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キャディが挑むレガシー産業の仕組み化~今とこれから~

はじめまして。正林と申します。
キャディにて、Whole Product Management部(以下、WPM)という部門の責任者をやってます。
今回、8/24に発表させていただいたシリーズBの調達に合わせて、弊社が、とくにWPMが、どんなことをやっているかを知っていただき、まだまだ気の遠くなるほど存在する課題に一緒に取り組んでいただくイケてる仲間を募集するため、初めてのnoteを書くことにしました。どうぞよろしくおねがいします。連動したミートアップもありますので、ぜひご参加ください。(詳細はこちら)


簡単に自己紹介

新卒以降9年ほどマネジメントコンサルティングの業界で、製造業のクライアントを中心にM&Aや事業計画策定といった上流の部分から、経理領域のBPOやSCMのプロセス改革といったオペレーション周りまでテーマ軸では割と幅広くやってました。
キャディには、ちょうど1年半前の2020年2月に参画し、オペレーション構築・運用、データアナリティクス、新機能組織の立ち上げ、営業など転々としてきました。微妙な統廃合まで入れると今のWPMで7部門目になります。

WPMのミッションは、人力でもテクノロジーでもなんでも駆使して、受発注業務を効率化・高付加価値化する仕組みを作ること

弊社は、製造業におけるフラットな取引構造の実現を目指して、調達領域を中心にサービスを展開しています。
主軸の受発注では、顧客から発注いただいた特注加工品を協力工場さん(弊社ではサプライパートナーと呼んでます。以下、パートナー)にて製作し、弊社で検査して、納品するというビジネスをやってます。ファブレスで、顧客・パートナーの両面と接するプラットフォーマーを志向しているため、受注処理も発注処理もしますし、QCDのすり合わせや生産管理、製造業に多いと言われる「よしな」や「阿吽」を顧客・パートナーの両面と担保するといった、複雑で長い、かつ、本来ウェットな接点も多い業務を行っています。

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よく「レガシー」と呼ばれるようなこういったプロセスを人の力とテクノロジーの力で処理しており、弊社では人の力によるマニュアル処理の部分まで含めて、このプロセス処理全体をマーケティング用語を拡大解釈して、Whole Productと呼んでおります。(詳しくはこちら


つまり、WPMのミッションは、人力でもテクノロジーでもなんでも駆使して、受発注業務を効率化・高付加価値化する仕組みを作ることです。具体的には、1) 見積ロジック・パートナー選定・図面管理など社内の業務を支えるシステムを企画・構築・改善していくプロダクトマネジメント、2) 見積や受発注のオペレーションを担う事務処理センターや、3) 品質管理を担う検査拠点の企画・運用を担当しています。

ちなみに、見渡せば、製造業のマッチングサービスや加工品商社は他にもいますが、キャディは、
・「よしな」を含む仕様すり合わせ・品質担保のワンストップ対応、
・テクノロジー活用によるオペレーショナルエクセレンス、
を差別化要素としたビジネスの構築を目指している会社だと個人的には捉えており、ど真ん中の仕組みづくりを担当していると自負しております。

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特注加工品の仕組みづくりって、とにかく「よしな」が多くて難しい

金属加工にもJIS(日本産業規格)は存在しており、製品の表面の粗さがツルツルじゃないとダメなのか多少ザラザラしていてもよいのかなどを表現する手段自体は存在するのですが、多岐に亘る加工手段すべてを厳密にJISに則って表現できている設計図は少ないです。
たとえば、JISだと一筆書きの連続溶接の意味合いの溶接記号なのに、A社さんでは同じ記号を点線の断続溶接の意味合いで使用しているといったことがあります。また、見積依頼や発注が顧客別のEDIシステムから来たり、出荷時に顧客が要望する識別票を製品別に添付したりと、そもそも弊社で決めた標準にはめられないこともあったりします。大量生産だと、特定顧客/特定製品に特化した品質基準を設計したり、生産や出荷対応のオペレーションやシステムを組み上げても経済合理性がありますが、特注品だとなかなか投資に見合いません。

わたし自身も、営業サイドにいた時期にはだいぶ苦しみました。「A部品とB部品の接合部は設計図だとピッタリだけどちょっと外側に浮かしてほしいんだよね」という要望をいただき、パートナーさんと相談しながら浮かして作ってみると、今度は全体寸法がオーバーし外箱に入らなくなってしまう。微調整のため、週に何度も関東の顧客と関西のパートナーさんを往復するようなこともありました。

~2021年3月 マニュアルオペレーションとテクノロジーそれぞれで最低限を揃える

2021年1月から仕組みを作る側に回っており、見積依頼流入から納品までの長いプロセスにおいて、標準化できるところは標準化して業務品質を安定させていくこと、ベテランしかできない属人性の高い業務を型化していくこと、処理方法がきまっていないオペレーションや顧客要望をルール化していくことを進めてきました。たとえば、見積書や発注書といった帳票発行周りを集約対応するシェアードサービス機能を立ち上げたり、製作するパートナーさんを選定するロジックをルールベースにしていったり。とにかく片っ端からできることをやってきました。

2021年4月~ マニュアルオペレーションとテクノロジーを融合させた最速での機能拡充

まだまだ未整備の部分が多かったので当初はオペレーションとプロダクトがばらばらに動いていても価値がでていたのですが、処理ボリュームが増え、ルールが高度化するほどマニュアルオペレーションの力だけでは価値を出しきれなくなってきました。同じようにプロダクトもどんどん進化し追加される要件を取りこみ続けるものの、どうしても開発にはリードタイムが必要なので短いタイムラインでの価値貢献が課題になっていました。そこで、プロダクト、事務系のオペレーション、検査系のオペレーションの3つの機能が、シームレスに繋がり、機動力を上げていくために2021年4月から現行の体制に移行しました。

直近だと、発注処理を集約対応していくシェアードサービスのスコープを広げるために、上述したような顧客別で解釈が変わる設計図や図外にある要望に対応していくためのプロジェクトを推進しました。
もともと顧客別の特殊仕様をまとめたカルテ的なものがあったのですが、フリーフォーマットのメモのようなものになっており、顧客情報や加工知識がないと活用が難しいものになっていました。そこで、カルテをデータベース化し、加工の属性情報を付与することで、顧客名と加工情報をキーにして製品別の注記を自動抽出できるプロダクトを構築しました(特許も出願済)。A社さん×連続溶接のインプットがあれば、「図面上は連続溶接指示ですが断続溶接にて製作をおねがいします」というコメントがでてくるようなイメージです。
注記さえ決まれば図面への転記作業は定型業務として実施できるので、あえてそこはマニュアルオペレーションとして残すことで、超短期間で仕組みを構築することができました。現在、MVPとして限られた顧客向けの処理で機能検証しつつ、拡大を狙っているところです。

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少し話は逸れますが、、、
よしなや阿吽を仕組みに落としていくことは、世の中にこれといったベストプラクティスがない難易度の高いチャレンジであるものの、テクノロジーの力や膨大なデータを活用して道筋をつけていくことのやりがいや達成感は大きいです。また、長いプロセスで不整合が起きないように全体最適の目線を持ちつつ、会社の成長スピードに負けないタイムライン要求の下で、推進していくことはとても刺激的で楽しく、いつも気づいたら週末になっています。特に、個人的には、テクノロジーと近い距離で仕事ができていることが、すごく刺激的で、デモを見て「すげー」と小学生のような感想を述べながら、日々テクノロジーの力を業務の中に取り込んでいっています。すべて公開できなくて残念なのですが、本当にCTOのアキさんをはじめ、キャディのエンジニアはすごいです。(弊社のTECHチームやプロダクトについてはぜひこちらをご覧ください)


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成長のフェーズが変わったことでもっと難しくなっていく

今回、シリーズBでの資金調達を実施いたしました。スタートアップの成長フェーズとしては、サービスのニーズ検証を目的としたフェーズから、グロースとエコノミクスを同時成立させることを目的としたフェーズに移ったと認識しています。
正直まだまだ追い付いていないところもありますが、これまで作った仕組みをより強固に、効率的に、そしてスケーラブルなものにしていくことが求められます。特にWPMは実処理機能を持っているので、「スケーラブル」に対する社内からの期待とプレッシャーは大きいです。

もちろんいろいろ仕込んではいるのですが、攻め攻めのキャディの事業計画を支えていくために今の処理能力を何倍にもしていく必要があり、そのためには、これまで考慮していなかったような大胆な仕掛けが必要になってきます。また、今回調達した資金を用いて、検討はしていたが手を出せなかった大型施策への投資もできるようになっていきます。

・高付加価値に/効率的にしていくために新たなプロダクトを構築していくプロダクトマネージャー、
・業務を劇的に効率化していくBPRやオペレーションラインの大規模拡大を検討していくプロジェクトマネージャー、
・大規模なスタッフをオンボーディングしていくトレーナー、
・ライン運用していく運用リーダー、
・実際にオペレーションを担っていただくオペレーションスペシャリスト、

などなど全然人が足りてません。

人数が多く、レイターステージのスタートアップに見られがちですが、相手にしている市場が大きいだけで、まだまだここから、むしろここからが勝負の会社になります。
ぜひここからの急拡大を支える仕組みを一緒に構築していきましょう。ご応募お待ちしております。助けて下さい笑。

少しでもご興味をお持ちいただければこちらからぜひカジュアル面談をお申込みくださいませ。お待ちしております。

・WPM企画系ロールはこちら
・プロダクトマネージャーはこちら
・オペレーションスペシャリストはこちら
・ポジションに悩んだらこちら




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