見えてるモノを見えないようにして、ファインダーを覗き込んだ
Oh yeah ah…
どうも、トサノコージです。
ご無沙汰しております。
写真展を終え早一ヶ月、すっかり腑抜けておりました。
Ah…
写真展の反動が酷い
写真展「百日」を終え、実際にプリントを目の前で観てもらう、というプレッシャーから開放されて一ヶ月になるのですが、それからというもの日々、写真は撮ってはいるのですが、なんかこうシックリこない日々が続いていました。
というのも、割と100日間でスナップを集中してやりすぎたというか、ずっとお腹いっぱいになっている感覚。
最近撮ってみた写真も「好きか嫌いか」で判断するとそりゃ「好き(個人的に)」に分類できるのですが、「それ、展示できるクオリティかい?」と自問すると「否」と即答できるレベルのものばかりなのです。
100日間で撮った写真と全く同じものは撮れないし、ここ最近撮ったものでもいい感じに撮れてると思う写真はあるにはあるのですが、どうも自分の中で一種の「マンネリ化」が生じてしまったようです。
これはいけない。
なんとかしないと。
コージ、筆は選びたい
解決策として直ぐに思いついたのは「道具を変えてみてはどうか?」ということ。
そもそもフジのクラシックネガが大好きで、そればっかり設定してるので、あのテイストは飽きるっちゃ飽きるのは分かりきっていたことなのです。
SNS を眺めていてもクラシックネガで撮られた写真はすぐに分かるレベル。
それが良いところでもあるのですが、今の僕のマンネリ化の心境にはとても複雑だったりします。
いつかnote で書いたようにフジのX-T5を今はメインで使っていて、なんの不満もないのですが、いっそカメラから気分を変えてみてはどうかと思い始めました。
カメラを変えたところで撮る写真は変わらない、という意見もあるのですが、個人的にそれは半分正解で半分は違っていると思っています。
まず、物理的には違いがあるし、後述のライカの話も「ライカはなんか良い」という意見が世の中には多く、説明の難しい良さはあるんじゃないかと思います。気分が変われば行動、つまり写真も変わるわけで、「変わらない」と言い切るのは難しいんじゃないかなと。
あ、撮る人間の技術はセンスはいきなりは変わらないと思うので、そこは正しいと思っています。ただ、新しい道具に慣れる過程で新しい技術は身についていいくものだとも思っています。
実質無料ってなにさ
で、周りには悪い大人が多いもので、新しいカメラを探していると、どこにいっても「ライカ良いよ!」、「ライカは所有欲が満たされるよ!」、「ライカってめっちゃ不便だけどなんか良いよ!」「買い取りの値段が下がらないので実質無料だよ!」「撮影体験は他にないよ!」 などとライカユーザーからの圧に押されっぱなしで、全然詳しくなかった自分がマップカメラの地下にたまに行ってしまうレベルになりました。
最近までズミルックスとズミクロンの違いすらわからなかったのに…。
知らないほうが幸せなことってありますね。
ちょっと触ってみただけでも、確かにあれは「快適な」道具ではないにせよ、「楽しそう」な道具なのは分かります。
が、気分を変えるためだけに導入するにはお値段がちょっとね…
気分を変えるためのカメラ、という意味では他にも
LUMIX s5II
これはいいカメラだと思います。コスパ抜群。T5とも仕事で使っているSONY機とも趣が違って、体験的には遊べるんじゃないかなと。
キットレンズが2本もついて30万切るとかちょっと今どき心配になるレベル。いろんな話を聞いてると仕事でも使えそうで良い。GFXの最近のやつ
初代は持っていたのですが、画素数の割に手ぶれ補正がついていなかったので、普段からソニーを使っている身としては不便で手放してしまった過去が。今は普通にブレ補正もついているし、諸々便利になってきているのでたまに仕事でも使えることを想定すると良い遊び道具になるんかないかと。が、いかんせん重い!レンズが、特に重い!
あれを普段から持ち運ぶとなると、手首と腰の治療費がかさみそうなので、保留ハッセルのX2D
以前にヨドバシかどこかで実機を触ってみて、虜になったのです。
昔はハッセルって画質は良いけど、ちょっと扱いづらそう…なイメージがあったのですが、この機種はとにかく現代的。
そして、画質は当たり前のように良くて、仕事でも使える。なにより、レンズシャッターは可能性の塊かなと。
が、こちら、いい感じのレンズが全く手に入らなそうなので断念。
本体価格がライカのM11 の中古と同額というのも、悩んでいる自分としては面白い。
などが候補にあがっていました。
なんだかんだ「実用的で撮りやすいカメラ」として考えるとライカって全く候補にあがらないのですが、不思議な魅力がありますね。
先日フォトウォークに10人ぐらいででかけたのですが、自分以外全員ライカユーザーでした。
まじで圧
などと、ここ一月悩んでいたのですが、ある日アマゾンで面白いものをみつけました。
やたら長い前フリでしたが、ここからが今回の本題です。
新たに現れたシフトレンズという選択肢
発売日が近かったのか、たまたまアマゾンでセールをしていたこちら
ティルトレンズで3万弱だと…?
ティルトシフトレンズってちょっと特殊な用途に使うもので、建築や物撮りで使うモノでした。
そして、ほんと稀にしか使わないもので、ちゃんとしたメーカーのものを買うとやたら高いのも常識でした。
それが、この価格帯で手に入るって純粋に「面白いな」って思って。
f1.4 っていうのも珍しいし、おもちゃとして「別に失敗して良いや」って気分で即ポチってしまいました。
それから3週間ほど経ち、先日届いたのをここ数日面白がって使っています。
道具の新しい使い方
前述の通り、シフトやティルト機能って建築で歪みを減らしたいときや、極端にピント幅を狭めたり広げたりする際に使うもので、あまりスナップに常用するレンズのイメージはありませんでした。
今回購入したレンズは350グラム前後と意外と軽くて、コンパクト。
そして作りもしっかりしている印象です。
シフトやティルト機能を使わなければ開放1.4の50mm(換算75mm) レンズの明るい中望遠レンズとして使えるのも、スナップの気分を変えるのに調度よかったです。
スナップの際は自分は割と開放でフワッと撮る場合がもともと多かったのですが、それでもf11 ぐらいでパリッと状況を全部説明する見せ方もあります。
そういう使い方もできるのですが、今回導入してみて一番楽しいのはやはりピント面(被写界深度)を極端に狭めたようなコントロールできるということ。
パッと見の「違和感」を写真に取り込むことができますし、視線誘導も楽。
あと、スナップなんかで人間をボカすことでプライバシーの配慮もある程度可能です。
人の顔が写ってしまった場合、そこだけ後処理でボカすことも可能ですが、「いかにも」感が拭えないので、それなら表現の一部として最初からなじませてあげることも可能です。
人の顔が写った写真の可否については、ここでは触れません。
個人的には配慮しているだけであって、顔ありキャンディッドフォトは写真表現としてはアリだと思っていますし、観るのは好きです。
写真にはその場の状況を説明することに意味のある「ドキュメンタリ」的な側面と、ただ形や色が面白いから、それらをつかって表現する「イメージ」的な楽しみ方があると思っていて。
こういうレンズを使った場合、後者の表現が非常にしやすくなるんじゃないかなと思います。
もともと僕は配管の形や壁の配色が面白いってだけで、そのへんのただの壁を撮ったりする悪癖のある人間なので、写真に深い意味や意義だけでなく「イメージ」を求めがちではあります。
仕事だとあまり意味のある写真ではないのですが、趣味だと別に良いんじゃないかな、と割り切っています。
道具に使われることなく道具を使いたい
と、このところ数日はずっとこのレンズをつけっぱなしで遊んでいるわけですが、正直冷静に考えると自分だけが楽しい状況でもあります。
どんな世界でも新しい道具を手に入れると、それを使うことが目的になりがちですよね。
特にカメラやレンズなんて、写真を撮ることが本来の目的のはずなのに、道具を使うことが目的になりがちです。
とりあえず慣れるまでは使い倒してみようと思っていますが、道具を使うことが目的にはならないように気をつけながら、自分なりの新しい表現を模索して楽しんでいけたらな、と思っています。
二点、注意
このレンズ、とても楽しいのですが二点だけ問題があって
ティルトの部分はネジで止めているのですが、物理的に締めているので、その部分が擦れてレンズ内でゴミとして発生します。
レンズ内、つまりはマウント部分なわけで、センサー部分までゴミが混入する可能性があります。というか、します。
こなれてくると新しい削れたゴミはでてこなくなると思いますが、使い初めの辺りはレンズを外してマウント部分を下に向けるとパラパラと落ちてくるのが目視できるレベルです。
それらを踏まえて、購入される方は導入をお願いします。
あともう一点、50mm 単焦点レンズとしてみれば写りは割とユルユルです。特にフリンジが気になります。50年ぐらい前のオールドレンズと言われればそんな感じのするレベルです。
そういうのが好きなら、まあ良いかも。
それでは、今回はこのあたりで。
今のところは新しいおもちゃで楽しんでいるのですが、数カ月後には新しいカメラとか買ってそうで怖いです。
まあ、それならそれで…。
それでは、また。
あ、動画もティルトで撮ると意外と面白いです。
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