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アラバキ2021に行ってきました。 #アラバキ保存会

アラバキロックフェス2021に行ってきました。

え、中止になったじゃん。
うん、知ってる。
中止になったよね。開催1週間前にね。うん。

(※前の記事、累計7,000PVを超えてました。今年のアラバキ参戦予定者数を超えてた。ありがとうございます!)

4月24日にアラバキの中止が発表されて、そして会場のエコキャンプみちのくはキャンプ場として通常営業すると知ったので、すぐに1泊でコテージを予約しました。(例年ならアーティストの楽屋になってるコテージ。今年は3日通し24万円とかいうプラチナチケットが予定されてたコテージ。)

そうしたらアーティスト有志による生配信番組「THINK of MICHINOKU」の開催が発表されたので、現地に泊まりながら配信を見てました。(前日にキャンプの準備してたらピンポイントで配信が割り込んできて、まさかのミラクルに震えた)
エコキャンプみちのく、Wi-Fiが通ってないので、ギガをめちゃくちゃ消費しながらだったけど。

BBQ用の七輪と1泊分の食材を車に積んで、自宅から約1時間走って川崎町へ。
例年のアラバキ(もちろんコロナ前)のときにはごった返してる会場周辺。長靴忘れたとき買いに行ったコメリも、みちのく湖畔公園の入り口にあるファミマも空いていて、地元の人々が静かに買い物をしていた。

大手ブランドの名前が一切書かれていない小さなガソリンスタンドで給油したら、まさかのキャッシュレス非対応で現金手渡し払い。
それが唯一、現地の人と手と手で触れてしまった瞬間だった。

少し早く現地に着いてしまったので、エコキャンプみちのくの場内を徒歩でひと回り。

遅咲きの八重桜がまだ咲いていて、ときどき桜吹雪の舞うキャンプサイト。ファミリー客に混じってアラバキのフェスTを着た人々がポツポツと。
もちろん音楽をガンガンかけて大集合して盛り上がるなんてことはなくて、それぞれ思い思いにアラバキ2021を楽しんでいるみたいだった。

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アラバキ(やその他の野外ライブ)以外でエコキャンプみちのくに来るのは、実は初めてだった。
車を降りるや否や、江戸家猫八もびっくりするくらい綺麗なウグイスの声が響いてきて、音楽の鳴ってないこの場所がこんなにも静かで平和な場所だったんだって初めて知った。
何種類もの鳥たちのさえずりが聴こえてくるし、歩きながら足元をよくよく見ると場所場所でちがう種類の草花が生い茂り、花を咲かせていた。

フェスのときは、そんなところまで目や耳を凝らす余裕なんてないもんなぁ。

・アラバキのみちのくステージが、実はサークル状のイベント広場のど真ん中にあることも
・その広場の芝生がモッシュゾーンだけちょっと禿げてることも
・ハタハタステージやアラハバキステージのすぐ横には実は大小のコテージが立ち並んでいることも
・そしてそのコテージは、アラバキ中はきっとアーティストやスタッフの方々の控室になっているだろうことも

なにもないエコキャンプみちのくを散策して、初めて知った。

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15時になったので管理棟でチェックインの手続きをして、コテージに入室。
8人まで泊まれるコテージだったので本当はアラバキ仲間の友人を何人か誘おうかと思ったんだけど、感染対策を考えるとそれはダメだなって思って、結局ソロキャンプになった。

コテージの中はびっくりするくらい綺麗だった。
寝室は洋室で、シンプルだけど清潔なベッドが2つ。2階の屋根裏部屋に布団を敷いて泊まることもできる。
それぞれの部屋に1台ずつ、計3台もエアコンがついていた。トイレもお風呂も広くてめちゃくちゃ綺麗だった。

足を伸ばして入れる広いバスタブであたたかいお風呂に浸かりながら「いつも自分たちが震えながらキャンプしてるときにバンドマンはここで寛いでるのかー、いいなー!」なんてことを連想して、少し笑った。

YouTube配信「THINK of MICHINOKU」の配信開始が迫っていたので、あわてて視聴準備。
コテージのリビングには32型のま新しいTV(なんと2019年製!)があったのでPCとモニター接続して、屋外のウッドテラスでBBQ用の七輪に炭火を起こしながら配信開始を待った。

16時の配信スタートまでになんとか木炭が着火!
少し奮発して買った牛タンを炭火で焼きながら酒を飲んだ。アラバキ2018の枡でアラバキボトルの伯楽星(日本酒)をいただいて気持ちよく酔った。
コテージの目の前にはアラバキで毎年見慣れた草原が広がってて、これはもう「ひとりアラバキ2021」開催中って言っちゃってもいいよねー、なんて自画自賛。
(「THINK of MICHINOKU」のチャット欄見てたら同じように現地から参加してる人が何人かいらっしゃって、なんとなく嬉しくなった。一体感!)

現地は日暮れの前後からけっこう強い雨が降ってきて「あぁこれ、アラバキ開催されてたら今ごろはカッパ着て震えてたなぁ。」とか「きっとテントに落ちる雨粒の音でライブの音が聴こえないやつだコレ。」とか思いながら、屋根も暖房もお風呂も布団もあるコテージのありがたみを満喫させていただいた。

配信もとても楽しかったです。
アラバキの中止発表が4月24日。そこから1週間足らずで出演者を集めて、会場(おそらくZepp Haneda)を押さえて、機材や配信のインフラを整えて……ってほんとすごい。
しかも日程的に丸かぶりのビバラロックフェス(の鹿野さん)にも配慮してちゃんと連絡してるなんて、TOSHI-LOWさんの優しさと思いやり、素敵だなぁ。

そしてそれらの流れを、アラバキ主催者であるGIPの菅さんが前日(4月30日)にナタリーの記事で知ったっていうのも意外で、びっくりした。
つまりこれは「アラバキの公式配信」じゃなくて「アーティスト有志が集まってアラバキ中止になった悔しさをお届けする配信」なのかもなーって。もちろん「支援」って意味もあるんだろうけれど。

アラバキの会場でアラバキTシャツ着ながら「ひとりアラバキ!」なんて悦に入ってたけど、この配信はアラバキとは「似て非なるもの」なんだな。
やっぱり俺たちのアラバキ2021は幻になっちゃったんだなー、なんてことを今さら実感して、少し泣いた。

「THINK of MICHINOKU」の配信ライブやトークセッションを見れば見るほど

・国や県のガイドラインをすべて遵守していたのになぜ開催できなかったのか
・主催者は「昼12時に中止を発表する」と決めてたのに、なぜ地元紙(河北新報)の朝刊にスッパ抜かれたのか
・追加の感染対策も講じて地元の町とも一度は合意してたはずなのに、なぜ1週間前の「中止」判断だったのか

とかとか、いろんな「なぜ」が湧いてきてしまった。

配信ラストのトークセッションでそれらをすべて代弁してくれたTOSHI-LOWさんのコメントに、だいぶ酒が進んでたせいもあるけど涙目になりながら首を縦にブンブン振ってた。

もちろんコロナの感染状況は刻一刻と変わるから、それを踏まえたうえでのギリギリのタイミングでの中止判断だったっていうのは理解できるよ。
だけどさ、自分たちはただの観客サイドだから「えー中止かよー」とか「残念だけど仕方ないねー」とか無責任に言いながらこうやって配信眺めて笑っていられるけどさ。

TOSHI-LOWさんが言ったように、その華やかなステージの裏側には何倍もの人数の関係者やスタッフの方々がいて、1年前からずっと準備を続けていて、その人たち全員がアラバキ1週間前に「開催中止」を宣告されたのだと思うと、なにも言えない。
「1週間前に”やめてください”だなんて、そんな簡単な話じゃねえんだ!」って言ったTOSHI-LOWさんの顔が忘れられない。

結局「アラバキ」を中止に追い込んだのは何だったんだ誰だったんだって、何度も何度も何度も考えてしまう。

そして、それでもこうやって準備期間1週間で配信イベントを作りあげる行動力。「音を鳴らそう」っていう意志の強さ、したたかさ。
細美氏が最後に言っていたように「1年後にコロナがどうなってるか今はまだ分からない」訳だけど、それでもこの人たちを信じて待っていれば、きっとまた素晴らしい景色を見せてくれるんだろうな。
本当にお疲れさまでした、ありがとうございました!

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(コテージ快適だったけど、来年はまたアーティストの楽屋として使われるといいなぁ。自分はまたキャンパーに戻ります)

※エコキャンプみちのくをチェックアウトしてから、仙台市内のライブハウス「Rensa」にアラバキ公式グッズを買いに行きました。偶然だけどGIPの菅さんがいらっしゃって、もちろん話しかけることなんてできなかったけど、ただただ頭を下げました。
4月29日に石井麻木さんの写真展にも行っていたので、今週2回目のRensa。「THINK of MICHINOKU」のフォトブックが届くのも、とても楽しみです!

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