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環境問題を理解する: 水資源と海洋汚染問題

さあ、火曜日だ。
火曜日は環境問題について書く日だ。
この「環境問題シリーズ」にはボクの考えが入る余地はない。ただひたすら事実を正確に書くことを目指しているが、将来的に新しい考え方や技術が導入され、ここに書いたことは古くなっていくことをご理解いただきたい。

先週は大気汚染の問題ついて書いたが、今週は海洋汚染の問題に触れていこうと思う。


日本に住んでいると、あまり水に対する危機感はない。
しかし、世界では22億人もの人たちが水道設備のない生活をしているそうだ。ボクたちが個人で水資源や海洋汚染にできることが限られているが、水の問題についてある程度の知識は持っておきたい。

水資源の現状

地球上に存在する水は14億㎦と言われており、その97.5%は海水である。
しかし、その2.5%の淡水の大半は氷河や万年雪なので、人間や動植物が使うことが可能な淡水は0.8%程度、しかもさらにそのほとんどは地下水なので、河川や湖沼の淡水はわずか0.01%(10万㎦)しかない。そして、使用後にきれいにして再利用できている水は0.004%(5.5万㎦)しかないと言われている。(1㎥=1,000リットル)

日本は水資源に恵まれているものの、輸入大国でもある。
例えば、ボクたちがハンバーガーセットを食べるとき、使用される水はドリンクだけではない。ボクたちの手元に来るまでに、使い終わった調理機器を洗浄するために使用した水、店舗を清掃するのに使用した水、使い捨て容器を作る工場で使用した水、(生産国で)牛やジャガイモを育てるのに使用した水など、概ね2000リットルくらいの水が使用されている。

昨今の気候変動の問題により、世界的に洪水や干ばつの頻度が増すだろうと言われている。酪農などのために地下水を大量に汲み上げたことによって地下水位が急激に低下している地域もある。また、日本は人口が減少傾向にあるが、世界的にみると人口は増加している。このままだと2030年には需要に対して40%の水が不足すると言われている。

海洋汚染の現状

海洋汚染の原因の70%は陸上起因のものと言われている。
地上で使用された水が再処理されずに河川を通じて海に流れ込んでいることが原因だ。そのほかに船舶事故による油の流出、バラスト水による水生生物の越境移動(船舶の積載物が少ないときに船の安定性を保つためにタンクに積み込む水を指す。船が遠距離を移動してその水を放流するので、水の中に含まれる生物が外来種として生態系に影響を与える場合がある。)、地球温暖化による海水の酸性化など、人間の活動が原因になっているものは多い。

海洋プラスチックごみ問題

海洋プラスチックごみ問題とは、ボクたちが使い捨てたプラスチック類および海中に放置せざるを得なくなった漁具などを、海鳥やウミガメが飲み込んだり、波や紫外線によって細かく分解されたマイクロプラスチックが海洋生態系に影響を与える問題を指す。

現在、世界全体で海洋プラスチックごみは1.5億t以上あり、さらに毎年800万tが海洋に流出していると言われている。海洋プラスチックごみの主要発生源は東アジア・東南アジア地域だを推計されていて、日本製のペットボトルも相当な割合になっているそうだ。

海洋プラスチックごみ問題の対策

海洋プラスチックごみ問題に関しては、日本でも2018年に海洋漂着物処理推進法を改定してアクションプランを設定し、2030年までの累計の使い捨てプラスチックの25%排出抑制、60%のリユースまたはリサイクル、さらに2035年までにすべての使い捨てプラスチックの有効利用を目指している。2020年からスタートした「レジ袋の有料化」はこの取り組みの一環だ。

(続きはまた来週)


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