写真日記/その好き、どんな好き?
「――漫画を描くのは好き、でも売れる作品は描けない」
そうつぶやいたのは、昔の友達。その子は漫画の専門学校に通い、一度はデビューもしたけれど。担当編集者と折り合いがつかず、精神的にも参ってしまい、結局プロの道を諦めた。自分の描きたいものと、編集者、出版社の描かせたいもの。その差があまりにも、大きかったのかもしれない。
僕は写真を撮るのが好きだけど、別にプロを目指しているわけじゃない。楽しく撮りたいだけ。有名になりたいとも思っていない。だけどやっぱり、撮った写真を誰かに見て欲しいと思うから、こうして細々と公開している。
写真の上手い下手は、正直あんまりわからない。わかるのは、その写真をみたときに「すごいな」「きれいだな」「心地いい」と、感じたかどうか。それだけなんだ。
たまに、もっとこんな風に撮ったら?とアドバイスをもらうこともある。でもそれは余計なお世話で。そう思うならあなたが、そういう風に撮って、どうぞ。なんて思ってしまう。そんなんだから上達しないのかもしれない。
文章もそう。自分の思ったことを、書きたいことを書くのが好きなだけ。本だってあんまり読まない。漫画なら結構読むんだけど。
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漫画家を諦めたその子。いまはちょっとしたイラストや、短めのエッセイ漫画を描いている。SNSで公開しているだけだから、お金にもならないと思う。でも売れる漫画を描こうとしていた頃よりも、ずっと素敵だなって。ずっと好きだなって、思えるんだ。
タイトル画像:追憶の空 /by: しーの/T_Shiino さん
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