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「12人の怒れる男」を観た

平成生まれの私にとってモノクロ映画って難しそうで敬遠しがちでしたが、そんなイメージを払拭する良い作品でした。

陪審員として集められた12人の男たちが、父親殺しの容疑がかかるスラム育ちの少年に判決を下すため話し合うというあらすじ。
状況からして99%有罪の空気が流れる中、陪審員の1人だけが無罪を主張する。
はじめのうちはさっさと終わらせて帰ろうという雰囲気だった11人の意見が、このひとりの男によって次第に覆されてゆく。

90分尺のほとんどが同じ部屋のシーン、登場人物の名前すらも知らされないまま進んでゆくのに不思議と目が離せない。内容がシンプルだからこそモノクロが生きてくる感じがする。
外は土砂降りで空調はなく、じっとりと暑い部屋の様子はむしろモノクロの方がこちらの想像力を掻き立てる。

最終的に11人の意見は一転、全員が無罪を主張し終わるのですが、この映画の中で重要なのは結果では無くその過程です。

絶対にクロだと信じている人に自分の意見を聞き入れてもらうには? これって仕事とか、普段の生活の中でも共通することだと思います。
また、この11人のうち数人と傍聴人のほとんどは少年がスラム出身というだけて有罪だと決めつけています。
先入観を持たずに物事の本質を見つめる事って歳を重ねるにつれて難しくなっているなと感じます。

シンプルだからこそ奥が深い、
Z世代のモノクロ映画デビューにもおすすめです。
他におすすめのモノクロ映画がありましたら是非教えてください。

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