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認知症の母:遠隔介護 合鍵とドア開閉センサー

2022年3月。
母が「鍵が無い」と言い始めた。
鍵を紛失したのかと探すと、バッグの中にちゃんと入っている。
無くしたのではなく、目の前にある「鍵を鍵と認識できず」に無いと言うようになった。
とはいえ、今はまだ見つかるけれどいずれ本当に鍵を無くさないとも限らない。
ないと家に入れないので家族が駆けつけることになる。
その度に、呼び出されるのはすごく嫌だ。
介護スタッフにも、「鍵がない」たびに迷惑がかかることになる。

そこでスペアキーを多めに作って、スタッフにも鍵の場所を知らせて共有してもらうことにした。

スペア1つは、部屋の中。
玄関入ってすぐの置物の下(母の目には触れないよう隠した)。
スペア1つは、部屋の外。
玄関前のメーターボックスの中の、暗証番号付きのキーボックスの中に。

また、ケアマネさんを含む責任者に暗証番号を知らせた。
これで、もし母がうまく鍵を見つけられなくて
「鍵が無い!」
と慌てても、スタッフがいれば母はちゃんと家の中に入れる。
母は困らない。

大事なのは『母の混乱や焦燥を避ける』ことだ。

ただし、同時にとても心配になった。
キーボックスの暗証番号はいつでも変更できる。
でも、番号を知っていればいつでも母の家に他人が入れて鍵をコピーすることもできる。
もちろん介護スタッフを信用してはいるが、悪いことが起こらないとは限らない。母は80歳を超えた非力な女性で認知症。もし誰かが不在時に家に入って、母と遭遇したらと考えると怖い。
母を守らなくてはならないが、私が目指すのは遠隔介護だ。
日々あれこれ考えてネットで調べた。

その頃、ホームセキュリティが複数の会社でサービスを開始していた。CMで見たのでセコムを調べてみたが、専用の器具の初期投資に数万円かかり毎月の費用もかかる。それはいいとしても、運用してみないと母と相性がいいのかどうかもわからない。初めて導入するには高額すぎる。

他にも調べてみたが、結局SwitchBotのドア開閉センサーを導入することにした。
センサーと一緒にハブという器具も必要だが価格は合わせて5000円以下だったし、何より通信費は無料なのがいい。即Amazonで購入した。

ドアとフレームの2箇所にテープで貼るだけ


取り付けも簡単だったし、操作も簡単で、お知らせが来るのも良かった。
人感センサーと照度センサーも付いてて、履歴がズラーッと表示される。

面白い。

SwitchBotのアプリ上の表示。
センサーの赤いライトは母が気にするのでアプリで消す設定に


「開く」をトリガーにして、他のBOTと連動させることもできる。

いつ玄関が開いたかわかるだけでも、デイサービス送迎がいつ来たのか、帰ってきたのか、お弁当が届いたのかがわかってとてもよかった。

もし母が出かけたら遠くまで行ってしまう前に
「お弁当が来る時間よ。家に戻って」
と、電話することもできた。

それまで母がどんなサイクルで生活しているのか全くわからなかったし、認知症のよく知られた症状である「徘徊」も心配だったので、不意な外出を察知できるだけでとても安心できた。

このセンサーは小さくてシンプルで電池の持ちも良い。1年半の間に、電池の接触不良で一度買い替えたがSwitchBotを選んでよかったと思う。
関連製品が多くてとても便利だ。

この後、カメラや温度計を増やしていった。

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