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【地方創生】宇都宮を歩いて分かった街をキラキラさせる方法

前回の記事で若者を引き寄せる「キラキラ生活」を作るものについて考えてみたが、記事を書いているタイミングで筆者は宇都宮旅行に出掛ける事になった。そこでキラキラ生活を演出するのに重要なもう一つの要素を感じ取ることが出来たので、まとめてみようと思う。

宇都宮市は現在、宇都宮ライトレール(愛称:ライトライン)の開業で大きな盛り上がりを見せている。筆者も是非この路線に乗ってみたいと思い、遥々この地へやって来たのである。

今年 宇都宮で開業したライトレール

結論から言うと、宇都宮ライトレールは非常に楽しい乗り物だった。本数は申し分なく、ショッピングモールや巨大な工場の前に電停が設置されて、場所によっては無料駐車場もある等、利便性は高かった。道中の景色も急坂や橋梁等見応えがあって、マニア的な視点でも魅力を感じた。これに乗るためにお金をかける価値は十分にあるし、盛況なのも納得だ。

だが、この旅でそれ以上に驚かされたのは、地方都市とは思えないほど宇都宮の街が賑わっていた事だ。

・街が明るい


筆者はライトレールに乗る前に宇都宮駅の西口に降り、夕飯を食べるべく東武宇都宮駅のある市街地の中心方面に歩くことにした。

そこで目に着いたのが、街灯がとにかく多い事だ。道路、歩道共に照明の数が非常に多く、夜にも拘らず街全体が明るかったのである。大通りだけでなく、そこから裏道に入ったような場所でも適度に街灯が設置され、市街地の中で視界が悪いと言えるような場所はなかった。また、通りの一部には昔ながらの商店街らしい屋根が設けられている場所もあったのだが、むしろそういった場所の方が薄暗さを感じたくらいで、街灯の多さと屋根のない景観によって開放的な雰囲気もあった。

宇都宮駅西口から歩いた市街地の様子
東部宇都宮駅近くの商店街の様子

道の明るさに加えて人通りも多い訳なので、街としての賑わいは東京の郊外都市や他の人口百万クラスの都市にも負けていないのでは?と感じた。

・新しい建物が多い


夕食後、今度はライトレールの乗り場のある東口に戻ったのだが、そこでの光景にも驚かされた。

ライトレールの開業に合わせ、乗り場の隣には真新しい商業施設やイベント会場が出来ており、周辺一体が凄まじい近未来感、オシャレ感を放っていたのだ。建物の前には広場も設けられ、学生や若い人にとっての憩いの場になっているようだった。新しい施設に若い人が集まる光景を見て、局所的ではあっても街が若々しい、若返るとはこういう事を言うのだと実感した。

宇都宮駅東口に整備された商業施設
宇都宮駅東口の広場の様子
左上にライトレールが走行中

先述の大通りや駅から離れた市街地も全てがそうではないものの、タワーマンションや真新しい雑居ビルが建ち並んでいるのを見かけた。この街に住んだら特に若い人にとっては楽しいだろうと感じる事が出来た。

・キラキラの感じられる雰囲気


ということで、街にキラキラ感を出す為に重要な要素になると思ったのは、新しい建物を建てて街灯や照明を道に多く取り付け、物理的に街をキラキラさせる事だった。

まさかそんな事で、と思うかもしれないが、意外とこれが出来ている都市は少ない。筆者はこれまで沢山の街を旅で訪れて来たのだが、その中には人口の多さの割に中心部ですらボロボロのビルしか建っていない、街灯が少ないせいで夜になると街が真っ暗になってしまう街もあった。身も蓋もない言い方をすると、地方には文字通りの寒々しい、素っ気ない街が多いのだ。当然、キラキラの雰囲気とは程遠いものであり、若い人が定住してくれる余地は少ないと言わざるを得なかった。

それに比べれば宇都宮はきちんとキラキラ感を出せているし、若い人にも選んでもらえるような素質があると思う。

宇都宮市の人口は他の地方都市の例に漏れず減少に転じているが、そのペースは緩やかであり社会増加に関しては外国人を含めれば現在も転入超過である。決してキラキラ感だけが要因ではないだろうが、他の都市のような深刻な人口減少、流出を抑えることができているのは事実だ。そしてライトレールが開業し沿線が盛り上がっている現在は、更に他の都市と比べて魅力面での優位性を高めている。

地域の活性化や持続可能性を高める上で若い人に如何に移住、定住して貰えるかは必須項目だ。その施策のひとつとして、物理的なキラキラ感を演出する事は真剣に検討してみても良いと思う。


※追記

これは横浜の事例だが、こういった施設が地方には必要である。


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