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私たちはもう舞台の上

はじめに

どうもとよポンです。
今回は私が21年の人生の中で最も影響を受けたアニメ作品「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の劇場版について駄弁ろうと思います。
ちなみに今回はいつも以上に見た前提の駄弁りかつ私の個人的な思いも含まれます。

この映画を見ると気絶します

この映画終盤の華恋とひかりのシーン、激しく変化する音楽と眩しい照明と二人のキラめきで目が眩みますよね。
時間に対する情報量が多すぎてドカ食い気絶部です。
正直一回目の鑑賞の時は記憶が飛びました。
一緒に見に行った友人と感想を言い合おうにも「凄かった…」「うん…」とかしか言えず完全にちいかわ状態でした。
二回目の鑑賞でなんとか情報を処理し、Blu-rayで繰り返し鑑賞をしてやっっっと何が起きたのかを理解しましたね。

アタシ再生産

劇場版のパンフレットで監督が語っていたのですが、レヴュースタァライトには物語が無いそうです。
キャラクターの感情で前進していく作品という表現はしっくり来ますね。
個人的に好きなキャラクターが露崎まひるなんですけど、TV版の彼女の感情でかすぎて物語エグいくらい動きましたね。
そしてまひるに狂わされたTV版視聴時に思ったのが「華恋の感情どこ…?」てことでした。
TV版から劇場版にかけての主人公、愛城華恋。
あまりにも主人公らしすぎて彼女自身の悩みや思いというのが見えてこなかったんですよね。
いや「ひかりちゃんとスタァライトする」って目的は分かるんですけど、他のキャラと比べると人間味が薄く感じてしまうというか…
華恋を描く尺が足りなかったというのもあるんでしょうが。
そんな華恋を人間にしてくれたのがこの劇場版でしたよね。
ひかりとの約束を破ってひかりについて調べてしまうシーン、ボイトレやダンスレッスンに通う描写等々…
愛城華恋に対する解像度がぐっと上がりました。
正直劇場版まで見切った時一番好きになったのは華恋でしたね。
特に好きなのが「観客」に見られていることを意識し舞台に怯えてしまうシーン。
今まで自分を支えていた「ひかりちゃんとスタァライトする」という目標が無くなってしまった時、華恋はどうなってしまうのかという問いに対するベストアンサーな描写だと思います。
あのシーン以降作品に飲み込まれそうになるのは私だけでしょうか。
今作の華恋の口上「愛城華恋は舞台に一人、愛城華恋は次の舞台へ」
大好きです。
この物語の『主演』は誰か、勿論全員が主演と言って差し支えない程情熱的なレヴューが展開されました。
しかし「少女☆歌劇レヴュースタァライト」の主演は間違いなく愛城華恋だと言い切ってしまう。
それ程に魅力的なキャラと生まれ変わったと思います。
アタシ再生産

人生という舞台

さてここからが本題です。
本映画を鑑賞した時初めに出た感想が「舞台って人生なんだな」というものでした。
別に世界観の考察とかそういった物ではありません。
ただ直観的にそう感じたというだけなのですが、その後何度鑑賞してもこの考えは覆りませんでした。
もう少し踏み込むと「人生は舞台の連続」という考えです。
今作ではしきりに舞台が終わるとどうなってしまうのかという問いがなされてきました。

「列車は必ず次の駅へ」
「では舞台は?あなたはたちは?」
Wi (l) d-screen baroque

本作ラストの華恋の台詞では「レヴュースタァライト」を演じきったという風に語られていました。
今まで作中に登場したスタァライトという単語は劇中劇である「戯曲スタァライト」を指す言葉でした。
この台詞の言い方は本アニメそのものを指している風に感じた方がほとんどだと思います。
このアニメを演じきった華恋はどこへ向かえば良いのか、答えは次の舞台へ向かえば良い。
至極単純な答えですが完璧な答えでした。
今作のスタッフロールでは舞台少女たちのその後が描かれます。
レヴュースタァライトを演じきった後も彼女たちの人生は続くと思うと、このまま彼女たちの舞台を見続けたいと思ってしまいますよね。
華恋もまた燃料=トマトは渡された、次の舞台へ向かうだけ。
ではこの作品を見た私たちは?

🍅

本作では作中の重要なモチーフとしてトマトや列車といった身近な物が描かれました。
これに関しては監督自身が本作品が日常に別の意味を持たせる舞台装置になるのかなという風に語っていました。
私たちの人生もまた舞台の連続です。
受験、就活、部活、趣味でもなんでも。
目の前の舞台を全力で演じきり、終わればまた次の舞台へ向かう。
本作品を見終わった後の私は人生をそう生きたいと考えました。
そういう意味でこの作品が人生で一番影響を受けた作品なんですよね。
この映画を見ると音楽や勉強など様々なことに対するモチベーションが湧きます。
私にとってはこの映画が燃料と言えるかもしれません。
キャラクターの関係性の変化やレヴューシーンを楽しむだけではなく、自分の糧に変えることもできる素晴らしい作品…
分かります…
正直これ以上言語化できる気がしません。
私の実力不足です。
ただ言えるのはこの作品はそれだけの「体験」する価値があるということです。
約一年抱えていた本作品に対する考えは軽く吐き出せたので私も次の舞台へ行きます。
それではまた。

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