見出し画像

未来の建設業を考える:「やってみなはれ」(2023年4月4日)

4月は始まりの月

 4月は始まりの月。新入生のみなさん、新たに社会人となったみなさん、誠におめでとうございます。
小さい子供がランドセルを一生懸命に背負って歩く姿は、とても可愛い。
ただ見ていて気になることは、このランドセルが教科書いっぱいで、とても重そうなことだ。小さな児童がふらつきながら登校しているのを見かけると、心配になる。

現場の実態を踏まえないデジタル化

 重いランドセル問題について、学校では教科書を学校に置くことで解決しようとしているが、一方で、自宅で宿題をやるために、学校の先生が教科書をスキャンしてデジタルデータで配布しているそうだ。
それなら、もともと教科書そのものを紙とともにデジタルデータで配布すれば、いまの子供は勝手にパソコンやスマホに読み込んで、使えるようになるはず。
 そもそも紙で印刷する前の教科書はデジタル化されているので、そのデータを紙とともに配布することは、とても簡単なことだ。文部科学省ではデジタル社会の構築の一環として教科書のデジタル化を進めているそうだが、単に教科書のなかにQRコードを付した程度のことを「教科書デジタル化」と言っているそうだ。
 現場の実態を踏まえないデジタル化では意味がない。現場の問題を解決するデジタル化であるべきだ。

現場を見て感じて経験したこと

 建設業の基本も現場、工事現場だ。社会人として一歩を踏み出したみなさん、設計に携わる人も、開発や不動産に携わる人も、ぜひとも、現場を見て感じて経験したことを踏まえて、それぞれの道を歩んでほしい。現場のデジタル化はまったなしで、2024年度からの残業規制もあり、AI(人工知能)やITを活用した建設プロジェクトとして、生産性や価値を向上させることは必要不可欠。建設業のデジタル化は必須だ。企画、設計、施工もIT技術の導入でプロジェクトのありようが大きく変わる。デジタルネイティブの今年入社したみなさん、その力を大いに発揮して改革が進むことに期待したい。

できないことを考える人(社員)が多い

 ユニクロの柳井正氏が言っていたが、今の日本の停滞の大きな原因は、「できないことを考える人(社員)が多い」ことにあるそうだ。どうやればできるか考える人が少ない。画期的な案や良いと思う案でも、稟議している間に、できないことを考える人(上司)につぶされてきた経験を持つ人も多いはず。

やってみなはれ

 まずは、サントリーの創業者・鳥居信治郎氏ではないが、「やってみなはれ」の精神が、いまこそ求められる。松下幸之助さんは、とにかく考えてみること、工夫してみること、そして、やってみること。失敗すればやり直せばいい、と説いている。
 「人間とは磨けば光る無限の可能性を秘めた、あたかもダイヤモンドの原石のようなもの」と松下幸之助さんは言ったが、会社の先輩や経営者においては、柳井氏や松下氏にならって、デジタルネイティブな無限の可能性を持った新入社員の大いなる発想を大切にすることを願う。まずは、新たに社会人となったみなさん、大いに「やってみなはれ」。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?