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変わってるね、という気軽で小さな呪い

会社のカードキーを入れているネックストラップに、和田毅のアクリルキーホルダーをつけている。
キャンドゥで買った保護カバーに入れて、塗装がはがれないようにして。少し前までは松田宣浩をつけていたが、そのままつけていたため少しずつ塗装がはがれてしまった。
福岡の放送局、TVQのオリジナルグッズで、福岡県民ならすぐわかる各選手のイラストグッズだ。これは本当にみんな似ていてかわいい。

わたしは同人誌などもこさえるタイプのおたくだが、今の職場ではおたくであること自体を伏せている。話す必要も自分のプライベートをさらす必要もないと思っているから。

伏せるのは昔からだけど、前の職場はおたくが多かったので今季のアニメなに見てる? くらいの会話は自然にやってた。(ケータイショップ店員にはなぜかおたくがそこそこいる)
そもそも「プロ野球が好き」ということだけ前面に出しておけば、あまり深く詮索されないものだ。

本題。
キャラのグッズなどをつけていると一般人(正しくない表現だがあえてこう書く)から「それ誰? 何のキャラ?」などの質問を受けるのは、特にめずらしくもないよくある光景だろう。
でもこの質問、ぶっちゃけめんどいしだるくないか。
こっちの回答によっては相手がドン引きするし、そのあたり気を遣って濁して答えるのがいちばん無難かなと思っている。

なのにこっちの気遣いに構わず「もっとはっきり教えてよ」みたいな追及を受けて、ちょっと説明すると「ふーん」「知らないな」とかで終わって会話が弾まず気まずい空気だけ生まれて終了、みたいなやつ。

そうなることがわかってるから濁したのに、その上で追及してきたんだからそれなりに受け止めろや!!

さらには会話が弾まずに終わっただけならまだしも、自分からわざわざ深堀りしてきたくせに「そういうのが好きなんだ、変わってるね」とか「めずらしいね」とかいうやつ。

お前だーーーーーーー!!!!! お前がいちばん厄介!!!!!!! 気軽に人に呪いをかけるな!!!!!!

べつにキャラグッズに限らないと思う。
趣味でもなんでも、自分の好きなものについて説明がめんどいからふわっと話したら「もっと詳しく」っていわれて、ちょっと説明した結果上記のような反応を返される…ってやつ。
めちゃくちゃ手軽に他人を否定するから恐ろしい。しかもざっくりわかりやすく切るんじゃなく、じわじわ刺すようなやりかたで。

たとえばわたしがつけている和田毅アクキー。
まったくもって野球を見ない、プロ野球のチーム数を知っているかどうかも危うい人から「それ誰?」と聞かれたとしよう。

・回答A(悪い例)
「これですか?! この人は和田毅といいまして、福岡ソフトバンクホークスの背番号21番、松坂世代を代表する現役左腕です!! とにかく顔がいい!!! 顔がさいっこうにカッコいんですよ!!! 宇宙一!! ただでさえ顔がいいのにメジャー経験もあり日米通算130勝もしてる!!!! さらに社会貢献活動までしてる!!!! 神!!! 一言でいえば神です!!!!!(ここまで一息)」

この回答のどこが悪い例なのかは一目瞭然だろう。とにかく温度差がすごい。
聞いたほうも「お、おう…」となるしかない。ドン引き必至。
好きなものの話はすぐ勝手に盛り上がってしまうので、これはどんな場面でも気をつけたい。
まあ自分がやべえやつだということを示して「だからもう話しかけてくんなよ」って牽制をするなら別だろうけど…。

・回答B(心穏やかな例)
「推し選手なんですよ~」

「そうなんだ~」(終了)
これがいちばん後を引かない。ていうかこれだけで終わってほしい。本当はAみたいに話したいけど、相手のレベルを考えて気を遣った無難な回答である。
相手によっては名前まで伝えてもいいかもしれないけれど、この例はあくまで「普段全く野球を見ないし野球のチーム数も知っているのかどうか危うい」レベルの人なのでこれでいい。

自分の回答としてはこれがベストだと思っているのだが、相手からの反応によってこれがこじれてしまう。

「なんて名前?」
「いや知らないと思いますよ」
「いいからいいからw」
「和田毅です」
「へ~…知らんわw」
「でしょうね」
(終了)

この!!! やりとりが!!! めんどくせえ!!!!!! こっちの気遣いを無駄にすんな!!!!!!
あと自分から「知らないだろうから」っていうのはべつにいいんだけど相手から好きなものを「知らん」っていわれると微妙に傷ついたような気持ちになってしまうのなんで?!?!

そう、わたしは傷つきたくない。
自分の好きなものに対して「知らんw」「変わってるねw」みたいなことを死ぬほど言われてきた。

だから自分はこういうことをしないよう気をつけたい。
たとえば聞いたはいいけど知らないなってなっても「知らんわw」で終わられたら「だから言っただろ!!!!」ってなるけど、もし「ごめん知らんわ~どういう人?」と続けてもらえたらとっても嬉しい。
だって「知らん」で終わらせる人って、そこから追加で説明しようとしても「いや興味ないから」ってなること多くないか? じゃあなんで聞いたんだ??? わからん。

わたしの周りの友だちは、知らないジャンルにハマったとしても「おもしろい?」「さいきんハマってるみたいだね」というような返答をくれるからめちゃくちゃ好きだ。

ここでツルネ14話(テレビ未放送回)のダイジェストPVの話をしたい。
他校にアイドルオタクの先輩がおり、いろいろあってその人にそのアイドルのことを聞きに行くシーンがあるのだが「何でも聞いてくれていいよ。どのレベルからいこうか?」というセリフがある。まだ本編は見られていないのだけれども、この「どのレベルからいこうか?」って聞き方、素晴らしい。相手への配慮がある。

まぁ見ての通り配慮はあるが狂気も感じるシーンなんだけど。

ところでツルネ、27日までGYAOで全話無料配信してるようなのでよろしくお願いします。(宣伝に余念がない)

好きなものの話ができるとしても、相手を慮って話したい。相手も自分も楽しいのがいちばんだから。
自分の好きも、相手の好きも尊重できる人になりたい。

わたしは好きなものと自分を同一視しすぎてしまうところがある。
好きなものを否定されると、自分のことを否定されたと感じてしまう。
でも好きなものは好きなものであり、わたしはわたしだ。
否定する人がいたとしても、その人にとってはそうなんだなってだけで受け流していきたい。

「変わってる」「めずらしい」「変だよ」とかそういう、小さな呪いをたくさん受けてきてしまった。
わたしは変なのかな、おかしいのかな、ふつうじゃないのかな、間違ってるのかな、なんてたくさん思わされてきてしまった。

けどいまはそういうの、全部勝手にかけられた呪いだったんだなって気づけた。わたしが好きなものを好きであることには、人間としての優劣なんて全くもって関係ない。ましてや他人の評価なんて、なんのおやつにもなりやしない。

もしまた気軽に呪いをかけてくる人に出会っても、こいつは呪いをかけてくるタイプのモンスターなんだなって魔除けのお守りでも握ってれば大丈夫かなって思う、いまは。

そういうことを覚えておきたいので、noteに書いた次第です。

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