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水について考えよう 〜有機汚濁〜

前回は、「排水する上での注意点」について書かせていただきました。

排水する上で注意してほしいことは、「微生物が分解できるか」「詰まりの原因にならないか」「海を汚さないか」

の3つあるとお伝えしました。詳しくは、前回の記事を読んでくださればと思います。

今回は、前回説明できなかった「海を汚すものを1つ」お伝えできればと思います。

少し難しい内容にはなりますが、ご一読いただけたら幸いです。


有機物

あれ!? 「有機物は、反応槽で分解されるんじゃないの?」

と思った方は大正解です。

ですが、反応槽で分解できる時間は、場所にもよりますが、たった10時間

大量に有機物が流されてしまうと、分解しきれずに海へ流れてしまうことがあります。

微生物も小さい生物ですから、大きい物や分解のしづらい物(有機物によって、分解のしやすい物としづらい物があります)は、時間がかかります。

有機物だからといって、全て下水道に流して良い訳ではない、ということですね。

酸素の欠乏

有機物が大量に海に流れてしまった場合どうなるのでしょうか。

海に流れてしまった有機物は、自然に住んでいる微生物が集まり、分解を始めます。

少しの量なら良いのですが、大量に分解を行おうとすると、分解に必要な「酸素」が足りなくなります。

反応槽は、人間によって「酸素」を送り続けていたのですが、自然の酸素の量は限られているので、いつかは足りなくなってしまうということですね。

「酸素」が足りなくなってしまうと、どうなるでしょう。

まず、魚などの酸素を必要とする生物が生きていけなくなります。

魚が生きられないと、当然魚を食べる生物も生きられません。

つまり、生態系の崩壊です。

次の問題は、悪臭や汚濁です。

実は、「酸素」を使わずに有機物を分解できる微生物もいます。

この生物は、一見有難いように感じますが、分解するときにアンモニアなどの臭いが強い物質を出し、悪臭の問題になります。

また、そういった生物がいても全ての有機物が分解できるとは限らないので、

残った有機物がヘドロになり、汚濁の原因にもなります。

このように、有機物が大量に出てしまうことで海に悪い影響をもたらしてしまいます。

このことを「有機汚濁」と言います。

「有機汚濁」は、海を汚してしまうのです。

有機物を大量に流してしまう危険性をぜひ考えていただけたらと思います。

次回は、「海を汚してしまうもの」をもう一つご紹介できればと思います。

来週もよろしくお願いします。

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