金融リセットへの準備

①2021年1月18日ダボス会議
岸田総理演説
新しい資本主義による日本経済再生
成長と配分
「今、我々は、グレイトリセットの先の世界を描いて行かなければなりません。」

②2013年から続いた異次元金融緩和
2年程度でインフレにすることが目標だったが、延び延びになって、2023年12月末現在1068兆円の国債が発行され、国の借入金は、1286兆円に及ぶ。地方政府分も合わせると、1442兆円の借金となっている。

③最近の急激な円安は、34年ぶりであり、財務省が認める通り、日本と各国の金利差だけでは説明できないものとなっている。

1月26日の日銀金融政策決定会合では、国債買入縮小という前回方針を踏襲するとなったが、植田総裁の為替動向には無関心であることがマーケットに伝わり、円安が加速してしまった。

2022年9月に1ドル145円超え、10月下旬ま150円超えで、政府は為替介入を行い、一旦は円安が収まったが、再び円安が加速し、34年振りの円安となっている。

④連休明けには、160円も意識されている。
介入期待が日本のトレーダーにはあるが、
ドル高によるインフレ対策を優先する米国が為替介入に対して理解していないので、日本単独でも為替介入は難しい。
そもそも、ドルを売るためには、1兆ドルの米国債を売るか、ドルを借りるしかない。
マーケットで米国債を売れば、米国債暴落、米国金利が跳ね上がり、世界同時不況は避けられない。ドルを借りるにしても、米国政府には余裕が無い。

⑤奇しくも、1月1日から新NISAがスタートし、多くの日本人が、オルカン、米国への投資を選択し、キャピタルフライトに近い状況となっている。

⑥日銀が金利を上げられない理由は、政治的、財務的理由がある。
政治的には、株価を下げることによる政府への支持率低下を懸念すること。
財務的には、日銀や国債の僅かな金利で食っている地銀の債務超過懸念だ。
特に地銀の債務超過は、日本経済に壊滅的な影響を与える可能性がある。

⑦2023年9月末で、地銀の含み損は、長期金利0.76%で含み損 2.8兆円と計算されている。
既に日銀は長期金利を1%まで認めており
マーケットも限りなく1%に近くまで上がってきている。含み損は、既に3兆円を超えているだろう。地銀再編は待ったナシの状況だ。

⑧一方日銀の債務超過予想は、2024年3月7日予算委員会での藤巻先生質疑で日銀が明らかにしている。

金利引き上げ時の影響
①日銀当座預金への支払い金利
500兆円残高とすると
0.5% ▲2.5兆円
1.0% ▲5.0兆円
5.5% ▲27兆円

②日銀保有国債評価損
平均残存期間 2月現在 6.5年
2023年上期実績
0.76% ▲10兆円
引き上げ時想定損失
1% ▲29兆円
3% ▲77兆円
5% ▲114兆円
10% ▲180兆円

③2024年満期を迎える日銀保有の国債 67兆円

金利を1%に引き上げると、利払い5兆円、含み損29兆円となる。株価も暴落するので、株価の含み益も吹っ飛ぶだろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?