ツキミソウ

強い風
荒れた海
揺れる髪
夏の花
小さな
足跡を
追いかけた
この街で

日に焼けた肌がまだ 夏を引きずっている
遠く色褪せていく
二人はしゃいだphotograph

澄んだ夜 空に 白い独り言
夜の星になった君
ポケットに隠したままの
永遠を誓うはずの愛を届けられずに

1秒毎に 変わっていく 空の色みたいに
君のこれからと 僕のこれからが
溶け合って ひとつになって
それだけで 幸せで


のびる雲
飛び立つ鳥
耳障りな
虫の声
揺れている
錆びたブランコ
さよならが
泣いている

長袖のシャツの下
まだ夏を引きずっている
君の帰りを待つように
輝き続けるシーグラス

初めて想いを重ねた後
細い肩を抱きしめながら
月明かりが照らす未来を見つめていた

1秒毎に 変わっていく 空の色みたいに
なんでもないことが 特別だってことに
気がついた時にはもう 大切を失って

砂の城のように 二人の愛の国
消えてしまわぬように 愛し合った一夜
小さな足跡 恋をしたこの街
海を撫でる風 君の揺れる髪

遠くに虫の声 高く伸びる雲
美しい夜の星 確かにあった夏
思い出のphotograph
君を待つシーグラス
手を振る夏の花
さよならが泣いてる


2022.9

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