた。
もちろん手がすべったのか、たまたまお酒でも飲んでいたのか、どういう状況と脳内でタイピングされた文章なのかはわからないが、なぜ「薬機法に抵触してまで公開することが誠実だとは思いませんでした」という文章が生まれてしまったのだろうか?
私の疑問とハヤカワ五味氏の回答をパッチワークしてつなげば「根拠となる医学論文を、薬機法に抵触しまで公開することは誠実ではない」と言っているのである。だが、これでもまだ文意を取るのに十分ではない。
何にとっての”誠実”なのか?がまったくわからないのである。私の使用した”誠実”という言葉の意味は、単に「論文を公開してオープンな場で議論すべきというリクエストを投げかけて承諾したことに対する応答責任」という意味であるが、ハヤカワ五味氏の”誠実”の語の使用はそうではないと見受けられる。
この一文を深読みし、主語述語を整理するなら「根拠となる医学論文は薬機法のせいで公開できない。法律違反になったら事業継続の責任者として誠実な対応ではない」という意味で合ってるだろうか?

今となって読み返すと、きっとこの解釈で合ってたのだと思う。社会的(主観的)に素晴らしい事業(サプリビジネス)を行うのに薬機法のせいで本当のこと(効果あるよ)を言えない、薬機法に違反してしまったら事業継続できないから会社とファンを裏切ってしまうことになる……

「ドーモ 厚生労働省=サン ヤッキホウ 〇すべし!!」

薬機法チキンレースの意志は、初めからクソデカかったのかもしれない。

2021年2月15日 <やさしい皮膚科医氏登場&炎上>

そして今回の炎上へと至る。

やさしい皮膚科医氏が詳細な薬機法違反の指摘を行う。『ILLUMINATE チケットサプリ』の薬機法違反に該当する宣伝について、詳細はこのツイートから追ってもらう方が良いだろう。

この指摘に対してハヤカワ五味氏はすぐさま対応し、反論をしかけた。

(反論?!)

議論の本筋とは一旦離れるが、やさしい皮膚科医氏の指摘に対して「実際の発現とは異なるキリトリ」を「残念に思います」と表明したが、そんなことはないだろう。参照した記事は以下のものであり、該当箇所を抜粋する。

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実際の文言はこの通りである。ハヤカワ五味氏はハッキリと「フェムテック領域は商売好きの人が入った方がいい」と言ってる。やさしい皮膚科医氏の引用は、Twitterの文字数的に”意訳”した程度であり、悪質性はないだろう。

さて、この反論をツイート後、ハヤカワ五味氏はエゴサしてチケットサプリについて言及しているアカウントに個別にリプライを飛ばしていた。
(現在ツイ消し済み)(なぜ?)

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「クレーム対応」としてはお手本のような対応方法である。オープンな場での議論を避け、クローズドな場に誘導を行い、説得する。とても上手だと思った。しかし今回は「クレーム対応」ではなく、完全にハヤカワ五味氏の過失であり、顧客の不満表明である。言ってみれば炎上の拡大を抑えるための「丸め込み」や「隠ぺい工作」と見られても仕方ない。ここでも非常に悪い印象を抱いた。一般消費者からすればただ不満を表明しただけなのに、企業の代表がエゴサしてリプライを飛ばして来たら自由に発言しづらくなることが容易に想像できるだろう。

また『ILLUMINATE チケットサプリ』のユーザーにメールで”お知らせ”が届いたようである。私はその文面を拝見していないがツイートから漏れてくる話によると、文面の改定について述べて「大丈夫ですよ」と安心させようとするような内容に終始し、返金対応や商品の回収、また代表ハヤカワ五味氏による謝罪は含まれていなかったそうである。

2021年2月17日 <”お知らせ”>

さて、一夜明け2月17日現在、ついに「ILLUMINATE」のSNSアカウントで”お知らせ”が発表された。

<当社商品「チケットサプリ」の表示に関するお知らせ>
https://www.notion.so/219c0c0ada4d46cf899475be1603aae0

ぶっちゃけ、めちゃくちゃズッコケた。

自分のサイトのドメインで謝罪するのではなく「notion」というツールでの謝罪は、たぶん炎上史上初ではないか?
notionというツール上で発表することで、自分のサイト(https://illuminatewith.com/)のドメインが汚れないで済む、という高等謝罪テクニックである。しかも公式サイトからの謝罪文へのリンクがめちゃくちゃ小さい。この画像の青字がリンクである。

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そしてハヤカワ五味氏のTwitterアカウント(https://twitter.com/hayakawagomi)では、17日現在で謝罪やRT、発表も無し。

もう読む前から「邪悪」(Evil)しか感じない。
で、一応ちゃんと”お知らせ”を読んだが、内容はありきたりの「精査して頑張ります」というような内容。これだけ薬機法違反を指摘されてしまうような組織で、なぜスタートしてしまったのか?というか真面目に、Twitterで炎上しなかったらこのザル体制でずっと運営していくつもりだったのか?などなどクソデカい疑問がふつふつと湧いてくる。

あとこの”お知らせ”で「ビオチンの過剰摂取は問題ない」という反論を行っているが「妊娠中の場合は哺乳動物であまり良くないことが起こっているかもしれない」という示唆はある。(以下サイト参照)(もちろん既ユーザーを怖がらせる意図はありません)

基本的には妊娠中は安易にサプリを摂取すべきではない、というのは確かだろう。

現在 <ふりかえり>

私が一貫して興味があったのは「女性向けのサプリビジネスが女性のためになる」と、本気でハヤカワ五味氏が思っていたのかどうかであり、つまりはビジパとしての倫理観である。

そして現在までの一連の流れから「邪悪」(Evil)であると判断するに十分だと思えた。

薬機法違反かどうかより私の疑問は、なぜシラフで「薬機法抵触スレスレの表現をしてまで女性客を刈り取ろう」と思えたのか、これがわからない。炎上の結果明らかになったこととして、顧客の一部は各種ピルや婦人科よりもハヤカワ五味氏を信じて『ILLUMINATE チケットサプリ』を買ってしまっていたという現実だ。実際に生理痛にギリギリ効きそうかも?くらいの表現をしていたのは事実である。

薬機法に抵触しなかったとしても問題がある。ハヤカワ五味氏の信用と、Youtuberの宣伝と、ヤバめのクチコミ#PRと、オシャレ感トレンド感コミュニティ感などなど、とても上手な「マーケティング・ハック」により、本来サプリでは到底救えないレベルの顧客まで余計に大きく囲い込んでしまった。そのことの是非を議論すべきではないか?薬機法チキンレースした結果、ILLUMINATEの収益性は上がったかもしれないが、一部顧客の健康と財布が損なわれたのではないか?


そもそもなんでギリギリを攻めた?

これがわからない。
もちろんめちゃくちゃ誠実にサプリビジネスするなら「サプリなんかに医学的な効果は一切ないが、ビタミンミネラルは摂れるから不足しがちな人にはいいかもしれない」くらいの文言になるわけで、そりゃビジネスとして大手の既存サプリに勝てないし成り立たないわって話だけど、それが”誠実”というものでしょう。

ある程度健康で、ある程度のお金に余裕のある強い女性に関しては良いかもしれない。しかし、女性の健康のためのフェムテックという顔をして「健康という贅沢品」を商品化し、情報に疎い弱者の女性から健康とお金を巻き上げたのではないか?一連のハヤカワ五味氏の言動は、人間の健康でビジネスをするにあたってあまりにも倫理観を感じない対応である。「邪悪」(Evil)を感じざる得ない。

今後の進展によっては私の判断が間違っており、ハヤカワ五味氏に謝罪することになるかもしれないが、現時点ではこのような雑感である。
私がハヤカワ五味氏、ならびに株式会社ILLUMINATEに対して投げかけている疑問は以下3点である。

・代表のハヤカワ五味氏による謝罪が現時点まで一度もない点

・ビオチンに過敏な妊婦にもサプリを勧めていた事実関係の有無

・ピルの代替品のように受け取られかねない表現を行い、実際にピルの代替品として摂取している顧客の存在が今回の炎上で明らかになった点

以上についてどう思っているのか、回答を求めたい。


以下、参考情報リンク

<「健康食品」の安全性・有効性情報 素材データベース>
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/indiv.html
※とりあえず気になった成分や健康食品はここで検索するとだいたいわかる

<妊娠中のサプリメントの利用について>
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail1550.html

<「貧困女子」が今のフェムテックに思うこと>
https://noisie-s.net/works/1059/


<生殖ビジネスの闇>

※今回の炎上で筆者が想起した類似の事件がある。フェミニズムのアーティスト、スプツニ子氏の炎上である。彼女はたぶんガチで「インド人女性を母体にした代理母ビジネス」を、強い女性のためにビジネス化しようとして炎上した。倫理観の欠けた強い女性が弱者女性を搾取する構図として、ハヤカワ五味氏の今回の炎上には近いものを感じた。

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