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ゴールデンウィークの利用状況からみる京阪神ー北陸利用の落ち込み

 JR各社から、今年のゴールデンウィークの
利用状況が発表された。

ここでは、関西に住む私は
JR西日本の状況について考察してみようと
思う。

とりわけ北陸方面を見ていく。



ゴールデンウィークの利用者数。
左から下り、昨年との比較(%)上りと昨年との比較、上り下り合計の順

【予想通りの客離れ】


 まずは、北陸新幹線ですが、敦賀延伸後初めて
迎えるゴールデンウィークだ。

■サンダーバードの状況


この写真は、今年のゴールデンウィーク中ではない



 主に京阪神から北陸へ向かう湖西線のルートの
 特急サンダーバード号の
京都―敦賀の利用数は前年の9割にとどまった。

■大幅に減少した「しらさぎ」


ダイヤ改正前の福井での「しらさぎ」

そして、「しらさぎ」は半分にとどまった。
 まず「しらさぎ」関しては、
首都圏ー福井県の移動に米原乗換で
使われていた。

それが、ほぼ北陸新幹線経由に
変わったことが主因でしょう。

それを裏付けるように
表の「かがやき」「はくたか」は
前年比10~20%伸びている。
これは、まさに首都圏ー福井の分が
上乗せされたということだろう。

ただ、北陸新幹線といえども敦賀近辺は
東海道新幹線経由の方が速く、
乗り換え回数も今まで通り1回のため
転移しなかった。

その分が50%ということでしょう。
 ただ、中京圏-北陸はかなり減ったと
いわれている。

クルマ社会の浸透が関西や首都圏以上で
さらなる転移が進んだものと考えられる。

■京阪神の奥座敷はもう昔?

北陸新幹線の敦賀延伸で、同駅での乗り換えが
発生してしまうことで
関西からの北陸へ向かう需要は少なくなると
言われてきた。

 観光客からは、観光の行先の候補として
選ばれにくくなったのは否めないと考えられる。
 これは、予想通りではないかと考えられる。
 

■サンダーバードの全席指定化の影響


一方で、別の要素として、
特急サンダーバード号は
全席指定に変化したのも大きい。

今までは自由席2両あり、
仮に乗車率120%なら1列車で30人程度の
立客がいたことになるが12両編成の
定員から換算すると3%ほどである。

3%程度の落ち込みなら、「立客がいなくなって
よかったね」で終わるけど、やはり
10%の落ち込みはJR西日本は痛手なのだろうか?

■サンダーバードは利用減、収益増?

また、定価ベースで一番需要の多そうな
大阪ー金沢は1620円の値上げがなされ
約20%上がっている。

これを、考えると客単価は確実に
上がっていて、増収になっていると
考えられる。

■ケチな関西人は新快速にシフト?


 もうひとつ、考えられるのは、大阪ー敦賀を
サンダーバードを使わずに新快速を利用した層。

敦賀からの北陸新幹線は、自由席があり、
「サンダーバード」や「しらさぎ」から
乗り継ぐ人は指定席を持っているはずなので
自由席は利用しない。

ということで、新快速→新幹線自由席と
利用した人も一定数いたと考えられる。

もしかすると、値上げの影響でこちらに
シフトしたと考えられなくもない。

【まとめ】

  • 「しらさぎ」は半減

  • 北陸特急の「サンダーバード」は前年比90%の利用

  • 関西人は北陸観光は敬遠か?

  • 客単価の大幅向上

  • 関西人大好き新快速にシフト


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