「文章術のベストセラー100冊のポイントを1冊にまとめてみた。」の読書メモ
はじめに
大学生の時、この言葉と出会った。
衝撃が大きかったのか、頭の中に深く刻み込まれている。
この言葉を指針としたことで、仕事で成果も出せたことも多いと思う。
一方で「速さ偏重主義」になってしまう場面もある。時には「終わらせることよりも、質を大切に」であるべきとも、頭の片隅で感じている。
その1つが「文章を書くこと」
適切な表現を探すことよりも、書き終えることを優先してしまう。
そのためいつまで経っても、文章がうまくならない。
そもそも、なぜ文章をうまくなる必要があるのか。
そもそも、文章とはなにか。言葉とはなにか。
辞書を引くと、このように書かれている。
「文章がうまい」ということは、「言葉の扱い方が巧み」ということ。
言葉は「意志・思想・感情などを表現するもの」であることから、仕事や日常生活で、自分の考えを伝播し、周りを巻き込むために必要な技術。
だからこそ、会得するべき対象である。
抱えている問題点と読むきっかけ
文章を書くのが苦手と自己認識している。
理由としては、ありきたりな言葉しか使えないから。同じ言葉ばかり、使ってしまい文章が幼く、中身がない。
この本に出会ったのは、宣伝会議の「編集・ライター養成講座 総合コース」の説明会がきっかけ。
その説明会の中で「書く仕事がしたい」をおすすめ頂いた。早速購入し、読んでいたところ、今回の本がおすすめされていた。
講座の説明会がためになったので、勉強になるに違いないと考え、この本も購入した。このような流れで、人と本づてでたどり着いた。
ちなみに今のライフスタイル(子育て中)的に講座に通う時間は取れなさそうだが、落ち着いたらぜひ受講してみたい。
得た学び
ここからは特に勉強になった内容をピックアップしたい。
(学びが多い本だったので、ぜひ自分と同じように言葉や文章にコンプレックスを感じている方は読んでみてください。)
1.文章は短く、シンプルにする。
メリット
主語と述語が近づく。
短い文章になると、最も適した言葉を探すことに。
やり方
ワンセンテンス・ワンメッセージ(スライドと同じ)
長い文章は要素を分解し、文を分ける。
気づき
接続詞がないと変かと思ったが、その方がリズム感が良くなるらしい。
文章もロジカルシンキングのように、要素で分解する。分解するとわかりやすくなる。ロジカルシンキングも言葉だから、当たり前なのに気づかなかった。
2.型を使う。
メリット
迷わないので、書くスピードがあがる。
構成がしっかりするため、文章の流れが良くなる。
文章が苦手な人の共通点を打開できる。(構成が決まらない/文章に過不足がある。)
やり方
1.「結論→説明」*新聞記事向き
2.PREP法「結論(point)→理由(reason)→具体例(example)→結論(point)」*ビジネス文章向き
3.「序論→本論→結論」*論文向き
序論…問題提起
本論…問題分析
結論…解決策提示
気づき
実践する上でのアイデア
「結論」が先にくるのは、自分が触れる文章では必須。
型を使って骨格を築く。その次に各メッセージを具体化し、全体の形を成していくのが良さそう。「なぜ?」「例えば?」など自分で質問を投げかけながら具体化する。
読み手視点
「結論→説明」では、結論は一目でわかる。読者としては詳細が気になる。結論を掴んだら一気に詳細を見に行くと効率よく情報を消化できそう。
注意事項
提案資料を無意識にPREP法にしていた。
意識的に行うと、より簡単に資料が作成できそう。型は決まり切った1つではなく、複数存在している。
文章を書き出す前に、型を選び骨格を築く。
3.漢字を使いすぎない
メリット
漢字が多め…硬い、重い、暑苦しい、速い、内容が頭に入りにくい。
漢字が少なめ…やわらかい、幼い、涼しい、ゆっくり、内容が頭に入りやすい。字面が白くなり、余白が生まれる。
やり方
漢字2〜3割、ひらがな7〜8割
気づき
漢字は多い方がいいと思っていた。
適切に減らすほうが読みやすさを向上できる。
4.接続詞の使い分け
内容
接続詞には、順接と逆説がある。順接はなくても伝わることがある。例えば、「また」「なお」「したがって」「だから」など。
不要な接続詞を減らすと、文章がすっきりする。
印象的な文章
”最初の文章は、接続詞が話の筋を作る。書き終えたと同時に、その役目を終えているものが結構ある。「ご苦労さん」と一言つぶやいて削ってやる。”
この文章に触れた気づき
良いと感じた人の文を、トレースすると自分の書こうとする文との違いを大きく感じる。内容を理解した上でトレースするのが、語彙力増加と文作りの修行になりそう。
自分が惹かれる文は「たとえ」が使われているかもしれない。上の文も、「ご苦労さん」という擬人法が使われている。
「話の筋を作る」「書き終えたと同時に〜」のところもいいと感じる。使わない言い回しだからかもしれない。
5.書きたい内容メモの残し方
やり方
1つのカードに1つのアイデア。
書きたい内容をメモしておく。その要素の順番を入れ替えることで原稿ができる。
気づき
「1センテンス1メッセージ」「1スライド1メッセージ」「1カード1アイデア」など情報を最小限にすると、わかりやすい・利用しやすい。
6.自分にとっての名文を繰り返し読む・書き写す
メリット
語彙を増やせる。
言葉遣いを学べる。
文章のリズムを身につけられる。
やり方
自分が好きな本を読む。文章の先達たちが学んだ本を読む。
書き写す。
今ままでに使った言葉がないか意識する。
知らない言葉は必ず辞書を引く。
自分がやったことない文章のつなげ方の工夫を見つける
全体構成をどうなっているか考える。
入力したものを読み直す。
気づき
「自分にとっての」が肝。一般的な名文が自分にしっくりくるかは別。
7.主語と述語はワンセット
やり方
主語と述語をなるべく近づける
「余計な修飾語を取り除くこと」「言葉と言葉の組み合わせる順番を検討すること」
気づき
主語と述語は「基本のき」と思うが、案外できていない。そもそも「主語と述語をなるべく近づける」という発想がなく、だらだらとした文章になっていた。(今もそう)
8.語彙力をつける
メリット
同じ言葉の繰り返しが減る。
表現力が豊かになる。
やり方
辞書を引く
気づき
やはり、同じ言葉の繰り返しは「考えが浅い」人柄という印象を与える。なんとなく感じていていたが、言葉にしてもらうと身が引き締まる。なぜ語彙力増加を行動に移せていないのかを見つめ直して見る。
【現状】語彙力の大切さ、辞書を引く必要性は色んなところで説かれている。身につけたいができていない。
【問題点】紙の辞書がいいと感じている。だが、いちいち引くのが面倒。ネットだと頭に入ってこない。語彙が増えている感覚がない。
【対策】紙の辞書を引くことのメリットを理解する。
【試しにやってみた】試しに引いたら、「隣りにある言葉」「言葉の説明」「使用例」が目に入る。その言葉の利用場面が複数書いてある。違う場面でも引き出しから出せる。
【やってみた気づき】
「なんか違う気がする」としっくりこない表現は調べてみる。
知っていると思っても調べてみる。
「だめ」「崩れる」など意味を知っているつもりなものこそ調べる。
そうすると違う表現を探す一歩を踏み出せる。
いちいち調べるのも大変なので、推敲のときにまとめて調べてもいいかも。
都度調べるのもおもしろい。
「読了すること<考える時間」というように優先度を切り替えるべき。
9.体が錆びつかないように、運動をする。同じように文を書き続ける。
内容
書くことはスポーツのよう。
日常的に動かしていないと、錆びついていく。
練習すれば、上達できる。
気づき
毎日書く。文章力を身につけるためには、日々鍛錬。
書く時間が気になってしまう。早く書き終えたいと。効率重視の思考が染み付いている。
書くアイデアとモチベーションが欲しい。モチベがないと想いが乗らない。モチベが上がるネタは、「書くことで考えられる」「成長につながる」こと。今のように「読書の学び」を書くのが良さそう。
10.書き出しにこだわる
メリット
書き出しは文章の第一印象を決める。
やり方
会話や音から始める。
タイトルの逆を書く
動きのある状況(シーン)から始める。
疑問を投げかける。
格言・名言を使う。
短文で言い切る。
11.その他テクニック
「は」は既知。「が」は未知
「考えるために書く」
文章をおもしろくするためには、「謎解きと発見」「人と異なる意見」「ストーリー展開」
過去形と現在形を混ぜると文章が生き生きする。
文を考えるときは、タイパ主義を捨てる。
「24時間以内に返信しよう」「タイムリーなやりとりをしよう」
仕事におけるマナーとして、チャットやメールの返信にはスピードが求められる。プライベートでもLINEを使う。LINEはすぐに「既読」がつき、相手も自分が見ていることがわかる。LINEが普及して時間が経った今は、随分弱まったかもしれないが「文字の入力プレッシャー」は存在する。やはりスピードが求められる。(自分が勝手に感じているだけかもしれないが、、、)
無意識に、言葉をゆっくり考える機会が減っている。いや、そもそも自分が物心ついたときには、なかったのかもしれない。
頭の中にある"超大型引き出し"から、「これでもない、それでもない」と単語を選ぶために、考えを巡らしすことは時間がかかる。「効率」「生産性」「タイパ」という激流に意図的に立ち向かわないと、いともたやすく流されてしまう。
昔は手紙のように紙に書き出していた。情報伝達の速さも、書くことにかける時間の長さも、違う。LINEやメールと違って何回も何回も送り直せない。
だから、適切な言葉を吟味していたのかもしれない。
この本を読んで、言葉について考えるきっかけになった。
.今まで「なんとなく大切そう。でも確信はない。」と考えていたことがたくさん記載されていた。文章のプロが太鼓判を押していることにより、時間がかかっても取り組むべき対象だと感じた。
「良い文章を綴れた」と感じるまでには、まだまだ時間はかかりそうだが、鍛錬していく。
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