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吸気口に換気扇を取り付けるにはどうしたらいいか? 【その3・気密スポンジ開発編】

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 その2・アタッチメント導入編の続きです。

 吸気口とファンを繋げる部品、気密スポンジの開発です。

 ↓の写真の通り、吸気口とファンの間がガバガバ。なんらかの方法で繋げて、空気がもれないようにしたい。でないと、効率的に換気できません。

試作3

 『隔離・換気扇』の開発を始める以前から知っていましたが、給気口は様々なメーカー、形状が存在します。おそらく規格は存在しません。(吸気口を差し込む穴には規格があり、いわゆる内径Φ100パイプが使われることがほとんどです)

 この形状の多様さが問題なんです。いや、形状が多様でもいいんです。形状を全部把握できれば、それに合わせた形状に作れることができます。

問題は把握できないこと

 自分が調べた限りでは、メーカーは十を優に超えます。故に、形状が多様すぎて把握不可能。膨大な時間と費用をかければ把握できるかもしれませんが、それは無理です。

 とにかくやるしかないので、吸気口の形状をできる限り調べました。すると、おおよそのサイズ感がわかり、形状に目星をつけることできました。

吸気口のおおよそのサイズと、基本の形状

 丸型・吸気口のサイズは直径が130ミリ前後。プッシュ式(角型)も縦横130ミリ前後の正方形が多い。

 このサイズ感は給気口を差し込む、壁側に設置されたパイプがΦ100ミリ規格にあると思います。100ミリの穴に差し込むから必然と吸気口の形状が130ミリくらいになる……と言うことです。

 吸気口の形状は、↓この形状が基本形で、メーカーによりデザインは様々。

給気口分類

 スマフォにも基本の形がある。縦の長方形で、やはり縦長のディスプレイ。上にスピーカー、下にホームボタン。どのスマフォも、この基本形があり、そしてデザインは様々です。吸気口も、これと同じです。

ということで――

 先に書いちゃっていますが、給気口とファンをつなげる部品の素材にはスポンジを選びました。なぜスポンジにしたかは、このままお読み頂ければわかります。

設計図を書きました

気密スポンジ設計図

 ドーナツ状と説明するのがもっとも適切かもしれませんが、設計図の通り、上部にむかってスポンジの肉厚が薄くなっています。

 これを『コロシアム型・気密スポンジ』と銘打ちました。う〜んマキシマス ローマビクター。なんかかっこいいw でも長いので、以下「気密スポンジ」と呼称します(笑)

コロシアム形状のポイントは、丸型・給気口、プッシュ式(角型)吸気口、両方に対応すること

 両対応にしたのは、吸気口の形状やサイズを、特に気にする必要もなく使える商品にしたいから。自宅の給気口の形状を把握しているなんて、あまりいないと思いますから。あと、部品の数を減らし、コストを抑えたい。

 機密スポンジは、コロシアムの観客席上部、スポンジが薄くなっている側を、給気口に押し付けて使用します。すると、スポンジが吸気口の形状に沿って潰れ(変形)、密着するという仕組みです。

気密スポンジ図面

これは特許出願書の図面の一部です。

 ↑このように、スポンジが潰れて吸気口と密着しているのが、おわかりいただけるかと。

設計図を現物にする!

 早速、設計図を現物にしていきます。気密スポンジは梱包資材メーカーさんに製作を依頼しました。出来上がった気密スポンジがこちら!

丸型写真

この写真はコロシアムの鳥瞰写真といったイメージ。

 写真だとわかりにくいので、動画(gif動画)でご覧ください。

丸型_480p

 コロシアム型にするまで苦労があったのですが、それはまた別のnoteに書きたいと思います。

 実際に、ファンにコロシアム型・気密スポンジを組み込み、吸気口にあててみました。まずは丸型・給気口。

丸型取付け動画1_480p

 丸形・給気口は比較的簡単です。丸型はカルデラ(火山)ような形状をしているので、機密スポンジを押し付けると、スポンジが自然と外側に広がって、吸気口に密着する仕組みです。

 密着部をクローズアップで見てみましょう。

丸型取付け動画2_480p

 バッチリ密着して、給気口とファンが気密スポンジで接合されました!

難しいのはプッシュ式(角型)

 プッシュ式は角型(四角)なので、丸い気密スポンジを当てると四隅がはみ出すからです。それで見てみましょう。

角型取付け動画1_480p

プッシュ式は開閉部(シャッターといいます)の板を取外して使用します。

 密着部をクローズアップで見てみましょう。

角型取付け動画2_480p

 角型でもバッチリです。

 このように、コロシアム型・気密スポンジなら、丸型・吸気口でも、プッシュ式(角型)吸気口でも、問題なし!

 こうして、コロシアム型・気密スポンジがこの世に誕生いたしました!

 次は、3Dプリンターによる、換気扇本体の設計です。

 つづく!

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