社会科学の実用化 日米文明比較から
社会科学の成果や、見通しを、自然科学のように、実世界に反映させることは、可能でしょうか?一つの事例は
MBA(経営学修士)達の経営
です。
しかしながら、MBA達の経営は、アメリカなどには多いようですが、日本では、少ないように思います。
この問題について、原因を考えてみました。私がたどり着いた答えは
日米文明の違い
です。つまり文明の基本に
米:哲学者の支配
日:皆の納得
という違いがあるのです。アメリカは、西洋文明の一つの完成形として、最近作られた国です。一方、日本には聖徳太子の時代からの、文明の積み重ねがあります。
西洋文明には
古代ギリシャの哲学
ローマの法学
その上に立った近代科学の力
があります。そこでは、厳密な論理思考が力を持っています。
しかしながら、こうした厳密思考を実現するためには、ある種の理想化が必要になります。一例を挙げると
地図の上で考える
方法です。こうした「地図の上」での思考は、細々とした細部に惑わされずに、効率的に考えることが出来ます。
しかしながら、現実にはその土地固有の問題があります。そこで、問題が起こったと気の対応には、二通りの方法があります。
権力で押さえ込む
現場の状況に合わせて修正する
西洋文明は、伝統的に権力での支配が得意です。極端な事例は
植民地時代の国境分割
です。宗主国の間で地図上で線引きをし、それに従わせるため、武力で押さえ込む。これが現在は
MBAなどの指導者に従え
という
学問の武装
に変わりました。
さて、日本の場合には
古代ギリシャからの論理でなく
比喩などでの納得
が中心の説得になります。鎌倉幕府の2代目将軍である源頼家が、土地争いに対して
絵図の中央に線を引き裁定
という話が「乱行」として伝わっています。これに対して、北条泰時は
両者の言い分を聞き裁定
で高評価が伝わっています。
こうした日本の
納得中心
な発想には
新しい理論だけでなく
その実例や物語
を伝える必要があると思います。
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