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「いくぜ!!」とかで終わる最終回

この記事は5月7日に更新しました。マガジンとしては「4月分の記事」のところ、更新が遅れてしまっており、大変申し訳ございません。

※以下の文章には、『魔々勇々』など、色々な短期連載の漫画の最終ページ付近のバレが含まれています。

 


 

前置き

『週刊少年ジャンプ』に連載していた『魔々勇々』が、全29話で終わってしまいました。

連載最終回の、最後の台詞は「いくぞ!!!」。

『週刊少年ジャンプ』2024年19号

「単行本に続く構成」とのことで、連載のまとめ方は良かったのですが……。
できれば、もっと長く読みたかったです。

 

「おれたた」について

現状、打ち切りフレーズのテンプレといえば、「俺たちの戦いはこれからだ」のイメージが強いです。

週刊少年チャンピオン 2004年6号(ORANGE)

一言一句その通りではなく、「戦いは始まったばかりだ」だったり、「本当の冒険はこれからだ」だったりするのですが……。

「瞳のボランティアはまだまだこれからです。」(月ジャン 1990年6月号)

現在では、こういうのが「あるある」だと広く認識されております。

今期アニメでもギャグっぽく使われているのを見かけて、

『名探偵コナン』1121話(2024年4月27日放送)
『変人のサラダボウル』3話(2024年4月19日放送)

もはや、ネタ的に使われることの方が多いような気がします。

(普通に使っているのを、まったく見ないわけでもないのですが……)

『週刊少年ジャンプ』2018年12号、2021年49号

 

「戦いはこれからだ」のネタ化について

90年代前半の『ジャンプ』でも、色々な戦いがこれからになっていました。

1990年10号、1991年13号、1993年25号、1994年16号

1994年の地獄戦士ヘルズウォリアー魔王』が、それを「あるあるネタ」にしています。

『週刊少年ジャンプ』1994年38号(8月23日発売)

その12週後の『まんゆうき』の最終回でも「戦いはこれからだ!!」をネタっぽく使いました。

『週刊少年ジャンプ』1994年50号(11月15日発売)

※単行本だとアオリは未収録で、順序入替で最終回でもなくなりました。

 

ソードマスターヤマト

そして、2003年には『月刊少年ジャンプ』に「ソードマスターヤマト」が掲載。

『ギャグマンガ日和』5巻(2004年2月発売)

これが00年代後半に広く知られるようになって、「奴は四天王の中でも最弱」などの「あるあるネタ」を周知させたように思います。

※うろおぼえ時系列
・『ギャグマンガ日和』がアニメ化されて、ソードマスターヤマトの回は2006年9月に放送(キッズステーション)
2006年11月にテレ玉でも放送
・2007年にニコニコ動画が本格化して、2007年5月にソードマスターヤマトのMADが人気に(週刊ニニコニコランキングの第1回で1位)

2007年5月に記念すべき初回のトップ(URL

※なんとなく、邪気眼(2006年2月発祥)から「中二病」が流行ったくらいにソードマスターヤマトも広まった印象を持っております。(うろ覚え)

 

銀魂

そして、2008年に『銀魂』が「打ち切り漫画あるある」的なネタで「俺達の戦いはこれからだ」を使用。

『週刊少年ジャンプ』2009年1号(2008年12月1日発売)

それが2009年にアニメでも放送されました。

『銀魂』アニメ 157話(2009年5月14日放送)

と、そんな感じの出来事があって……。

00年後半に、「ソードマスターヤマト」や「銀魂」の影響から、「奴は四天王の中でも最弱」や「俺たちの戦いはこれからだ」が、この種の「あるある」のテンプレと広く認知されるようになったような気がしております。

「戦いはこれからだ」は『地獄戦士魔王』の頃にはネタ扱いされておりますが、完全に現在の地位におさまった時期はこの辺(?)かなと。

まあ、2020年の『ミタマセキュ霊ティ』では「戦いは始まったばかりだ」の方でネタにしていたり……。

『週刊少年ジャンプ』2020年36・37号

「始まったばかり」系も、やはりよく見かけます。

『リンカイ!』4話(2024年4月30日放送)

 

「いくぞ!!」に注目したい

と、こういう話題では、「戦いはこれからだ」「始まったばかりだ」がクローズアップされがちです。

一方、『魔々勇々』みたいな「いくぞ」というフレーズは、そこまで注目されないのですが……。

実は、ソードマスターヤマトは「戦いはこれからだ」ではなく、「いくぞオオオ!」と叫んでいたりします。

『ギャグマンガ日和』5巻

ただし、
・『魔々勇々』の「いくぞ」は仲間に声をかけている
・『ソードマスターヤマト』の「いくぞ」は敵に向かって叫んでいる
……という違いはあります。

そんな感じで、あまり注目されない打ち切り漫画の「いくぞ」系ラストについて考えていく一歩目を、今回踏み出してみたいと思います。

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