作品との出会い

数多ある作品の中から面白いと感じるものとのどの程度出会えるのだろうか。映画をテレビ放送や配信で見ても楽しめる作品に出合えない日が続いている。ひとつの作品を見始めると(あれ、思った程でないかも)と思いながらも有名な作品だし最後まで見たらと希望を捨てきれず見続け、結局もやもやしたまま2時間が経過している。

100分で名著やOver the sunで取り上げられていた「老人と海」を青空文庫で読んだ。その後に何気なく青空文庫の新着図書を読んでみたのが思った以上に面白い。始めたばかりなので偶々この数日公開された作品が自分に合ったという事もあるだろうが、このような偶然性を得られるのが嬉しい。27日の公開された永井荷風の「噂ばなし」は数分で読める短編だが最後の締め方が秀逸だった。グリム童話の荒唐無稽な残虐さも面白い。

興味を持ち始めるとっかかりとなるものが年々減っているように感じる。自分は漫画を知るために作品の載っている雑誌を買ってほかの作品も読み、そこで気になった作者の他作品を読み、と広げていったのだが今ではIKKIもブレイドもバーズもハイも無い。WEB漫画だと掲載場所が同じサイトでもタイトルや絵柄でよっぽど興味を持たないと読まないものが多い。もっと大きいのはSNSなどのサジェスト機能と逆行する働きだからと思う。過去の傾向や同様の視聴履歴を持つ人のマスデータから同じようなものを掲示され続けても興味はないし食傷気味にもなる。MOTHER2の動画を見たからと言って誰が作ったかも知らないランキングや解説動画などは表示されても邪魔でしかないと感じるのは自分がひねくれているからだろうか。

自分が関心ある分野に関しては調べる術を知っているし、必要となったら自分で探し当てるだろう。それよりも未だ知らない面白い世界を知り広がりを持つ事に面白さを感じる。ほぼ日でリゼ様と糸井さんとが鼎談するなんて予想できなかったし、全く別と思っていた物事が思わぬところでつながる時はより面白い。だからそんな種を多く持っておきたい。

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