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アーティストキャリアの参考書

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アーティストの社会活用やキャリア形成に役立つ記事をアップしています。
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2016年9月の記事一覧

悔しいは肥やし

人間は弱いもので、何かと自分に都合の良いように考えてしまいます。 若いうちは義務教育をはじめ、周りの先輩や大人がたしなめてくれることで、それ自体の成否はさておき、自分を見直す機会も多いです。 しかし、自分にとって居心地が良いところを好んで進んでいるうちに、いつしか免疫がごっそり無くなってしまい、批評や、時に善意のアドバイスにさえ傷ついたり反発するクセがついてしまいます。 アーティストも、オーディションを受ければ審査員にあれこれ言われ、SNSでは誤解と戦い、プロデューサー

ありたい自分像

 何かを叶えたいと思う時、こうなりたい、あれをやりたい、と思うことはもちろんですが、「ありたい自分像」をしっかり持つことが大切だと思います。 「なりたい」ものを説明するには、歌手、警察官、弁護士、教師など、世間一般的に説明のつく職業や肩書きを挙げるといいと思います。 「やりたい」は、技術を磨くことや、趣味、遊び、何でもいいですし、なりたい職業などとイコールの人もいるかもしれません。 単に瞬間的にやりたい趣味や、職業自体に強い憧れを持っていてゴールとする場合は、一心不乱に

チケット転売で困ってる人

  最近話題の「転売NO!」のメッセージは、誰が誰に向けて、何をして欲しいのでしょうか。 私たちは音楽の未来を奪うチケットの高額転売に反対します http://www.tenbai-no.jp 賛同しているKREVAさんでも「席が余ってます」宣言するようなご時世ですが、ただ「くればいいのに」だけでは済まされない問題でもあるということですね。  チケットを取った人のほとんどは、「もし行けなくなってしまったら、そのイベントやアーティストに少しでも興味がある人に行ってもらい

あなたの陰で誰かが頭を下げてくれている

 自分がやりたいことが明確で、意思が強すぎるがゆえに、ついつい人の苦労をそっちのけで主張ばかりしてしまうことがありませんか? 僕はかつて自分がそうだった自負があるので、心の中で「あの時はごめんなさい」と思うことが日常的にあります。  その心を改めるきっかけは、一つや二つの出来事ではなく、あらゆる場面に共通するある法則に気づいたことでした。  僕のわがままで実現することができたプロジェクトの陰で、必ず誰かが頭を下げてくれたり、苦労を買って出てくれていたのです。 しかも、

ブランディングは誰のため?

 2010年、2年後の2012年に長野県で開催される技術者の祭典「長野技能五輪・アビリンピック2012大会」(第50回技能五輪全国大会・第33回全国障害者技能競技大会)の公式サポートソングとしての起用が決まりました。  全国大会ともなると2年前から仕込みをしていくのですね。 そして、起用してくださった方から言われた、 「君のブランディングが、僕やこの大会の権威に関わることになる。これからは決して安売りしてはいけない。」 という趣旨の言葉が胸に響きました。 さらに数年前の

ノーギャラに潜むチャンス

 僕は自分の出演料をしっかり提示します。 自分の価値を作ってくれた方たちの手前もあるので、決して安くありません。  一方で、ノーギャラや格安のお仕事もバンバンやります。 とはいえ、基準はあって、僕が大切にしているのはこういうことです。 ・お金ではない何かを得られ、それを生かしてお金に変える術を自分が持っている ・自分の価値を相手が理解している ・自分がやりたいことと関係がある 専門職の大人を1日拘束すると、3万円前後かかります。 なぜなら、必要とされる仕事をする

人の仕事に敬意をもつ

 好き嫌いで仕事をすることは良くないといいますが、本当でしょうか? 結局好きな人と仕事をしたほうがいいに決まっている! というか好きな人としか仕事なんてできない! ・・・と僕は思っています。  個人的には、あいさつ、礼儀、作法ができている人となら、仲間としてでもビジネスの相手としてでも、好き嫌いに関係なく仕事はできます。 なんだか信頼できそうじゃないですか。 そして、そんな相手は、結果的にどちらかというと好きな人が多いものです。  しかし、ドラッカーをはじめとするビジネス

表現者がタフでいるために

 人前に立つことや、発信することが増えると、必ず批評がついて回ります。いわば「売ってもいない喧嘩を買われる」状態です。  表現者がタフでいるための方法として、僕が個人的に思っているのは、「目的をハッキリさせておくこと」です。 場合によってはしっかりと説明できればなお良いと思います。 もちろん、逃げ口上(言い訳)をそれらしい目的のように偽って語ってはいけませんし、そういうのはバレます。  ちょっと前の話ですが、東日本大震災の翌日、国産プレミアムというグループで、Youtu

やり抜く力

 何かを思いついて実現しようとする時、いくつかのハードルが現れます。  考えているうちは楽しくて夢が広がりますが、いざ実行に移す時、それまでと全く違う面倒な作業と思考が必要になり、そこでつまづくことが多いです。 とくにチームだと、まとめて推進力を生み出すには相当なパワーが求められます。  僕はそういう場面に遭遇する度、学校生活を思い出します。  少し考えて行き詰まっても、思い通りにならなくても、完璧でなくても、テストは待ってはくれませんでしたよね。 やり方や進め方が分か

副業から複業へ

 9月になりました。 企業では上期のラスト。下期の辞令など出る頃でしょうか。  今年に入ってから大手企業で副業が認められたり、専業禁止を掲げる企業などのニュースが相次ぎましたね。 多様性の許容が社会全体で推奨され、今後の10年を見据えて働き方を変える、ワークシフト元年とも言える年になりそうです。  本業と副業、または専業という従来の働き方から、複業(パラレルキャリア)が常識になっていく時代の変化について、人気クリエイターの夏目力さんが書かれています。 福山雅治、本