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ライフワークとライスワーク

フリーランスの活動戦略やブランディングをお手伝いする仕事をしていると、多くの人が一歩目でぶち当たる壁があるんです。

それは、やりたいことと収益性のバランス。

やりたいことじゃなければモチベーションがもたないし、お金がなければ事業として成り立たない。
かといってお金を稼ぐことを目的にしたら、なんか違う気がする。
だって、ひとつのことで専門性がなければ通用しないでしょ。
どーすりゃいいの!

そう悩む人に、僕は言います。

「あのねぇお客さん。いま西暦何年だと思ってますの?
やりたいこと?やればいいじゃないですか。
お金?稼げますよ。
ひとつのことで専門性?何十万人もいるから珍しくないですよそんな人。
全部やって、いい人生送りませんか?」

ということで、今日はそんな胡散臭さ全開のお話をしてみます。

何かに挑戦するとき、シンプルに脳内を整理すると純度の高い活動ができますよという話。


スペシャリストの定義が変わった

スペシャリストと聞くと、ひとつのことに特化した人のことを思い浮かべますよね。

でも、フリーランスの世界では、そのスペシャリストも多くなりすぎたので、今度はどういう現象が起こっているかというと、おまけ付きのスペシャリストが増えだした。

つまり、「本業はデザイナーですけどお菓子作りも教えてます」みたいな人。
お菓子作りの先生よりもオシャレなものを作れる気がしませんか?

そういうニーズから今はさらに進んで、10種競技のスペシャリストが重宝されています。
言い換えるとパラレルワーカーですね。
つまり、「本業がこれで副業がこれ」ではなく、「幅跳びもやり投げもハードルも全部本業」という考え方。

なぜそういう人のニーズが増えているかというと、依頼する側がスペシャリストのレベルを正確に見分けることができない、または、そこまでゴリッゴリにハイレベルなものを求めていないから。

ちょっと穿った見方をすると、みんな周りの目や意見に過敏になっているから、ひとつのことに詳しい人よりも、いくつかの要素のことを幅広く知っている人の言うことの方がバランが良くて信頼できる、みたいな側面もありそう。

とにかく、そういうスペシャリストが現代のスペシャリストだという話。
逆にひとつのことしか知らない、やらない、なスペシャリストは、むしろ扱いにくいとさえ感じられます。

これは僕がジョインしている人材サービスや自分の法人での案件など、単価が10万円以上で、誰を採用してもらおうかというお話をするときに見られる特徴です。


ライフワークとライスワークを分ける

色々やるのはいいけど、全部に全力じゃ正直しんどいし、生活費も安定して稼がなきゃいけない。

そんな時に最初に切り分けるべきなのがライフワーク。
自分が一生辞めないだろう、これが無いとモチベーション上がらない、生きがいを感じる、というもののことです。

例えば「音楽で食っていく」という大枠の希望があるとしたら、音楽のどの仕事でもいいのか?ということをまず考えることですね。

「自分の好きな曲を歌って、好きな活動をして、それを評価してもらいたい」と「お金を稼げる音楽の仕事」とでは、業務内容が全く違うわけです。

前者はオリジナル曲やライブなど、一般の皆さんが思い浮かべるようなキラキラした世界。
でも後者のように、仮歌、商業的な楽曲の制作、営業での演奏仕事などの収入源もあります。

①[音楽]やりたい音楽をやる [収入]音楽で稼ぐ
②[音楽]やりたい音楽をやる [収入]別で稼ぐ
③[音楽]稼げる音楽をやる [収入]何でもいいから音楽で稼ぐ
④[音楽]やりたい音楽、稼げる音楽、両方やるけど明確に分ける [収入]音楽+別で稼ぐ

こんなパターンがあるんじゃないでしょうか。そりゃ①がいいよね。
で、①に似てるけど、ここにない「やりたい音楽と、稼げる音楽、両方うまいことやる」をやろうとすると失敗します。
①~④をしっかり戦略的にやってる人と比べると中途半端で信頼が薄いからです。

①~④の[収入]の部分が、メシを食うための仕事=ライスワークと考えてみましょう。

僕の場合、[音楽]がライフワークで、パターンとしては②ですね。
くどいですが理想は①ですよ。


伸ばせるスキルを磨く

副業や現代のスペシャリストという生き方があることを知り、ライスワークとライフワークを切り分けて考えることができたら、何を伸ばせばいいか考えてみましょう。

自分にとって取るに足らないものでも、他の特技との組み合わせによっては、総合的にスペシャリストになれるかもしれません。

例えば、オフィスソフトを使いこなせるアスリートとか。

自分はアスリート、競技者としてしか自己評価をしていないけど、周りから見ると「現役アスリートの気持ちや好みが分かって、オフィスソフトを使える人」なわけです。
これには一般的な職種名はつけられないので、「事務員」ではなく、「現役アスリートの気持ちが分かる事務のできる人」という、その人が持つ特性+職能に仕事がついてくる時代になってきています。

なので、今ある自分の趣味や特技、話芸でも何でもいいんです。
それを磨けば、総合的に自分だけの輝きを生み出せます。


さいごに

今は自分がどういう人間であるかを証明することの方が重要になってきています。

昔は器用貧乏とか腰かけとか言われていたようなことでも、全部まるごと磨けばそれはそれで美しい。

やることは増えますが、突き抜けられないのであれば、総合力で勝負することも視野に入れてみてはいかがでしょう。


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ガリバー宇田川(アーティスト専門家)
メジャー経験のある現役シンガーで日本アーティスト協会代表理事。
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企業の採用コンサル、PR企画、講師育成などもおこなう。

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