マガジンのカバー画像

アーティストキャリアの参考書

126
アーティストの社会活用やキャリア形成に役立つ記事をアップしています。
運営しているクリエイター

2016年11月の記事一覧

アーティストにオススメの働き方(長文)

 これまで6年間、渋谷で毎月開催しているオープンマイクイベント「彩りモノクローム」。 「アーティストの楽屋の延長線上」をコンセプトに、どんなアーティストでもノルマなしで10分間歌える環境を作ってきました。 毎月15組前後のアーティストが来てくれているので、これまでのべ1000組以上、リピーターが3割として700組くらいは見てきています。  それに加え自分の活動で経験したことも踏まえ、法則めいたものを感じています。 最近、働き方やアーティスト活動のアドバイスを求められる

感性を伸ばす「ほめトレ」

 よくお酒の席などで「太鼓持ち」と言われる人を目にします。 「いや〜それにしても◯◯さんの奥さんは本当に美人ですよね」 「仕事できますよねー!どうしたらそうなれるんですか?」 など、一見、媚びへつらっているように見えますが、これって意外とすごいことです。  営業の世界でまず学ぶのは、トークのきっかけ作りです。 絵、家構え、車、トロフィーなど、目に映るものを瞬時に観察して、何気ない会話の中にも相手への興味とリスペクトを忍ばせます。 これは、茶道の世界でも器や掛け軸をほ

興味を持ってもらうために

 「最近何してるの?」という再会の常套句。 ちょっと前なら「気にかけてくれてるんだな」と受け取られたかもしれませんが、最近ではSNSを日々更新する人にこれを言ってしまうと「普段から発信してるのに何も興味を持ってくれていないのか」と受け取られるかもしれません。  特にアーティストは、ブログやSNSで日々発信してブランディングしているので、僕自身がよく思うことがあります。 不意に会った時でも「あ、こないだインスタにあげてたアレさー」などとっさに出てくると、会っていなかった時

まずやり切るのススメ

僕の周りのアーティストもアラサーが増えてきました。 積極的に20代前半のアーティストと関わって吸収するようにしているのはここ最近の記事を見てもらえば良いとして、どの世代にも共通する課題もまたあると感じています。 それは、どんな環境であれ、「今の環境でまずやり切る、乗り切るという覚悟があるか無いか」ということです。 音楽業界全般について、レーベル所属について、イベントについて、人との関わりについてなど、相談されることや僭越ながらアドバイスさせて頂くことがあります。 その

fast musicは悪か

 昨今の配信、ストリーミング文化の流行に伴い、音楽制作のあり方も大きく変容しました。 とくにポップスやクラブミュージックにおいては、コ・ライトと言われる、フレーズごとに違う作家の作品をつなぎ合わせてビッグヒットを狙う作曲手法の台頭で、インパクト重視もさることながら「どこを切りとっても刺さる音楽」が標準化しつつあります。  そんな中、独立して活動するポップスやクラブ系のアーティストはどうしているかというと、サウンドを作り出せるクリエイターやDJと積極的に組んで、いいトラック

夢を追う20代と30代

 今回は備忘録的な意味もあって、20代と30代の得意なことや役割について書いてみます。  僕は1983生まれの33歳。既婚。 出身は東京都の葛飾区という東京の中でも"ゲットー"なエリアです。 僕の経歴はこちらに大体書いてあるのでご興味のある方は見ていただければと思うのですが、ざっくり言うと、24歳の年にメジャーレコード会社の傘下レーベルからバンドとしてリリースをして以来、社会人を経て、プランナーとして独立起業して今に至る感じです。  アーティストとしての経歴だけだと、1

トランプショックに学ぶ支援のありかた

世論調査は人気投票です。 支持率も開票されるまでわかりません。 大統領選挙では、支持を表明するのは市民の代表でもある各州の「選挙人」と言われる人たちです。 選挙人の数は州によって違いますが、勝てる州で勝つ戦略をとった方が勝つということです。 あくまでも雰囲気で人気があることと、得票は別です。 これは、アーティストの活動にも通じる部分があります。 SNSのフォロワー数や動画再生回数ももちろん大切ですが、お金を落としてくれるかは別の話です。 動画広告でマネタイズすること

自分を買ってもらうために

 音楽やアートを用いた社会プログラムのプランニングのご依頼を、ありがたいことに多数いただいています。 僕の強みは、こんなところだと思います。 ・メジャーデビューを経験し、今も現役アーティストである ・IT、ファッション、社会保障に関わる業種の社会人経験がある ・中小規模のイベントを6年間、毎月開催している ・海外でもイベントを開催したことがある ・若手や異業種とのマッチングを重視している ・教育、福祉の分野に明るい ・それにしてはちょっと若い  ニーズはケースバイケース

常識に頼らず信念を持つ

 常識って何でしょう? 多数決や自分が感じてきたことの平均値が常識だと感じているとしたら、危険かもしれません。  ぶつかっても何も言わないおじさん、子供が挨拶をしなくても何も言わないお母さん、電車で爆音でゲームをする小学生。  僕はおじさんより若いので一応「大丈夫ですか」(内心怒ってますけどね)と言い、子供に「こんにちは、は?」と言い、小学生にはイヤホンをあげました。  そんな僕の行動も、周りからは非常識と思われたかもしれません。 それでも、人と違う点を気にしたり、良

キャラは後乗せでいい

お願いランキングの「カズレーザークリニック」は、とても好きなテレビのコーナーの1つです。 ミスコンのファイナリストの悩みで、「他の子はキャラがハッキリしているのに、自分にはキャラが無い。個性を見つけたい。」というものがありました。 回答として「キャラは後乗せ。一言で表せるような薄っぺらな人間なんていないし、それこそが個性だ。むしろキャラがハッキリしている方が人工的で不自然なものだ。」みたいな話をしていました。 そしてヒアリングしていくと、その子が武器にならないと思ってい

大人は賢くない

SPECというドラマがとても好きでした。 という話はさておき、今の20代のスペックは高いなぁと思うわけです。 今の、というのは自分が20代の頃どうだったか判断できないので、そう前置きしています。 よく感じるのは、アラサーの行動選択の上位には「周りの様子を伺う」があること。 長いし意見も出ないミーティング。 すぐ決めなければいけないのにドウゾドウゾ。 よくありますよね。 空気読む人は好きですが、意見が出ないと進まないし、借り物の言葉では意味がありません。 そんな気遣いや