見出し画像

トリコを3年経営した感想と感謝の想い

こんにちは、トリコ代表の藤井です。
本日トリコはポーラオルビスホールディングスにM&Aし、グループ入りすることを報告いたしました。詳細はぜひプレスリリースをご覧ください。

会社の節目として何か文章を残したいと思ったのですが、年始のnoteで直近の事業進捗について書いてしまったので...今回はトリコを約3年経営した個人的な感想とお世話になった方々への感謝の想いを綴ろうと思います。

◇ ◇ ◇

起業のきっかけは、学生時代に経験したM&Aでした。

私含めほとんどが学生インターンで成り立っていた会社がM&Aした時の衝撃が忘れられず「自分もやってみたい!」と卒業直前に内定を辞退し、起業の道に進みました。

当時、学生では想像もつかない大きな金額が動いたM&Aのリリースを、当日メンバー全員で見たときの自分たちのプロダクトが世に放たれた快感を今でも鮮明に覚えています。そして、それまでどんなに辛い過程があろうと結果が全てを癒してくれることを学生ながら強く感じました。

「いつか自分の会社でこの快感をもう一度味わってみたい」という思いが、私の起業の原点にあります。

かくして憧れの起業の道に進んだのですが...実は起業はトリコが2社目です。

大学卒業後すぐに上場企業のもとで子会社を設立する機会をいただき、MIWAKU(ミワク)という会社名でチャット小説アプリをリリースしました。しかし1社目はなかなか結果が出ず、サービスクローズとともに会社を清算。当時はただただ自分の実力不足が悔しかったです。

到底諦めきれず、2社目の資本金は貯金を切り崩してトリコを立ち上げました。その後資金調達を終え、創業約1年後にFUJIMI第一弾となるパーソナライズサプリメントをリリースしたところ、思った以上の反響をいただきました。この時、自分たちのプロダクトが世に放たれた快感が2年ぶりにリバイバルして「ああ、そういえばこの感覚だ」と内心震えました。

起業してみた感想は、想像していた何倍も”楽しい”です。

辛いことは日常茶飯事ですが、それ以上に本当に毎日が刺激的で楽しくて…目前の課題や目標に向かって毎日がむしゃらに過ごしていたらあっという間に約3年(MIWAKUも入れると約4年)が経っていました。起業前は「辛い過程は結果だけが癒してくれる、結果が全てだ」と思っていたのですが、意外にもその過程でさえ最高に楽しいと感じられました。

想像以上に起業を楽しく感じられたのは、チームの存在にあります。
チームが作れたかどうかは、1社目のミワクと2社目のトリコの圧倒的な違いでもありました。

1社目はサービスがうまくいっていないということもありましたが、私以外のコアメンバーが1人もいませんでした。私が全ての業務をこなし、時間を切り売りしている状態から抜け出せず(=チームが作れず)サービスに速度や馬力が出ないまま、競合に並び立つことすらできずサービスを閉じることになります。

2社目のトリコはまずはチームを作ろうと、当時の共同創業者と2名で会社を立ち上げました。しかし私の経営者としての未熟さやお互いの期待値のズレから、わずか半年で共同創業者とは別れることに。自信を喪失して、その後3ヶ月は毎日アニメや映画を見てぼーっとする日々。ほぼニートでした。笑

ニート生活にも飽きてきた頃、起業したかった気持ちにふとに立ち返り、構想したのが今のFUJIMIです。当時の会社は自己資本だったこともあり存分にニートができたのですが、FUJIMIを実現するには資金が必要だったこともあり、「もう足踏みしていられない状況を作ってしまおう」と第三者増資に踏み切りました。そこからもう一度、共同創業者を募ることに。今度は自分に近い年代の2人のメンバーと一緒にトリコを再始動しました。そこから半年、FUJIMIをリリースできた時はじめて「チームを作ることができた」と感じました。

トリコに関わる人が増えチームや組織が大きくなるに従い、私の仕事内容も変わっていき、より重要な意思決定に集中できるようになりました。いいチームや組織が作れたからこそ、私の想像を超える規模やスピードで事業成長できたのだと思います。振り返ると、何者でもなかった私やトリコを選んでくれたことに、信じてついてきてくれたことに只々感謝するばかりです...。

◇ ◇ ◇

そんなトリコを、私を支えてくださった方々への感謝の想いは計り知れません。この場を借りてお礼をさせてください。

元株主の手嶋さんとのぐたくさんへ

XTech Ventures 代表パートナー 手嶋浩己さん
トリコ創業前、ユナイテッドで私が子会社代表をしていた時からお世話になっている手嶋さんは、私の第二の父です。事業への不必要な介入はせず、とはいえ組織や事業成長に対して押さえるべきポイントを的確に助言していただき、いつもそばでサポートし続けてくれました。投資家としての手嶋さんの実績を私がとやかく説明するのもおこがましいのですが、私が一番素敵だと感じているのは、投資先として利益を最大化するコミュニケーションだけでなく、起業家の私が一個人の人生を歩む中でどう判断するべきかを一緒に考えてくれるところです。バリュエーションや利益などの数字にこだわるだけでなく、私が人生に納得して進めるよう導いてくれた手嶋さんは、本当に父のようで心から尊敬しています。
バルクオム 代表取締役CEO 野口卓也(のぐたく)さん
経営者として本当にかっこいいです。出資のご相談をした際にその場でOKをいただいた時からその男気に惚れていましたが、私含め後輩起業家たちへ出資(=資金面)だけでなく多方面での投資を惜しまない方です。のぐたくさんの投資先FBグループでは非公開の有益な情報を発信してくれるし、私が意思決定で悩んだ時に相談すると自社の事例を出しながら本当に丁寧に具体的にアドバイスくださいます。これまでバルクオムで積み上げてきたものが簡単には覆されない自信があるからこそ、のぐたくさんは後輩経営者に惜しみなくそれを投資できるんだなあと、経営者としての懐の深さに痺れます。めちゃくちゃかっこいいです。

新しい取締役候補の小林さんと岸さんへ

オルビス 代表取締役社長 小林琢磨さん
小林さんとお話ししたことで今回のグループ入りを決意できました。グループ入りによって生まれるシナジーに期待しながらも、正直なところ今のトリコの組織とは比べものにならない規模の会社にグループ入りすることで、スピード感が落ちてしまわないか、意思決定が重たくならないかなどの不安も大きかったのですが...小林さんとお話を重ねることでその不安はすっと消えて行きました。小林さんのベンチャー精神に触れ、経営者としてヒヨコのような私にも一起業家として敬意を持って接してくれる姿を見て、小林社長について行きたい!!と言う想いを強くしました。「取締役になってください!」と直接お願いさせていただいたのですが、今回ボードメンバーに入ってくださり本当に嬉しいです!
ポーラオルビスホールディングス 投資担当 岸裕一郎さん
ポーラオルビスホールディングスの中で投資先のベンチャー企業をM&Aするという前例が全くない中で、やりきってくださった岸さんには本当に心から感謝しています。やりとりを重ねる中で、岸さんの人柄の良さや丁寧さに改めて感動しました。CVC担当としてどの投資先からも好かれ頼られる存在なんだろうなと感じます。今回「取締役にぜひ入って欲しい」と私からお願いさせていただいたのですが、実は「できればトリコにフルコミットしてください(独占させてください)」と頼んでいました。こちらは丁重にお断りされました。笑

そして今回のグループ入りにあたり力添えくださったポーラオルビスグループの皆様、本当にありがとうございます。短期間で、あれもないこれもない状態のトリコとのディールをまとめ上げることは本当に大変だったと思います。岸さんや小林さん以外の方とコミュニケーションをとることがあまりなかったのですが、今回皆様の懐の深さや真摯な対応に触れ、より一層グループ入りが楽しみになりました!これからどうぞよろしくお願いいたします。

愛するトリコメンバーへ

トリコ 取締役 細田紘慧さん
組織が崩壊することなく、短期間でFUJIMIのプロダクトをここまで成長させられたのは他の誰でもなく細田さんのおかげです。私と得意分野が全く違う細田さんが入ってくれたことで、組織は大きく変わり売上も3000%以上伸びました。それまでは良い意味でも悪い意味でも、若く血気盛んなチームでしたが、基盤が弱く今にも崩れそうな脆い組織で、きっと彼がいなければどこかで崩れていた未来が想像できます。細田さんが当時のトリコを選んでくれたことに心から感謝します。細田さんと私はお互いの守備範囲や攻戦範囲が全く異なるからこそ、安心して背中を預けられる存在です。お互い背中はぴったりくっつけながら、全然別の方向をむいて戦っているような感じ。これからも頼みますよ!
トリコ 共同創業者 加藤敏美 (とし)さん
同い年のとしは、私の右腕であり、心の支えであり、良き友人です。意思決定に悩んだり落ち込んだりすると決まってとしに相談をするのですが、いつも二つ返事で「としがかなの意見に反対したことある?かなに着いていくよ」と答えてくれます。今までこの言葉にどれだけ安心したかわかりません。この言葉をもらえると「私が考え抜いた結果は間違っていなかったんだ」と迷わず前に進むことができるんです。そして私が今まで見たどんな人よりも、成長スピードが早く、エグゼキューション能力が高く、馬力がある最高のメンバーです。
愛しのメンバーみんなへ
皆んなが私の力の源になっています。つい3年前までチームを作れずニートだった私にとって、トリコのチームは何よりも大切なものです。そして、自分が直接見ていないプロジェクトが知らぬ間に進捗しているのを感じるたび心から嬉しいのです。無理なお願いをしてしまっても、必死にそれを実現しようと食らいついてきてくれることが本当に心強いのです!メンバー皆んながFUJIMIを自分なりに愛してくれていて、会社全体が同じ方向を向いて進んでいることがトリコの強みです。いつもありがとう。

夫へ

花房弘也さん
夫であり一番尊敬している経営者です。当時私が学生インターンしていた会社のボスであり、私より2歳若くしてM&Aを経験した人生の大先輩です。結婚してもうすぐ2年になりますが、毎日のように事業や組織の話をしている良きパートナーです。私が結論を出せず悩んでいると、いつもアドバイスしてくれたり思考を整理してくれたりします。彼も今シリアルとして2回目の起業をしていますが、その熱量と凄まじい数字成長、そして誰よりも働くその姿にいつも刺激を受けます。これからもお互い頑張ろう!

◇ ◇ ◇

さいごに

今回FUJIMIの成長、ひいてはトリコの成長を加速していくためにグループ入りの道を選択しましたが、事業目標は変わらず「私らしい美しさで、私をもっと好きになる」のミッションのもと、FUJIMIを5年以内に500億ブランドにするというものです。

FUJIMIは、お客様に誰よりも寄り添い「私らしい美しさ」を引き出すブランドとして、これからも”お客様を虜”にしていきます。そしてベンチャー企業たる”起業家精神”のもと、グループの資産を最大限活用しながらFUJIMIをNo.1のパーソナライズビューティブランドへと”最善で最速”で成長させていきます。

過渡期を迎えるトリコで、カオスを楽しみながら一緒に働きませんか?
ご連絡お待ちしています。

そして最後まで読んでくださりありがとうございます。
これからもトリコをどうぞよろしくお願いします。

代表取締役CEO 花房 香那
(こっちの名前も結構気にいっているので、これからはときどき花房にしようかなと...)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?