マイラーズC 枠前展望
京都競馬場の最大の特徴は3コーナー手前から始まる坂。
外回りコースでは高低差4m以上の坂を上り、4コーナーにかけて少しずつ下っていきます。
芝1600mの場合レースの中盤で上り坂になるため、レース中盤でペースが緩みやすくなります。
シャタリングが行われるようになった2015年以降のマイラーズCのレースラップを見てみても、レース中盤の2ハロンが阪神で行なわれた2年は22秒台、京都開催の時は23秒以上と異なることが分かります。
昨年こそ改修工事直後で馬場がキレイな「超高速馬場」でしたが、それでもレース中盤は23.0秒と、阪神開催に比較して時計はかかっています。
このように中盤でペースが緩むと追走能力のない馬も好走できる可能性が高くなります。
結果、マイルよりも長い距離で活躍していた馬が好走しやすくなるのが特徴です。
実際のデータで見てみると、京都競馬場が通常スケジュールで開催されていた2016~2020年の5年間で、京都芝1600m外回りに距離短縮ローテで出走してきた馬は単勝回収率96%、複勝回収率98%と人気以上に好走していることがわかります。(単勝オッズ40倍以下に限る。)
一方で同期間における阪神芝1600mにおいて、距離短縮ローテで出走してきた馬は単勝回収率67%、複勝回収率68%。東京芝1600mでは単勝回収率64%、複勝回収率77%と悪い値になっています。
以上より、狙いは距離短縮ローテの馬、もしくは中間でしっかり緩む競馬で好走してきたマイラーを狙うべきと判断できます。
昨年は距離短縮ローテだったシュネルマイスターとガイアフォースのワンツー決着。
今年の出走馬で距離短縮ローテになるのは
ソーヴァリアント
エアロロノア
ニホンピロキーフ
アリストテレス
の4頭が該当。
中でも前走は距離を伸ばしたことで強烈に折り合いを欠いたソーヴァリアント。また、楽々と3勝クラスを勝利し能力の底を見せていないニホンピロキーフは一発あっていいでしょう。
【各馬解説】
ソウルラッシュ
前走の香港マイルは時計のかかる馬場もあっており4着好走。相手はゴールデンシックスティ、ヴォイッジバブルなら強すぎたし、能力を発揮しての4着だった。
2走前マイルチャンピオンシップで2着の実績もあり、よほどスローペースの前残り決着にならなければ大崩れしないはず。ポテンシャルは最上位だし、近年は海外帰り初戦を買うだけでも期待値が取れるローテになっているので、実力以上にオッズがつくならむしろ買い。
セリフォス
前走の香港マイルは後方から差して7着。どちらかといえば1400m以下がベターなタイプだし、時計のかかる馬場が合っていなかった。
2走前のマイルチャンピオンシップはHペースに巻き込まれて8着敗戦も、同様に時計のかかる馬場&京都のコースは合っていない印象を受けた。
今回は近2走の敗戦分で実力以上に人気落ちしそうだが、舞台的には再度歓迎とは言えないコース。ダイワメジャー産駒なので年齢を重ねて追いかけていいとこもなく、ここは相手以上の評価にできない。
ソーヴァリアント
前走の中山記念は折り合いを欠きまくってしまい大失速。馬体重も+22kgとやけに増えていたし、状態面からも見直し可能な内容だった。
2走前のマイルCSは番手からの競馬でHペースに巻き込まれて敗戦と見直し可能な内容だった。
マイルでは富士Sで3着の実績があるが、高速マイルだとスピード負けするので京都のほうが良いはず。気性的に2ターン→1ターン変わりは絶好だし、おそらく人気もしないはず。ここは重めの印を打ちたい。
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