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自分とつながるリーダーシップとは、何か。

京都大学経済学部4年生の高浜拓也と言います。

今回、「心の源につながって、生きていく。」ということをテーマとした連続講座を開くこととなり、「心」という21世紀のフロンティアを探求しに行く仲間を探しています。

その想いを今回、ここに綴りました。

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人類最後のフロンティア、「心」

石斧、鉄道から人工知能に至るまで、
古代以来、様々なテクノロジーを発明してきた人間。
産業革命で「手」や「足」を代替・拡張し、
情報革命は、AI化によって「頭(脳)」、そしてロボット化によって「体」そのものを代替・拡張していくでしょう。
それは、人間の従来のテリトリーやアイデンティティを侵食していくように見えると同時に、一方で、人間という、現時点で最も進化した生命体の本質と真実へと迫る、かつてないくらいスリリングな冒険です。

「人間とは何か。」

シンギュラリティという明快な節目を迎える前に、
人はこの問いに答えることができるか。
それは、あらゆる共同体(国・企業・宗教)とあらゆる学問分野を超えて、
人々に協力をもたらす、そんな人類史上初めての人類全体の挑戦になるでしょう。

その冒険に向けて、大きなヒントになるもの。それは、
「心とは何か」
というテーマだと思います。

人はなぜ美しいものに涙を流すのか、
人はなぜ自分を犠牲にしてまで他者を救うのか、
人の感情や思考に「自由」な領域はあるのか、その自由はどこから生まれるのか。
人工知能で感情を作り出すことはできるか。

心にまつわる問いは、その一つ一つがあまりに難しく、また神秘的であり、
その解明・解釈には生命科学や脳科学などの自然科学的な領域から、東洋思想、スピリチュアル、宗教などのこれまで「非科学的」だと虐げられてきたものまで、あらゆる知恵が必要になるでしょう。

そんな「心」というテーマは、単に中長期的な真理の探究のために重要なのではなく、短期的な視野で、重大な社会課題に取り組むためにも、極めて重要なテーマです。

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これから何が起きるだろう?

これからの時代、断続的なイノベーションによって、あらゆる領域は常に「変化」に常にさらされていきます。しかし、変化そのものを好むイノベーターのような人以外の多くの人間は、変化の中で、安心を見出すというスキルを持ち合わせていません。「自社は存続できるのか」「自分は生き抜いていけるのか」そういった消えない不安の中でどう安心を見出し、そして生きる力に変えていくか、そんな心のマネジメントはこれからの時代の重要な課題になると思います。(Yuval Noah Harari氏はその力を“Emotional Intelligence”と呼んでいます)。

また、AI・ロボット化により、極限まで効率化・最適化を推し進めていく今の社会の方向性は、人の生きる上で必要なコストを極限まで下げていくと同時に、人が社会に貢献できる経済的価値も極限まで下げていくと思います。
コンビニの店員、事務員、弁護士、医者、政治家、あらゆる労働が安価なAIロボットによって代替されていくとしたら、人間はどうやって社会に貢献し、社会から承認されるのでしょうか?

「そもそも働かなくてもいいじゃん。」
楽観論者から切り札のように使われるベーシックインカムや限界費用ゼロ社会の発想は、人々に対して、生きるために必要な物(住居・食料)は与えるにせよ、幸せになるために必要な心(社会的な承認・所属・愛)は与えてくれません。

近代以来、人間は、「お前は社会の中で役に立っているのか?」という
主に経済的価値によって社会での存在が認められてきましたが、人々に経済的価値を付与する教育や制度だけではなく(それは徐々に難しくなっていきます)、経済的価値じゃない何かによって人が社会から承認されるような仕組みと価値観が必要ではないでしょうか。

特に戦後以来の、画一的で代替可能な能力を磨く公教育も、その先にはロボットとの競争が待っているだけです。一人一人、その人だけの、代替不可能な能力・感性を磨く教育への変化が重要かもしれません。

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どんなことができるだろう?

今までの発想ではそもそも立ち行かない事態が来つつあるように思います。

それじゃあ結局、どうすればよいのでしょうか?
僕にとって解くべき問いは、
「断続的に続く『不安』をどうマネジメントすればよいのか」
「人が社会的に承認されるための指標は経済的価値以外に何があるのか?」
「人が他者やロボットに比べて代替不可能な能力を身につけるにはどうすればいいのか?」
でした。

そんなことを考えていた頃に、僕は大事なヒントに出会いました。
個人や組織の変容を体系化したU理論の訳者であり、
コーチングやリーダーシップ開発を通して多くの人々の意識の変容を実践してきた、由佐美加子さんです。

由佐さんは、数多くの人々と向き合った実践と確信から、
「不安を抑圧する必要はない。それは力に変えられる」と言います。
そして、「感情は、その人のいのちが、無意識レベルから意識レベルへ何かを伝えたい、そんなときに送るメッセージなんだ」とも。

不安や悲しみ、恐れや怒りといったネガティブな感情は、
通常、忌避されるもの、制御されるべきものとみなされます。

でも、たとえば、ある彼女が「あなた(彼氏)は私のこと何にもわかってくれない…!!」と怒っているとすれば、男性側のよくある反応は、逆切れして「わかるようなそぶり何にも見せてくれないだろ!」と、感情的なケンカになること請け合いですが(笑)、本当は、その子の奥には、(私のことをわかってほしい…)という強い願いがあったりします。


その願いをその本人と相手が理解することができれば、
その後のやり取りは、感情的なケンカになることなく、
「どうやったらお互いのことをもっとわかってあげられるだろうね?」という発想に変わります。

このように、あるネガティブな感情がその人に生まれているとき、
その奥には、何かに対する強い願いがあります。
それにその本人が気づくことができれば、不安などのネガティブな感情を抑圧することなく、むしろそれを生きるパワーに変えてくことができます。
これは、ガンディーの生き方に学んだNVC(非暴力コミュニケーション)というコミュニケーション手法として理論化されています。

また、このように、自分がどんなことに強く感情を抱くか、ということを理解していくことは、その人がどんなことに強い願い・モチベーションを持っているのかという自己理解にもつながります。それは、遺伝的な要因、生後以来の環境的な要因を通して、他の誰とも違ってその人自身が大事にしたいもの、実現していきたい望みであり、それを理解することがすなわち、自己の「使命」を知ることであり、そのために自分の命を使っていくことは、その人に他者と代替不可能な能力や感性をもたらすことにつながるのではないでしょうか。

そして、まだ由佐さんにとっても仮説でしかないですが、
「あらゆる命はその全体としてつながっており、宇宙はある意味で、一つの意志を持っているんではないか。そしてそれは美しく発展していこうとしているのではないか」という考えがあります。

19世紀にマルクスが資本主義の問題をえぐり出し、実際にそれ以降も貧困や環境破壊などの社会問題は噴出していきましたが、今、多くの人が自分の望みとしてそれらの問題を解決したいと強く願い、実践しているように、
地球という単位においても、その生態系のバランスが崩れると、それを補おうという願いを持つ人が多く生まれ、それによって今もなお、環境破壊・貧困などへの対策が地球規模で取り組まれています。
それは、かつて「地球は生きている」といったガイア理論にも近いですが、

大事なのは、
あなたが何か身の回りのことに対して強い願いやモチベーションを持つとき、
それは、「世界から切り離された個人としてのあなた」が自分勝手にそう思ったのではなく、「世界の中の一部としてのあなた」が、世界というより大きな生命体をよりよい環境に改善するための自動的な作用として、そのような意思をあなたの役割として与えられたのではないかということです。


このような世界観に基づくとすれば、
他者は、自分や社会にとって「役に立つか、立たないか」という風に経済的価値を問うこと自体が不毛になり、「私と同じく、分かちがたい大いなる命の一部として生きているあなたは、世界にどんな望みを抱いて生きているのか」、という視点に立って他者を見ることができます。

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一緒に、冒険したいんだ。

あらゆる命がつながって世界を構成しているとすれば、それはどんな景色なのでしょう?あらゆる感情をその人が生きる創造的なパワーにつなげることができたら、その人が放ついのちの輝きはどのくらい変わるのでしょう?

そんなことを、探求してみたい。それが今の時点で、僕がこれからやりたいことの一つです。


これらは、あくまで空想レベルの思考と臨床ベースの着想に基づいた仮説です。厳密な批判的議論、科学的検証などはこれからですが、
その可能性を一緒に探求してくれる仲間を、すごくすごく、探しています。

まぁ頭でごにゃごにゃ考えててもわからないので(笑)、それをじっくり体感して、検証する場を、今回つくることができました。


多忙を極める由佐さんが貴重な時間を割いて、全3回の講座を極めて安価に(!!)つくってくれることになり、U理論、NVC、システム思考、メンタルモデルなど、ここ数年で由佐さん自身が培ってきた色んなソーシャルテクノロジーを体系化させつつ、「自分の源につながって生きるとはどういうことか」
を体感して、実際にその意識の変容が起きるところまで挑戦しようということになりました。

僕はこれを、
危機感や不安に駆られ、力で人を支配するのではなく、
いつなんどきでも、外部環境に振り回されることなく、
不安やあせり、あらゆる感情を受け入れて、自分の源にある願いを起点に、喜びやワクワクで人を導いていく、そんな新しいリーダーシップの在り方、「自分とつながるリーダーシップ」として、できるだけ、若い人、そして、社会に積極的に関わっていきたいと思っている人にこそ、体験してみてほしいと思っています。

あくまで、道なき道を行く冒険です。何やこれと思う人も大半だと思いますが、それでも、「なんかおもしろそう!」と思ってくれる人が一人でもいて、
一緒に探求してくれる人がいると、すごくすごく、僕は嬉しいです。

(僕自身は心そのもの解明やその変容の実践だけでなく、社会・経済の在り方として、それをマクロにどう実現していくかに強い関心があるので、そんなこともいっぱい話せたらなって思います!)

さ、出発だ!!!


イベントの詳細はこちらです!

https://www.facebook.com/events/749418921893714/





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