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未来の建設業を考える:「周年企業」の飛躍に期待(2023年2月1日)

「周年企業」

 創業・創立から、「創業10年、50年、100年、200年など、節目を迎える企業を「周年企業」という。
 帝国データバンクの「周年記念企業」調査(2023年)によれば、2023年に周年を迎える企業は、全国で14万社。業種別では、建設業が最も多く、4万社で全体の約3割、次がサービス業、卸売業、製造業、小売業、不動産業とつづく。50周年を迎える企業は2万4千社もあるのに対し、100周年企業となるとわずか2118社しかない。いかに100周年企業とすることが難しいか、わかる。

2023年に周年企業を迎える主な企業

 2023年に周年企業を迎える主な企業は、200周年となる世界有数の酸化鉄メーカーの戸田工業、150周年を迎えるスーパーゼネコンの大成建設、製紙業の王子ホールディングス、100周年となると高砂熱学工業東光電気工事ジャパンパイル富士古河E&C斎久工業南海辰村建設佐藤渡辺など、建設関連企業も多い。ちなみに、ヱスビー食品タイガー魔法瓶、アルバムのナカバヤシなども100周年企業だ。
 100周年を迎える企業の数を都道府県別にみると、順に、東京、大阪、神奈川、愛知、北海道が100社以上で多い地域だ。
 周年企業は、周年需要を取り込むべく、新商品開発や周年記念パーティー、記念グッズの配布、企業ホームページや企業ロゴのリニューアル、制服・作業着の一新などを行うことが多いそうだ。
 製造業やサービス業であれば、企業宣伝も含めて、周年事業の一環として新商品開発や新たなサービスを提供することは効果的なことかもしれないが、建設業における周年企業は、ぜひとも、品質改善生産性の向上、ICTやAIを活用した次代の建設業のあり方につながる取組みに期待したいところだ。なぜなら、社会環境の変化が激しい現代ならではの周年事業を考える必要があるからだ。

AIやIoTを用いた改革

 狩猟時代が数百万年、農耕社会が縄文時代以降の数万年、工業社会は数百年、情報社会は数十年、現在のAI、IoT時代のソサエティー5.0はものすごいスピードで成長している。
 100周年企業の特徴は、
①明確な企業理念、経営理念の共有、
②長期視点に基づく経営、
③伝統を継承しながらも、時代に合わせた変革
にあるそうだ。
 建設業も「設計・建設」をコアビジネスにしながらも、作って終わりではなく、作った作品を次代に継承するため、AIやIoTを用いた新たな維持修繕、保全、管理、都市開発の領域まで事業領域の幅を広げるべき時に来ていると思う。
 現代は、情報通信技術の活用の有無が企業の成長を決めるとまで言われる。「周年事業」は企業変革や改革、顧客との結びつきを強める絶好の機会とも言われる。

企業変革

 大いに「周年事業」を活用して、企業変革につなげて欲しいものだ。
578年創業の世界最古の企業金剛組(髙松コンストラクショングループ)」も、建設業だ。
ぜひとも、歴史あるゼネコンの皆さんがAI、IoT時代における建設業のあり方を考え、変革することで、200周年、1000周年を迎える企業へと、さらに成長するよう大いに期待してます。

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