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松田好花概論 -ひなたに咲く好きな花の色-

2022年4月27日の今日、私が最も推しているアイドルである日向坂46の松田好花が23歳の誕生日を迎えた。

日向坂46への改名あたりの時期から彼女のことを推していたので推し始めてから約3年が経っている。それだけわたしにとって魅力的な人物なのだろう。正直いままで生きてきたなかで、こんなにも1人の人間にハマり、追いかけ、眺めてきたことはなかった。
彼女の活動に対して幾分か思い入れもありいろいろな経験を目の当たりにするなかで、松田好花(このちゃん)はなぜそんなに魅力的なのか、いったいどんな人物なのかと考える機会も少なくなかった。

せっかくなので、めでたい松田好花生誕祭記念としてオタクの 愛 と 普通の贔屓 をフル動員し、私が見てきた"このちゃん"を深く、そして魅力たっぷりに語っていきたい。

松田好花のこれまでの歩みやそこからわかる特色などを軸に、そのときのわたし自身の気持ちやわたしなりの考察も交えて記した。
ずっとこのちゃんを好きだったという人には、その人が見てきた松田好花の歩みも振り返られるような構成を目指している。

また、"最近このちゃんを好きになった"という人には彼女がどんな人物なのかをより詳しく知る機会となるように、もし"あまりこのちゃんを知らない"という人が読んだら、一気に知って好きになってもらうことも意識して書いたつもりだ。


えーっとですね…この記事の文字数が25000文字(読了目安:約1時間)を超えてしました、、(報告このちゃんvo.)
さすがに長い!って自分でも思うので、とりあえず最初の見出しの『松田好花ってどんな子?』の部分だけでも読んでもらえたらうれしいです!(1~2分で読めるので)

※ 基本的にわたしの贔屓フィルターをバチコリに通した松田好花の姿なのでその点は留意して読んでください。タイトルも「概論」とつけていますが、ネーミングは個人の趣味で、あくまで自分からみた松田好花さんの姿を記しているので、正しさを誇示する意図はありません。

松田好花ってどんな子?

まずはさくっとこのちゃんの概要を紹介する。

1999年4月27日、松田好花は京都でいいとこ(きっと)の娘として誕生した。2017年にけやき坂46(通称:ひらがなけやき)に追加メンバーとして加入し、グループが改名してから現在まで、日向坂46の2期生として活動している。

あだ名は『このちゃん』を中心に『だーこの』『まつだこ』『松田この』『まっちゃん』などみんなから好き勝手に呼ばれている。持ちネタは「やっほっす~」で、トーク(日向坂46メッセージアプリ)では1日の初めのメッセージでは「やっほっす~」、夜には「おやすみ〇〇」とメッセージがくることが定番。好きな色は緑で、サイリウムカラーはホットピンク×パールグリーン。

グループ内では、「まさか 偶然…」を代表曲とする富田鈴花とのギターデュオである花ちゃんズ」でユニットライブを経験したほか、渡邉美穂との「わくわくピーナッツ」やその2人に富田鈴花を加えた「ごりごりドーナツ」などのキャッチーな名称のコンビ・トリオを組んでいる。

好奇心旺盛でどんなことにも意欲的かつ真面目に取り組む。ハマったら抜け出せないオタク気質。賢く鋭い洞察力があり、抜群の企画力やマーケティングセンスを持つ。ピュアだが男心をくすぐるのが非常に上手くオタクの気持ちを手玉に取る(実は狙ってやってそう)。

好きなものは納豆、ラジオ、ゲーム、オードリーなどを挙げていて、若林にはリトルトゥース(オードリーのANNのリスナーの総称)すぎることを認められている
特技はバレエ、ギター、タップダンス、和太鼓、夜更かしなど多岐に渡る。得意の夜更かしを活かして作成された個人PVの「真夜中の松田さん」は執筆時点で126万回再生を記録し、日向坂46の個人PV予告編動画のなかでトップを走り続けている。

納豆が好きすぎてオーディションのSHOWROOM審査では「納豆ちゃん」のあだ名で親しまれ、審査配信で生まれた納豆ポーズ (ᐛ)٩و(←これ) は現在にいたるまで松田好花の象徴として親しまれている。本人は納豆好きキャラを少し恥ずかしいと思っているようで普段はあまり納豆の話題は出さない。(※)

※【2023/4/21 追記】最近は『THE TIME,』『バナナマンのせっかくグルメ』『日向坂46・松田好花のオールナイトニッポンX(クロス)』など、いたるところで納豆好きを公言して納豆好きキャラ前面に推し出しています。
こういう自分からみた印象の変化を感じるのも楽しいです。

松田好花の休養中、納豆ポーズをする日向坂46の2期生メンバー
2020.10.20 『うたコン』(NHK) 出演告知ツイート(@hinatazka46)
より

持ち前のピュアさを武器に、「え、本当に!?」「王将って中華ですか?」といった数々の名言を残している。
※このときのこのちゃんが想像している"王将"は中華である。

[2022/8/6 追記]下記のスクショのときにこのちゃんが想像していた王将は『餃子の王将』とのことでした。(ミーグリ調べ)

中華料理の話題の際、王将が中華か確認する松田好花
2020.7.6 『ネプリーグ』(フジテレビ) より

松田好花の色の観察

ここからは松田好花をより知るために深く掘っていく。

まずは松田好花を象徴する3つのエピソードについて触れる。
紹介するエピソードは以下の通りだ。

  • ひらがな推しのキン肉マン企画

  • 体調不良による長期休養

  • 2021年9月に見せた複数の号泣

この3つのエピソードの過程では、松田好花の内部で大きな心境の変化が起こっていることがうかがえる。なにがきっかけでどのような変化・気づきを得たのかを考察していく。

続いて、特徴的な性格や能力などの松田好花を構成する要素的な視点から彼女の魅力を考えていく。
着目する要素は以下の通りだ。

  • 人々を惹き付ける性格

  • オタク的振る舞い

  • ファンを熱中させる企画力

人間臭さがあふれる松田好花の要素を分解して見ることで、彼女がいまなぜここまで活躍するに至ったのかを紐解いていく。

最後に身勝手ではあるが、月を通して感じたこのちゃんとの繫がりについて、オタクらしく自分語りを交えて締めたいと思う。

"オードリーが好きな"キン肉マンを知る

「へのつっぱりはいらんですよ」

キン肉マンの主人公・キン肉スグルの決め台詞(?)

「おお~、言葉の意味はよくわからんが、とにかくすごくかわいい笑顔だ!」

まずは私からみた松田好花について、印象的な3つのエピソードとそこから感じたことを紹介していく。

このちゃんの歴史を語る上で欠かせない、彼女のその後の飛躍に繋がった最大のターニングポイントともいえるのがひらがな推しのキン肉マンだ。
多くのおひさまが松田好花の最も印象に残っているエピソードの一つとしてこの回を挙げるだろう。

2019年2月に放送されたひらがな推し#43(けやき坂時代のグループ冠番組) では、キン肉マン企画が行われた。

ひらがな推しのMCであるオードリーは無類の『キン肉マン』好きで、それまで番組では事あるごとにキン肉マン例えを多用し『キンハラ(キン肉マンハラスメント)』とも呼ばれるほどにメンバーを困らせていた。
この回はその状況を打開するためにメンバーにキン肉マンについて習得させよう、というハラスメントをハラスメントで上塗りする鬼畜企画だった。

徹底された予習で人々の想像を凌駕

メンバー各位には企画に先立ってキン肉マンの資料が渡されていたらしく、ほとんどのメンバーはその資料を元にほどほどにしか予習してこなかった(全く読んでないメンバーもいた)ようだが、松田好花に限っては持ち前の真面目さとオタク気質を発揮してマンガまで読んでくるなどキン肉マン知識をガッツリ頭にいれてきたのである。
[2022.5.12 追記]資料とともにマンガの電子データは渡されていたとのこと(2022.5.7放送『日向坂高校放送部』(ニッポン放送)より)

その知識と前のめりな姿勢は序盤から発揮されることになる。
基本知識チェックでは熱く語るオードリーにメンバーが引き気味のなか、キン肉マンの本名を問われたときに、このちゃんだけがためらいなくスッと手を上げ指されると「キン肉スグル」と答え、MCの春日に「正解!」と小気味良く言われると当時は幼さが残るその顔に満面の笑みを浮かべ、楽しそうに小躍りしていた。

さらに、それだけでは留まらず『スグル』という名前の由来を聞かれ、「森川卓みたいな人からきたみたいな?」と不安げに答えた。
名字は間違っていたものの人物名が由来(ただしくは元巨人の野球選手『江川卓』)であることまでは把握しており、若林はその予習ぶりに「すごいとこまでわかってるよ、すごいよそれ!!笑」「けっこう好きな人でもあんまり知らないもの笑」とべた褒めした。

このシーンであまりキン肉マンを知らないであろうほとんど視聴者でさえ、このちゃんが求められているレベル以上に知識をつけてきたということを納得することになった。

その後も長く続くこのちゃんとオードリー若林との信頼関係は、おそらくその姿勢を認められたこのときに生まれたのかもしれない。(間違えたなかでもいいとこに気づいて褒めてくれてありがとう、若林さん!!)

止まらないたとえツッコミ

そのあと、キン肉マンのシーンを春日が再現(?)してキン肉マン例えツッコミをするコーナー(どんなコーナーだよ)では、自ら挑戦者に立候補し、キン肉マン読者でもなかなか気づかないであろうクオリティの低い春日の再現にも関わらず、「初期のテリーマンか!」「子供のころのウォーズマンか!」「ザ・シャネルマンか!」「Vの陣形??」と立て続けに即答したのである。

この放送回で印象的だったのは、このちゃんは番組の間終始、ひな壇でオードリーの話を聞いているときもずっとニコニコしていて企画をひたすら楽しんでいるように見えたことだ。上記のシーンだけでなく、ひな壇で話を聞いているときも「わかるわかる」と食い気味にうなずくなど、このちゃんが映るどのシーンを切り取っても前のめりになって企画を楽しんでいる様子がうかがえる。

その様子を見るにただ真面目だから番組のためにキン肉マン知識を覚えてきただけでなく、身近な人の好きなものは知らないことでも興味を持って積極的に知ること相手の好きなものを知ってコミュニケーションすることを心から楽しんでいるようにみえた。

その振る舞いはバラエティ番組の構図の成立にも結びついたようで、ハラスメント企画のはずなのに予想と反して楽しそうにツッコミを習得するメンバーたちの積極性(裏切りの笑い)や"終始楽しくてしょうがなさそうな松田好花"と"露骨に興味がなさそうな表情を見せる齊藤京子ら"の表情のコントラスト(対比の笑い)は、いま思い出すだけでも笑ってしまう。

このキン肉マン企画は、このちゃんの魅力を最大限に引き出してその魅力を発揮するのに最適な企画だったことは間違いないし、自分が楽しみながら若林を含めて周りが笑顔になっていた光景は、このちゃんにとって大きな自信に繋がったのだろう。

この企画を機に好きな人のことを知って楽しむことのよさに出会った松田好花は、リトルトゥースとして深みにハマっていくことになった。
このちゃんだけでなく日向坂全体に浸透している好きな人の好きなものに興味を持ち、よく知って楽しむという文化はこの時期あたりから加速していったのではないかと思う。

松田好花をはじめとしたメンバーたちは、その後も番組内で繰り返されるオードリーのキン肉マンたとえに反応するだけでなく、自らたとえをぶっこむなどして番組を盛り上げてきた。

私もキン肉マンの本編は観たことがなかったのだが、次々に楽しそうに答える姿に「まじかよ笑」と思わずこちらも笑顔になり、松田好花にすっかり魅了されてしまっていた。このちゃんがいなかったらこんなに面白い回にはなってなかったのではないかとも思える。

このキン肉マン回での活躍は、わたしがそのあと3年の間にわたって松田好花を推し続けるには十分すぎる出来事であった。
好花推しもあまり知らなかった視聴者も、脳裏にはこのちゃんの笑顔で楽しむ姿が焼き付いたことだろう。

ちなみにキン肉マン回は、今年1月に発売されたひらがな推しのBlu-ray『ヘビーリトルトゥース編』に収録されているので、このちゃん最近好きになったけどまだこの回は観たことないよという人は、この機会にぜひ見てみてほしい。(後述する企画プレゼン回・『ひらがながっきょくうんどうかい』回も収録され、松田好花の魅力が詰まっている。)

思いがけない突然の長期休養

いつだって、未来は味方だ。

日向坂46 1stアルバム『ひなたざか』 プロモーションCM キャッチコピー

あのときの様子や感情は、いまでもよく覚えている。

2020年9月、いまやおひさまツイッタラーの間では"勢いが違う"でおなじみの #konokatalk のタグツイが1番の勢いを見せていた。
それは世界的な新型ウイルス対策の影響でなかなか新シングルが出せない状況の中辿り着いた1stアルバム「ひなたざか」の発売日を約1週間前に控えた14日のことだった。

それまで長い間毎日欠かさずトークアプリでメッセージが来ていたこのちゃんからのメッセージが丸1日届かなかった。

翌15日、送られてきたメッセージに記された文字の向こうには、いつもとは明らかに様子が違うこのちゃんの姿が見えた。

私は落ち込む様子と空元気が交じるその文章にただ心配するしかなかった。まだ本格的に運用し始めて間もない自分のおひさまアカウントのTL(タイムライン)は、メッセージが来なかった前日に対して明らかに騒がしくなっていた。

女心がわからない私が詳しい状況がわからない中で出来たのは、パワーを必要としてたこのちゃんを軽いノリで元気づけるようにできるだけ短いレターを送ることだけだった。

次の日から数日間はあいさつメッセージと簡単な内容のメッセージは続いたものの、そのままメッセージが来なくなった。
体調不良で週末のミーグリを欠席することが発表されると、ミーグリ当日夜のトーク画面にはいつものあいさつとミーグリ欠席の謝罪の言葉だけが記されていた。

ミーグリ欠席翌日の9月21日の夜に、公式サイトとこのちゃんのブログで、彼女が眼科系の病気の治療のためしばらくの間休養することが正式に発表された。

その頃はまだ新型ウイルスによる社会の混乱が続いていて、最初の緊急事態宣言が明けてから流行の第2波が押し寄せてきていた時期だった。

緊急事態宣言中は実質的に外出が許されておらず、全収録を在宅で行うなど芸能活動はかなり制限されていた。その中で日向坂メンバーは自分たちのトークでメッセの量を増やしたり新たな企画に挑戦するなど、慣れない状況のなか試行錯誤していた。宣言が解除されてもなお、コロナの混乱は収まることがなかった。

これは私の主観だが、そんな状況下でいつまでも続くイレギュラーな対応からくる疲労や見通しの立たない将来への不安・思い通りにいかないもどかしさ、MTVの花ちゃんズ弾き語りライブの練習のプレッシャーなどから来る度重なるストレスによる免疫低下が影響しているのではないかと考えている。

Twitter上では「オタクの相手をするのが疲れたんだ」とか「好花オタクが毎日メッセージを送ることを暗に強要してたからプレッシャーになっていたんだ」などのさまざまな憶測も飛び交っていた。(推しじゃない人からしたら当時の #konokatalk の反応は異様な光景にも見えたかもしれない)

休養の発表から10日ほど経った10月2日、症状が快方に向かい無事に退院したことが発表された。

同時に治療・療養自体は今後もしばらく続き、復帰はまだ先になることも伝えられた。心配は依然続くものの、私は復調の報告と前向きな気持ちが含まれたその知らせを耳にしてほっと胸をなでおろした。

そしてこのちゃんは、退院直後から休養中にも関わらず自分にできる形で工夫しながら自らの魅力を存分に発揮し始めた。

トークではメッセージの送信が再開された。入院していた期間はメッセージがなかったため約10日ぶりの再開だった。

入院中にずいぶん話したいことが溜まっていたみたいで、抑えていたうっぷんを晴らすかのように次々と休養中の気持ちやエピソードを報告した。
「おいおいおい止まらねえな笑」とファンを"友達"みたいに思ってくれているように感じられた。さらに休養前の文章の堅さとのギャップも相まって、面白さと安堵が同時に襲ってきた。

休養中でも抑えきれないエネルギー

このちゃんは退院後の復帰するまでの間、トークのみという制限された活動のなかでさえ、抑えきれず思いっきり暴れまくっていた。

トーク再開からしばらくすると、Twitter上で「もしかしてメッセージ3日に1回送られるシステムじゃね?」と法則に気付いた人が現れた。見返してみると確かに3日ごとに送られてきていた。
その後も法則通りにメッセージが届き続けたため、それからは「本当に3日ごとだ!」「3日に1回はこのちゃんすぎる笑」と好花推しのなかでどんどんと話題になっていった。

メッセージが来ない日さえも「ほんとに明日送られてくるんだろうか?」というイベント的なワクワクのおかげもあって、活動を見れなかったり休養前よりメッセージ数が少ない寂しさよりもこのちゃんの魅力が溢れた元気な様子を感じ取れる喜びが勝っていたように思う。このちゃんがひなくり2020で復帰するまでの3ヶ月もの間その法則は続いた。

しかしTwitterが盛り上がる一方で、「決まった日にくるというルールを煽るとまたプレッシャーになるからあまり騒がないほうがいいんじゃないか」と体調を心配する意見を目にすることもあった。
わたしはその意見に確かになと思いつつも、毎日のあいさつや今回の3日ごとのメッセージもこのちゃんが好きでやってるはずだろうと気持ちを尊重したうえで、もしその日に来なくても「あー来なかったかー」と軽く流せるようにしようという心構えで存分に楽しんだ。

復帰後にトークでわかったことだが、3日に1回のメッセージは自分が決めたルールだったそうだ。購読している人をはじめとしたさまざまな人の気持ちを配慮し、影響を考えた上でそのルールを導いていた。結局その真面目で独特な答えは好花推しを中心に話題を生み出してしまった。

そしてこのちゃんは入院中から漢検2級の勉強を始めていて、休養中の間に合格してしまったのである。
私もアプリで2級の問題を解いてみたものの、なかなかに難しくすぐに心が折れてしまったので、このちゃんのエネルギーと勤勉さ恐るべし!という気持ちだった。

しかも合格の報告では、合格点をはるかに上回る余裕の合格だったことがわかった。それにも関わらず数問のミスや凡ミスした内容を悔しがりながら伝えていたことがまたこのちゃんを象徴していて面白かった。

11月に日向坂が応援アーティストを務めたカラダWEEK(日本テレビ)の企画の一つである億WALKでは、自ら非公式で企画に参加し、いまではすっかり趣味となった散歩を楽しんでいる様子を見せた。

一番好きな番組であると語るあちこちオードリーのイベントグッズ予約開始時に話題を出したときには、その行動が番組プロデューサーにまで届いてしまった(詳細は後述)。

おひさまを唸らす活躍を続けるなか訪れたクリスマスイブ、無観客の幕張メッセから配信されたひなくり2020で、松田好花は再びおひさまの前へとその姿を現した。
休養発表から長いこと3ヶ月ぶりとなる公式活動の再開だった。

再び咲くまで注がれたたくさんの愛

休養期間中は、メンバーや関係者からこのちゃんへの溢れんばかりのやさしさや愛を感じとることができる期間でもあった。

10月始めに配信された「日向坂46×DASADA Fall&Winter collection」の朗読劇では、休養の影響で参加できることはないと思われていたが、少しでも参加できるように声のみの出演という形で脚本の変更・調整がなされた

DASADAライブのショーパートのランウェイでポーズを決める際やアルバム期間で出演した歌番組松田好花の代打でメンバーが出演した番組が放送される際の告知ツイートでは、メンバーがこのちゃんおなじみの納豆ポーズなどで応援の気持ちを表す姿が数多く見られた。
(不在メンバーを表すポーズなどをパフォーマンスや写真で披露するのは日向坂46の恒例でもある。)

パフォーマンスの全体映像を映す公式動画であるひなリハの青春の馬では、2番のBメロで「頑張って!」とメンバーが松田好花にエールを届けた。(動画の2:41あたり~)

コロナの影響で3月から開催が延期し10月25日に放送を予定していた花ちゃんズの弾き語りライブは再延期となったが、MTVの延期が発表された公式ページのリリースには、以下のように温かいメッセージを記されていた。

「松田好花さんが安心をもって活動を再開された際に、万全の状態で"花ちゃんズ"のパフォーマンスがお届けできるよう、引き続き準備をしてまいります。」

MTV公式HP 10月番組予定変更のお知らせより ※現在該当ページは削除されている

企業の公式ニュースにこのようなメッセージが載せられたことに花ちゃんズと松田好花本人に対する最大限の敬意を感じられる。

松田好花の復帰後の翌年6月には無事に弾き語りライブ『MTV ACOUSTIC FLOWERS -Until Full Bloom “Bell & Like”-』が無事開催され、さらにはMTVが主催する『MTV LIVE MATCH』のオープニングアクトまで務めることになった。

日向坂シングルヒット祈願に毎度同行し、このちゃんが師匠と慕う放送作家のサトミツは、愛弟子への応援のあまり衣類を送ったことでメンバーとオタクたちに気持ち悪がられてしまった("衣類"というのはオードリーのグッズらしいがこのちゃんの独特の表現が功を奏した(?)らしい)。
※サトミツは納豆ポーズをいつまでも間違えていることをよくいじられる。

さらに、サトミツが送ったグッズの中にはオードリー若林の著書『表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬』が含まれており、その本のなかには「退院おめでトゥース」とコメントが添えられた若林のサインが書かれていた。

休養中の松田好花に送られたオードリー若林のサイン入りの著書
2020.10.10 松田好花公式ブログ 『信じて良いものなのかと疑うほど』より

若林のサインは顔のようになっていて、普段は目の部分がバッテンになっているのだが、このちゃんに送られた本のサインは目の病気ということからかよくなるようにという(上のブログリンクからもらったサインの画像を確認できる)。

オールナイトニッポン0のパーソナリティであり、あちこちオードリーのプロデューサーでもある佐久間宣行は、10月28日に放送された『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』のアフタートークで、療養中の松田好花があちこちオードリーのイベントグッズ販売を告知してたことに触れた。
自身が知っているこのちゃんのエピソードをいくつか話し、退院のブログを読んで自分が泣いたことをガハハと笑いながら語った。

2週後の放送では「出てほしいと思ったがまず復帰はホームの番組で。次は出てほしい」と次回を期待するコメントをした。

ひなくり2020のサプライズ復帰の演出もまた、メンバーの愛を感じた瞬間のひとつだ。
道案内の住人に扮する富田鈴花が相方が旅に出ていて道案内できず「あの子が帰ってくれば」と言っていると「ただいま」と姿を現した。
2人が切り株に座ると「まさか 偶然…」をメンバーたちはすぐとなりで暖かい眼差しで見守った。ひなくり2019でまさか 偶然…を披露したときは、相方の富田鈴花と大きく離れた柱ステージで歌っていたため、寂しかったと発言したこともあり、対象的な印象のパフォーマンスであった。
日向坂・花ちゃんズにとって松田好花が必要だというメッセージとともに、松田好花がみんなの道を指し示すことができることを暗示していた。

これらの愛に溢れたメッセージは、このちゃんが日向坂の活動を心から楽しんでいて、"早く復帰して再びみんなと活動したいと思っているだろう"とみんなに気持ちが伝わっていたからこそ送られたものだと思う。
このちゃんも必死に治療と向き合うなかでそれらのメッセージに救われて励みになっただろうし、好花推しのわたしでさえこのちゃんが日向坂メンバーの1人であることを確認したことで救われていた。

このちゃんはそれまでもたくさんの愛を受けて育ってきたのだろうが、より大きな愛を実感しただろう。

それを停滞で終わらせなかった気持ちの強さと変化

その3ヶ月におよぶ休養は松田好花に大きな心境の変化をもたらしたようだ。

急に仕事に穴を空け迷惑をかけてしまうことに申し訳なさを感じたり、グループの活動に参加できずに置いていかれてしまうという焦りや不安で思い悩むことも多かったようだ。しかしそれと同時に、大きなプラスの心境の変化ももたらしていた。

病気になるまで、真面目なこのちゃんは仕事に対して常に全力で取り組んできた。いまも全力で取り組んではいるが、それまでは与えられた仕事は全部手を抜かずこなすし、"アイドルの松田好花はこうでなきゃいけない"となかば脅迫的に自らムチを打っている節があった。
それがプレッシャーとなり活動の忙しさと相まって、松田好花が自身を強くネガティブな思考に追いやったまま狭い道から抜け出せなくなっていた。

しかし休養で活動から強制的に離れ、身体とともに心も立ち止まることで視界が広がって、純粋に生きていることや活動できること自体の尊さに目を向けることになった。
松田好花は休養はそんな大事なことに気づくきっかけであって、自分にとって必要だったものと捉えた。自分に向けていた呪縛を振り払い、自分らしくやればいいと自らを認め、うまくいかなくても自らを許して立ち直ることができる強さを手に入れた。

気持ち悪いかも知れませんが、今は自分のことが前より少し好きになれました!笑

2020.12.17 松田好花公式ブログ『ただいまです!』

ひなくりで復帰したとき、その華奢な身体についたちっちゃな顔は少しふっくらしているように見えた。トークのメッセージによると治療の影響で丸くなったという。ステロイド治療の影響によるものと思われる(俗にいうムーンフェイス)。

アイドルは顔が命と言われるくらいルックスを見られる職業なので、自分の本来とは違う姿でファンや一般の人に見られることに不安もあっただろうし、脹れが収まるまで休養を続けるわけにもいかなく、治療の影響が続くなかでの復帰の選択にあたってはわたしたちの想像もつかないくらい悩んだだろう。

そんな状況で、松田好花はファンに対して可能な限り早く自身の顔を見せることを選択した。さらに本来の私の姿に戻るまでの過程も楽しんでほしいと気丈に振る舞い、変化しながら魅力的な自分に辿り着く"過程"に着目させてファンを味方につけるという形で状況をプラスに転換させた。
日向坂の活動が好きで、自分を心から応援してくれるファンのことを思ったこのちゃんの"アイドルとしての覚悟"と"前向きに捉える姿勢"を感じる出来事だった。

『いつだって、未来は味方だ!』という『ひなたざか』のCMキャッチコピーを退院報告のブログタイトルに引用したように、未来はこのちゃんの味方になれるし、彼女は人生にどんなことが起こっても捉え方次第で味方に変えてしまえることを見せつけた。

また復帰の報告ブログではそれまで続いていたブログの最後のナンバリングを#1にリセットし、自身が生まれ変わったという想いをファンに示す形で刻みつけた。

あのとき幾度となく流した涙

「俺が説教してるみたいじゃん!!」

自身の言葉で松田好花を泣かせてしまった若林がうろたえながら言った言葉
2021.9.1 『あちこちオードリー』(テレビ東京)

休養から復帰以降は松田好花は涙を見せることが多くなった。それは休養の経験をバネに数々のゲストやレギュラーも決まるなど活躍の勢いが一気に増した2021年9月頃のことだった。

そんなこのちゃんの活躍の勢いを上回るほどのペースで、涙腺の勢いも急加速した。
あの時期のこのちゃんの感情はまったく手がつけられないほどで、気づいたときには涙を流していたように思い出す。

当時、その様子を"柴田理恵超え""徳光化"と揶揄されるほど泣きに泣きまくった松田好花だが、やはり好花推しとしては単純に"泣き虫"や"涙もろい"という言葉で終わらせたくなかったし、私自身もこのちゃんの涙に共感する部分があったのでそれも含めてあのときの様子に触れていきたい。

念願のあちこちオードリー

活動復帰から月日が経った2021年9月1日、松田好花は同グループの潮紗理菜・佐々木久美・上村ひなの とともに『あちこちオードリー』(テレビ東京) に出演した。(収録は8月16日のすこし前)

前述の通り、個人のトークでイベントグッズを勝手に紹介するほどのあちこちオードリーファンであった松田好花は、日向坂46が最初に出演したときは病気による休養期間中のため参加することができなかった。
そのときに同じく強いファンの佐々木久美と「次は絶対2人で呼んでもらおうね」と約束をして以来、約1年ごしの念願の出演となった。

まず番組冒頭で病気休養についての話題に触れられ、若林がひなあいの復帰収録ときに楽屋挨拶にきた松田好花が号泣したエピソードを話すと、3ヶ月を経てようやく復帰できたときの感情を思い出して涙を流した。

続いて、レギュラー出演が始まったラヴィットで行われる大喜利企画でどう立ち回ればいいかわからないと悩みを相談すると、松田好花の理屈で考えられてかつ真面目という特徴からくる悩む姿自体の面白さを指摘し、「素直な感情を出したらそれが面白い」と若林らしい鋭い視点で答えた。
心から尊敬する若林が自分を深く見ていて親身になってアドバイスしてくれたことに松田好花はたまらず号泣した。

さらに最後に悩みがないか聞かれると、松田好花は"前回の放送で富田鈴花にしたようなアドバイスがないか"と求めた。
若林が「俺と似ていると思う」と発言し、「地味な道だが輝ける場面はいっぱいある」と自身と関連付けながらアドバイスを話すと、松田好花は感極まりながら「私も似てるなと思うことがあって…」と自分も共通点を感じていたことを思い出しながら泣き、「いつもありがとうございます」と心の支えとなっていた若林に日頃の感謝を表した。

結局、驚くべきことにこのちゃんは45分番組の1回の収録時間の間に3回も泣いてしまうという伝説を残した。

画像は収録後に撮影された『あちこちオードリー』番宣写真
松田好花の赤く腫らした鼻がおひさまをざわつかせた

大喜利大会会場『ラヴィット』

8・9月に月曜レギュラーを務めていた『ラヴィット』(TBS) の9月13日の生放送でも事件は起こった。

スイーツコーナーの中で「パティシエの辻口博啓さんが2年後にするパティシエではない仕事は?」という問題が出題され、一番最初に手を上げて当たらないつもりで答えた「大学教授」が一発正解してしまった。

そのときは「やっちゃった~」と笑顔でまだ泣かなかったのだが、「全然大丈夫だからね」とみんなにフォローされたり、ぼる塾田辺には「(正解者のご褒美スイーツを)このちゃんに食べて欲しかった」と温かい言葉をかけられた。ご褒美スイーツを食べる様子を月曜メンバーから微笑ましく見守られるなか、焦っていつもの「うまつだ!」が出ないことを川島に優しい笑顔でツッコまれると、急に泣き出してしまったのだ。

コーナー終了時の番組プレゼントの応募キーワードの発表で川島は 「#全部若林のせい 」と書かれたフリップ違う放送局にも関わらずこのちゃんを見守るMCの連携プレーを見せた。その気の利いたオチに好花推したちは喜び、 #全部若林のせい は言わずもがなトレンド入りすることになった(確認した範囲では最高国内3位)。

レギュラー卒業後の10月25日には、田村真子アナの代理MCとしてラヴィットに帰ってきた。
松田好花にちなんで「月曜メンバーおすすめの泣けるものは?」というテーマでオープニングトーク
『明石家さんまのご長寿グランプリ』の「付き合った人へプロポーズしろ」という自分へのビデオレターの映像を見て、このちゃんに共鳴したようにレギュラー時も共演していた丸山桂里奈が泣くと、MCの川島は連動して泣いた様子を「え、なに?Bluetoothで繋がってんの?」とたとえてツッコんだ。

年が開けた2022年3月28日の放送では、このちゃんの号泣シーンが月曜ラヴィットのMWL(最も忘れられないラヴィット)に選ばれた。

冠番組のひなあい(2021年9月20日)では、「あちこちオードリーで泣きすぎて帰ってから泣いた」というエピソードを話して泣くという落語のような見事な技を決めてしまった。
「イカれてるよ!涙腺が」と佐々木久美に笑いながらツッコまれ、テロップには「#全部若林のせい」と麒麟・川島の言葉を入れられ、この一連の出来事がセットでおひさまの印象に残ることになった。(ひなあい収録自体はラヴィット号泣事件の前と思われる)

また、ラヴィット卒業回の放送終了後に初の冠ラジオ番組である『ひなこい presents 日向坂46松田好花の日向坂高校放送部』のパーソナリティ就任をサプライズ報告されたときには、原稿を読みながら違和感を感じて一瞬戸惑った顔を見せると、番組のメインパーソナリティに起用されたことを理解するやいなやすぐに涙を流した。そのノーモーションで繰り出される涙は誰にも止められないだろう。

その涙が流れた理由

やや話が逸れてしまう気もするが、このちゃんの涙の源について知るために少し深く掘り下げてみたい。

みなさんは"涙"や"泣く"ということについてどんな印象を持っているだろうか。

「悲しい気分になっている」だとか、「映画を見て感動したから」とか「赤ちゃんだから」とかいろんなイメージがあるような気がする。はたまた心が弱いから泣くと考えていたり、普段泣かない人は「周囲の注目を集めて場を支配するため」と手段に感じるなどネガティブに感じる人もいるかもしれない。

わたしは歳を取って成長や変化を感じるとすぐに泣くようになった気がしている。東京ドームのひな誕祭での『JOYFUL LOVE』前のVTRで加入当時の映像と当日のライブ映像を並べて流されたときにはさすがに涙を禁じ得なかった(あの演出は卑怯すぎる)。

人が涙を流すメカニズムはいまだに完全には解明されていないようだが、生体維持のために分泌される涙(基礎分泌・防御反射)を除くと、ストレスなどにより感情が強く動いたときに気持ちを落ち着けるための反応として涙を流すと考えられているらしい。
生体の状態のバランスが変化すると正常な状態に戻そうとする働き(ホメオスタシス)の一つということだ。

ではなぜ松田好花はこの時期、出演番組で立て続けに涙を流すことになったのか。
日向坂高校放送部の初回放送では、ラヴィットの大喜利クイズを一発で当てた流れで涙を流してしまったときの状況を次のように語っている。

(正解したあと正解者が食べられるご褒美スイーツを食べているとき)
「なにも言葉が浮かばない。焦ってるわたし。どうしよういま、周りの人の顔は曇ってきている。さてどうなるかっていうときに、すごいもう周りの方々が温かくて、もうその優しさに涙が出てきてしまいましたね。

ニッポン放送 日向坂高校放送部 2021/10/2放送

続けて、このちゃんはその涙を「悲しいとかではない、うれし涙だ」と説明した。

当時のこのちゃんは人の気持ちに共感し、自らの気持ちと照らし合わせたときに流していた涙が多いようにみえる。
特に他人のやさしさに触れたり、相手との心のつながりを感じたときに強く感情が動いているようだ。

それぞれのシーンを思い返すと、あちこちオードリーでは若林に自分のことを細かく観察されていて、このちゃんにとって最適であろうアドバイスを受けたり、ラヴィットでは「大丈夫だよ」とやさしくされるなど、人の思いやりに触れている。

特にこのちゃん自身へ対する思いやりを感じとって、心の繫がりや感謝の気持ちから感情が増幅している。

普通の人でもやさしいことされたらありがたく思うだろうが、このちゃんの場合はやさしくされたその行動の背景までにも思いを巡らせているのでより強く感じるのだろう。

一つだけ、このちゃんの涙は子供みたいにパニックや恐怖でどうしようもなくなって泣いたとか、自分の思い通りにいかなくて怒って泣いたとかそういった短絡的なものではないということだけは口を酸っぱくして言っておく。(好花推しでそのように思う人はまずいないだろうが)

でも、本人も日向坂高校放送部(10月30日放送分)でも遺伝だと語っているように、ご長寿グランプリの映像でも泣いていたので普通に涙もろいのかもしれない笑

人の心を惹き付ける性格

ここまでは松田好花の特に印象の強いエピソードから、彼女の魅力の一端や心境の変化の歩みを見てきた。
ここからは、特徴的な性格や能力などの彼女を構成する要素的な視点から松田好花の魅力を考えていく。

松田好花には人を惹き付ける魅力があふれている。
この見出しではそんな魅力はどこからきているのかに迫っていきたい。

感情を顔いっぱいに映し出す豊かな表情

まずはもちろん素敵な笑顔だ。目が線になるほど笑うし、歯茎が見えるほど思いっきり笑う。
好花推しがみなその笑顔に取り憑かれていることは間違いないだろう。

それ以外の感情も、おさえきれずに溢れ出るようにそのかわいい顔に表れる。

ひなあいでオードリーのラジオネタが出てきたときには目を見開いてキラキラさせるし、企画プレゼン回のイントロクイズでオードリーが『誰よりも高く跳べ』をなかなか答えられなかったときに浮かべた怒った表情も実にかわいらしかった。

ひなあい#22で宮田愛萌とのエピソードを紹介した際に、愛萌に「34歳だというオーラを感じた」と言われ難しい流れになり、若林に「本当に34歳なんだよな?」と振られると、どう返すのが正解かがわからずパニックになる様子を見せた。その表情には頭のなかの困惑がそのまま表に出たようで微笑ましいシーンだった。

また食レポで見せる表情も魅力的で、『王様のブランチ』(TBS)や『沼にハマってきいてみた』(NHKEテレ)では、一口食べて目を見開いたり、満面の笑みを浮かべる姿でそのグルメをぜひ食べてみたいと視聴者が思えるように魅力的に見せた。

ラヴィットでも、ぼる塾のスイーツコーナーを始めとしたたくさんの食レポの機会でその魅力を存分に発揮した。もしかしたら同局のブランチの食レポがラヴィットのレギュラー採用にも繋がったのかもしれない。
その心から出る表情はテクニックではたどりつけない天性の才能にみえる。

ラヴィットで共演していた縁からゲスト出演したぼる塾の冠番組『ぼる塾のいいじゃないキッチン』(テレビ朝日)では、歯磨き粉の味(磨き?)比べをするという謎の企画に参加した。

磨いている間は一定時間沈黙が訪れるので最初は難しい企画だと思われたが、いざ始まってみると喋れないことで「味を確かめているときの真顔」や「ハズレを引いたときの"あ、ダメだ"という顔」や「意外に美味しいかも!と目を見開く顔」などの豊かな表情が逆によく映え、企画に花を添える結果となった。
(味のレポートの表現も意外と伝わってきた。)

彼女はどんな感情でもほとんど包み隠すことなくわたしたちが理解しやすく表現してくれるので、見ている人々はこのちゃんの感情に共感しやすく、より愛着を感じるのかもしれない。

どんなものもまっすぐに見つめるピュアさ

松田好花の特徴としてピュアさを挙げる人も多いだろう。
このちゃんのピュアさは、天然さ・真面目さ・積極さから構成されている。

このちゃんは、「肉のカーテン」を「にんにくのカーテン」にしてしまったり、ドッジボール企画や宮崎ロケで変な動きをするなどの天然な姿を普段からよくみせる。
トークでは、「えーっとですね…」とホワイトボードを買うときに間違えて想像よりも巨大なサイズのボードを買ってしまうミスを報告したこともある。
『ネプリーグ 』で「王将って中華ですか?」とごく真面目な顔で聞く姿は何度見ても面白い。

真面目さは前述のひらがな推しのキン肉マン回から発揮されている。
番組に先駆けて予習用の資料を渡されると「この範囲覚えるんやな」と出題範囲の漫画まで読んで予習し、本番では答えがわかると次々に即答した。
わかっても間違えてしまうことに不安になったり、自分が答えすぎていいのかなど変にバランスを考えたりして遠慮してしまう可能性も十分あったのだが、企画に対して真面目に取り組んだ姿勢がこの回の面白さに繋がったのだ。

ブログやトークでは、2ndシングルで個握を1次完売を目標とすることを表明し無事達成して感謝を伝えたり、わくわくピーナッツの相方で特に仲の良い渡邉美穂の卒業発表に対して自分の心境を交えて思いを伝えたりするなど、イベントごとに自分の決意や自分の想いを包み隠さず語ってくれる。
ファンに対して真摯に向き合ってくれていることが伝わってくる。

いろいろなことを考えつつも、番組ではなにかの役に率先して立候補したり、クイズで一番に手を挙げるなど積極的に取り組む姿が見受けられる。ひらがな推しキン肉マン回の「キン肉スグル」を答えたときも、ラヴィットで一発正解したときもためらいなく真っ先に手を上げていた。学生時代から和太鼓やタップダンスを自ら始めるなど、好奇心旺盛で挑戦することが好きだったようだ。

「え、本当に!?」「王将って中華ですか?」という名言がそうであるように、松田好花の人の心を動かす数々の名言や名場面はこのピュアさによって生み出されてたものが多いように感じる。

他人の気持ちに寄り添う思慮深さ

松田好花はかなり深いレベルで人の気持ちを慮ることができる人間である。

その思慮深さは、日向坂高校放送部のリスナーの総称である『リトルヤホス』にまつわるエピソードからよくわかるだろう。

『リトルヤホス』は2019年10月に5ちゃんねるの松田好花スレに投稿された好花推しのレスが発端らしい。『リトルヤホス』という言葉は松田好花が好きなオードリーのANNのリスナーの総称『リトルトゥース』から春日の逆の"トゥース"の箇所を「やっほっす~」をもじった"ヤホス"に変えたものだ。

スレッドではその投稿に対するたくさんの反応で盛り上がり、Twitter上でもその呼び名がすぐに広まっていったようで、私が日向坂用のTwitterアカウントを稼働し始めた頃にはリトルヤホスを自称する好花推しをたくさん見かけた。

しかし、一度SHOWROOMで反応を見せたもののそれ以降自身から「リトルヤホス」について言及することはなかった。
昨年の誕生日のSHOWROOM配信では、ファンの総称をつけたいというコメントを読む形でファンの中でリトルヤホスが浸透していることに対する認識を示したものの、自ら"リトルヤホスにします"ということはなく「考えます、しっかり」と話題を終わらせた。

そんななか日向坂高校放送部の初回放送の冒頭でリスナーの総称を決める運びになったときに『リトルヤホス』と決定した。
そのときもその話題が出たときは「いつか決めたいですね」と保留したが、スタッフにいま決めてと急かされ、やっと番組が終わるまでに決めると宣言し、番組のラストに発表された。
(気持ちではリトルヤホスにしたいと思ってはいたものの決めきれないなか、CM中にスタッフに説得されたのではないかと推測している。)

10月16日の放送では、リトルヤホスの意味と「ファンの総称として使うことはどうかと思っていたがラジオリスナーの名称なら」という命名の経緯を説明した。自身のトークでは初回放送の翌日に丁寧に命名の経緯を説明していた。

そもそもオードリーのリトルトゥースもレディー・ガガが自身のファンを『リトルモンスター』と呼んでいたことから由来してつけられたものであり、わたしは対して気にしなくてもいいのにとも思っていたが、オードリー自身が『リトルトゥース』をあくまでANNのリスナーの総称として扱っているということもあり、もしかしたらオードリーに寄せようとしたのではないかというこだわりを想像すると、このちゃんらしいなとも思える。

また思慮深さは納豆ポーズにも現れている。納豆ポーズはSHOWROOM審査で生まれたが、そのときから続くファンとの繫がり大事にしているからこそ、恥ずかしいと思うことがあっても、いままで使い続けてきたのではないだろうか。

他人を思いやることに長けたこのちゃんの思慮深さは、反対に周囲からこのちゃんへの思いやりとして呼応しているようだ。
観測可能な感情の豊かさや純真さを含めたこのちゃんの魅力は人々の心を惹きつけると同時に、このちゃんへのみんなの愛情も形になって現れている。

冠ラジオ番組である日向坂高校放送部は、ラジオ好きなこのちゃんがラジオパーソナリティを目指す姿に触れて共感したサトミツが2年前から企画書を出すなど尽力したことによって実現した。
それもオードリーと同じニッポン放送で同じ番組表に載るというおまけ(ご褒美)付きだ。

そんな日向坂高校放送部で、隔週でメンバーがゲストとして登場したり、このちゃんにゆかりのある人物やお笑い芸人などから毎回音声コメントが届くこともまた、周囲から受けるたくさんの愛を象徴しているといえる。

オタクを超えるオタク

松田好花は好花推したちにオタクとはどんなものか見せつけるほどにオタクらしさに溢れている。おそらく好花推しの(少なくとも)9割よりはオタク特性が強いだろう。
好きなものにのめり込み、面白いと思ったことにはとことん食いつき楽しむ姿は見ているだけでもこちらまでワクワクしてくる。

ヘビーリトルトゥース

前述したキン肉マン企画以来、ひらがな推しのBlu-Rayを『ヘビーリトルトゥース誕生編』と名付けられてしまうくらいには、オードリーに熱中しつづけている。
キン肉マン企画後もふとオードリーの2人がキン肉マンネタを挟みと、すかさずたとえツッコミを見せるというシーンも何度も見かけた。
オールナイトニッポンはずっと聴き続けていて、毎日のおやすみメッセには日々異なる絵文字が添えられるのだが、土曜日は必ずラジオの絵文字『📻』が添えられる。

オードリーへの愛のあまり2人の動きを振りコピ(?)する姿も恒例である。

ひなあい#43で丹生明里の魂が抜けるという話題で、MCの春日が魂が抜ける仕草をしたときには、オードリーの武道館漫才のイタコネタを思い出しながら、「これですよね!!」と言わんばかりのキラキラした目で同じ動きをして見せた。

ひなあい#116で、高瀬愛奈の質問に齊藤京子が同じ質問で被せたときに「同じ質問で挟まれました」と若林がデンプシーロールを彷彿とさせる動きを見せたときは、即座に笑顔で動きを模倣した。
※デンプシーロールは『はじめの一歩』の技であり、"イカれている"といつもおひさまに親しまれている番組テロップに表記された比喩表現。

ひなあい#48の常識クイズ対決コーナーでは、問題文を「オードリー春日俊彰の父親の名前と言えば」まで聞いてボタンを押し、「ですが…かな?」と推理し、「シズエ」と答えて見事に正解した。
本来は"こんな問題わかるはずないだろ"と制作側にツッコむくだりになりそうなものだが、見事に期待を裏切って若林に「リトルトゥースすぎるのよ」と言わせるほどのヘビーリトルトゥースぶりを見せつけ笑いを生み出した。
(またしても松田このの回答の異質さをしっかり補足した若林さん、好きすぎる)

病気休養中の退院時にオードリー若林のサイン入り書籍をもらったときは、自身のブログで、「!!!!!!!!!!!!!!!!」(えっ?!ん?!何?!どういうこと?!)と勢い全開のオタク節でその興奮を綴るなど、若林との双方向の繫がりを感じると感情のネジが外れてしまうらしい。

これはライブでレスをもらったと喜んだり、ブログなどで私信をもらったと信じて興奮しているオタクさながらの光景で、とても親近感が沸く。

トークアプリでのオタクテンション

このちゃんはトークアプリでオタクのような呟きを大量生産している。

コロコロ(掃除するやつ)の紙が破れてしまったり失敗を写真に収めて、急にふと気になったことが送られてきたり、  #日向坂高校放送部  などのタグを載せたり、セルフツッコミなどをみせたりする。
他のメンバーにレターを送った画面を載せたり、つい先日はメンバーと映画を見に行った流れで過去のメッセージが気になり、「キーワード検索機能が欲しい」とトークの要望をしたりトークをTwitterのように使っていることも多い。

休養中の退院報告後、入院中のことを報告するメッセージが止まらなかったときも、このちゃんがオタク特有の早口で喋る様が容易に浮かんできた。

2月27日に送られてきた暗闇のなかで、部屋着を開封したりライブの音声をバックにただダンスをする様子を収めた一連の動画は、一瞬恐怖を覚えるほど意味がわからないものだった。(わたしはとてもすき)

テレビ番組のなかで一番終わってほしくないと語るあちこちオードリーのオンラインライブのグッズが発売されるときには、「買わないと」とメッセージを送ったり、自身がオードリーグッズを身に着けている姿や春日語カレンダーなどの部屋に飾ったグッズの画像を定期的に送るなど、リトルトゥースとしてのオードリー愛を惜しむことなく見せている。

運営はこのちゃんにTwitterをやらせたほうがいいと思う。このちゃんの魅力が見つかってもっと伸びるはずだ。あとまだこのちゃんのメッセージを取っていないオタクツイッタラーは、ここからすぐに購読を開始するのがいいと思う(圧)

オタク気質が自身の強みに

このちゃんのオタクらしさは、好きなことを自分の仕事にも繋げている。

念願の単独パーソナリティとなった日向坂高校放送部の放送開始には、ラジオへの愛を発信しつづけてきたことも大きく貢献している。どんなにいい人物でもあそこまで熱中している姿を見せることができていなければ掴み取れなかっただろう。

ラジオに傾倒する姿はオタクの心を惹きつける。個人PVの予告編動画のなかでも再生数がダントツの『真夜中の松田さん』は深夜ラジオに夢中になる自身の姿テーマに作成されているが、このちゃんがそうであるのと同様にオタク度が変態的なオタクたちが共鳴し、このちゃんに引き寄せられているようだ。

タワーディフェンスゲームの『クラッシュロワイアル』(クラロワ)の好きでブログやトークでたびたび話題を出し、「トロフィーが○○まで上がった」などときどき報告している。
そんな"好き"から、eスポーツの高校生大会である『STAGE:0』のYouTube配信に出演してクラロワを担当したり有吉ぃぃeeeee!のクラロワ回に出演した。現在放送中の『CHOTeN 』(日本テレビ)の交代レギュラーに選ばれるなど、現在もゲーム好きとして活躍している。

圧倒的な企画力

ひなあいやTwitterなどいろいろなところで「放送作家向きだ」としきりに言われるほど、彼女の企画力は各場面で注目される。
ファンは基本的に褒めるものなので多少大袈裟に表現しがちだが、私もこのちゃんの企画力は本物だと思っている。

松田好花の企画力は、日常の些細な面白さに気づく観察力、なぜそうなるかや全体を見極める洞察力、受け取る人に思いを馳せる共感力、面白いと思うことを魅力的に見せるプレゼン力、勤勉さからくる継続力、圧倒的なワードセンスなどにより確かなものになっている。

ひらがながっきょくうんどうかい

その企画力はひらがなけやきの冠番組『ひらがな推し』からすでに発揮されていた。
ひらがな推し#41の企画プレゼンでは、けやき坂46の楽曲を使っていろいろな身体を動かすミニゲームを行う『ひらがながっきょくうんどうかい』という企画をプレゼンした。

メンバーが人気番組のパロディや単純にやりたいことを楽しそうに話すなか、このちゃんは私もその回を純粋に見てみたいと思えるようなプレゼンを披露した。

プレゼンターに指名されると「若林さんにひらがな楽曲ボケをスルーされた」という動機から話しはじめ、「さすがにあのとき言ったから聴いてくれているんじゃないか?」と意図を説明したうえで、「イントロクイズをやりたい」とプレゼンのテクニックとして欠かせない"ストーリー"を展開した。

プレゼン内の企画お試しの時間では、オードリーが楽曲をすぐ答えられなかったことに怒った表情を見せたり、しっかり聴いていないとわからないであろう楽曲を正解したことにメンバーが驚いて喜ぶなどたくさんの笑いが生まれた。
キン肉マン企画のときとは反対に、オードリーがけやき坂を知った姿を見れることで、さらにオードリーに対する信頼がより強くなったように思える。

また私がそうだったように、番組は面白くて見ているが楽曲にそこまで関心なかったファンがひらがな楽曲に興味を持つことにも繋がったはずだ。

コンセプトが評価されこのちゃんの企画は正式に採用された。
企画プレゼン回の放送では、オードリーとメンバーの対立構造によって盛り上がり、ひらがながっきょくうんどうかい回は、宮田愛萌と柿崎芽実のぶりっ子対決といった名場面が生まれるなど、メンバーがわいわい楽しむ姿が見れるという2度美味しい企画の卵を生み出したわけである。

齊藤京子はアンケートで一番楽しかった企画として「ひらがながっきょくうんどうかい」を毎回書くほどで、このちゃんは収録が終わったあと「ほんとに楽しかったよ、このちゃんよかったから」とべた褒めされたことをずっと覚えてるらしい。自分が企画したものが実現されることの嬉しさに気づくきっかけだっただろう。

#konokatalk

松田好花のトーク(#konokatalk のタグで反応がツイートされる)には、彼女の企画力が全体に溢れている。

定番となっている顔の目より上の部位のみが写った「顔の上半身」、手ブレなどで顔がボケている「ブレ田好花」(○田好花シリーズは他にもいろいろある)、あざとさ全開の「ぶりっこのか」など、このちゃん自身の画像とその画像に紐づけされたいろいろなワードが飛び交っている。

日々送られてくる画像をキャッチーなワードでラベリングすることで、どんな画像が来たかあとからも思い出しやすく、つぶやくときにみんな共通のワードを使うことになるため、トーク購読者同士が共通の認識を持って楽しめる。

SHOWROOMでは『ブレ田好花』を取らせるためにスクショタイムに高速で動き回るという暴挙に出る。そのスクショは文字通り"オリジナル"のこのちゃんの写真であり、みんなが「こんなブレ田好花が撮れた」とTwitter上にアップして盛り上がる。
『ブレ田好花』はブレた写真なんて普通はボツになってしまうだけなのだが、ラベリングして希少性価値を見出してオタクたちを熱狂させている。

このような仕掛けによって自然とタグツイの量も多くなり、独特なワードは購読してない人の興味も引いて印象にも残りやすいため、こういった企画が購読者をさらに増やすきっかけになっているのだろう。

以前よく来ていたほっぺをつまんで撮る『ほっぺタイム』はたいてい一瞬で終わってしまうが、稀にフィーバー状態に入るためオタクのトーク射幸心を煽る。

射幸心でいうと不定期に開催される『画像放出祭り』も恒例となっている。「そろそろ開催しようかな?」というメッセージでパチンコのリーチ演出のように射幸心を煽ったうえで、撮りためてきた数十枚におよぶ画像を一気に放出するので好花推しの脳汁はドバドバだ。
開催時には好花推しのTwitterのタイムラインは卒倒する人に溢れ大変なことになる。

また、2021年2月からはモンステラを育て始め、「ヤホステラ」と名付けられ、たびたびモンステラと一緒に映った写真をアップするなど、#konokatalk の主要な登場キャラクターとなっている。最近はヤホステラが自我を持ち始めないか心配しているようだ。
モンステラの成長をファンに見せることは休養による自身の変化を経験したこのちゃんらしい取り組みにも思える。いまではたくさんの観葉植物が自室にあり、モンステラも新芽が出たときにはその様子を報告し一種のゲリライベント化している。

休養前のコロナ混乱期には、毎朝ラジオ体操の動画を送ってきたり、ベレー帽を被って絵を書き動画を送り「おえかきしりとり」という企画もした。習慣をいくつも作ったり #konokatalk でみんなが予想や回答をツイート思わずツイートしたくなるように仕向けていた。

その他の自粛期間中に取り組んできた内容は下記ツイートの動画を参照されたい。

メンバーみんなが同じように送る日常的なメッセージでさえも、自分の色を濃くつけて特色にしてしまうところには目を見張るものがある。

日向坂高校放送部

個人の初冠番組となった『日向坂46松田好花の日向坂高校放送部』では、番組のほとんどをオープニングトークで終えたりするなどアイドルらしからぬトーク一辺倒のストロングスタイルを展開している。

トークを重視しているのは松田好花がラジオのトークが好きで、かつオードリーANNのオープニングトークが毎回40分以上かかることをリスペクトからくる姿勢なのだろうが、サトミツら制作陣もこのちゃんの希望をできるかぎり尊重し、放送作家としての資質を信頼して番組構成の権限を与えてのびのびと取り組めている様子がわかる。

マッサージ店の施術者やタクシー運転手とのエピソードは、店員と客の1対1という誰にでも経験があるなんとも言い難い状況を思い出させ、話が頭に入ってきやすく、共感もしやすいように構成されている。

また、エピソードトークの時間の拡大により最近はコーナーが蔑ろにされているようにみえるが、それも自分がそのことに触れたりユーザーに「全然やらねえな!」とツッコませる隙として機能しているようだ。

そして、番組の最後は「やっほっす~」という言葉で締めるが、「やっほっす~」は従来最初のあいさつであり、トークでは1日の最初のメッセージに送られてくる。その差によってトーク購読者の心に少しの違和感を与え、番組終了後にいたるまで印象に残すことに寄与している。

放送作家になりなさい

これらすべてを考えてやっていたらすごいし、考えずにやっていてもすごいセンスである。結局どちらにしてもこのちゃんはすごいということだ。

「このちゃんは卒業後放送作家になれ」や「番組プロデューサーになってパイプ椅子に座って笑ってろ」など、勝手なことを私はよく言っている。
これは冗談ではなく、もしこのちゃんが佐久間宣行やサトミツみたいに裏方で活躍しながらもラジオなどの表舞台にも顔を見せてくれる人物になったら、こんなにうれしいことはないだろうと思っている。

アイドルだった松田好花が制作側として活躍するまでの様子を描いた自伝本『好きの咲かせ方』(勝手に命名した)が書店に並ぶ未来をわたしは楽しみに待つとしたい。

松田好花と月

最後に一つだけ、好花推しの1人をクローズアップするという意味で熱く自分語りをしたい。

つい先日の4月16日、トークで月の画像が送られてきた。4月の満月をピンクムーンというらしい。ちょうど送られてくる数時間前、私はその日がピンクムーンとは知らずにたまたま夜空を見上げて目に入った月の写真を撮っていた。

月を撮ることは好きではあるがしょっちゅう撮るものでもないので(私は前回昨年11月に金星と並べて撮っていた)、同じ日に知ることもなく撮っていたというそんな"まさか偶然"な出来事に、このちゃんと同じものに対する気持ちを共有しているようでとても嬉しい気持ちになった。

2022.4.16 19:17撮影 雲がかかった朧月 (撮影:Soh)

私がトークを購読しはじめてから最初に月の画像が送られたのはこのちゃんが病気休養中の2020年10月25日のことだ。コメントには「今日は月が綺麗でしたね」と書かれていて、前日の夜に更新された富田鈴花のブログのタイトルから引用したらしい。

その画像が送られてくる半月ほど前に、私は退院報告ブログの前夜にレターで自分で撮影した中秋の名月の画像を送っていた。8月に「月が綺麗ですね」というメッセージが来ていたことを思い出して送ったように覚えている。
(確認したら同じ日に富田鈴花もトークで月の画像を送っていた)

2020.10.2 0:51撮影 中秋の名月(撮影:Soh)

そんななかでこのちゃんから送られてきた月の画像をみて、月を通して会話が続いているように感じてひとり喜んでいたことを覚えている。
その後も休養中で自身を写せなかった影響もあり、このちゃんからは月の画像が送られることが増えて、月を通しての共感という新鮮な気持ちでこのちゃんと向き合うことになった。

月は夜に雲がかかっていなければ誰もが見ることができる。しかも、基本的にただ同じように光り続ける太陽とは異なり、おひさまの光にあたってまん丸と輝いているときもあれば、太陽との位置によって半分欠けていたりする。あるいは地球の影に隠れてしまい見えなくなることもある。

離れた地でも一緒に見ることができる天体のなかで、日々その表情が変わるのは月だけであり、たくさんのファンが応援しいろいろな表情をみせるアイドルと似てるなと共通点を感じた。

このちゃんはアイドルなのに常にわたしたちと同じ目線でいるような不思議な感覚だ。共感力が強いこのちゃんだからこそ、わたしにもそう感じさせるのかもしれない。

月を見かけたら「あ、このちゃんも見てるのかなぁ」と思い出すことで日常の風景に小さな幸せが生まれる。夜空を見上げるだけで、このちゃんが休養を通して得た気づきを少しずつ分けてくれているのだ。

これからも贔屓します

ここまでこのちゃんの魅力をたくさんのできごとを振り返りながら考えてきた。

誕生日に向けてこの記事を書くにあたって、番組やトーク・ブログなどを見返してこのちゃんの歩みをトレースして思い返してきたのだが、いくつものこのちゃんのステキな魅力を再発見・再認識できた。

彼女の内面を想像しながら歴史をたどることで、あらためてそのときに感じたわたし自身の感情も蘇ってきた。すっかり推しに似てしまったのか、記事を書いているあいだはこのちゃんの気持ちを想像して何度も涙が出てくる瞬間があった。「2021年9月のこのちゃん状態か!」と熱いセルフツッコミを繰り広げている(脳内で)。

すでにこのちゃんのことは十分好きだと思っていたのだが、思いを巡らせることでさらに彼女を好きになれた気がする。
「そういえばこのちゃんの誕生日もうすぐか」と気づいたときに思い立って書き始めたが、もしかしたらそう思って書き始めたのも自分らしいやり方でやるというこのちゃんのたくましい姿に影響されたのかもしれない。

書きながら文章チェックのために何度も読み返し、なかなかまとまらない文章に苦戦しつつ、段々と文字数が増えていくなかで、握手会後にショートカットにしたことなどのいくつかの書きたいテーマを断念もしてきた。やはり自分が期待する完成度とは程遠いから人に見られるのは恥ずかしい、と負の完璧主義がいつものように出てしまう。
しかし、いくつかの大事なことに気づけただけでも、この記事を書いた価値がある気がするので公開することに決めた。このちゃんへの重い思いを残すことも趣旨のひとつでもあるから。

わたしはこのちゃんをアイドルとして好きなだけでなく、1人の人間として尊敬している。

他人のことをよく知って心から楽しむことの素晴らしさや自分自身を認めてある程度許してあげることなどの生きていくうえで大事だけどなかなか気づけなかったり、つい忘れがちになってしまう本質的な気づきを与えてくれるからだ。

もちろんわたしが見てきてここに書いた"このちゃん"は、"松田好花"という人間の一部でしかない。
このちゃんはファンを友達のように信頼してくれていて多くのことを発信してくれているが、表に見せていない出来事や心境は想像するほかない。
『飛行機雲ができる理由』でも歌われているように、わたしたちが知らないところで泣いていた場面はいくつもあるかもしれない。

それでもこのちゃんに出会えたことがわたしの人生にとって美しい花束であることには変わりがないと思えている。

歌詞のように「君と一緒に飛びたい」と言うなんておこがましいとは思うけれど、今後もこのちゃんが活躍する姿を追いかけていきたい。
贅沢を言うならわたしだって負けないくらいに、このちゃんと同じように自分らしく、一緒に咲けたらうれしい。―――――

おわりに

おわりになりますが、もしここまで読んでくれた人がいるのなら、その時点で大好きなので贔屓します。(みんなのやさしさでいっぱい反響もらって贔屓メンバーが増えて大変になってしまいました)

自分から見てきた"このちゃん"を書きましたが、みんなから見える"このちゃん"も知りたいので、ここに書いたことでも書いてないことでも、みなさんのこのちゃんの思い出の場面とかこのちゃんのこんなとこ好きだよっていうところがあれば教えてくれるとさらに喜びます。チョロオタなので!

あと日向坂46自体が好きなので、今後も気が向けばグループとしての日向坂46や他のメンバーのことも書けたらいいななんて思ったりしてます。(文章もちゃんと上達させたい)

最後まで読んでいただきありがとうございました!!


この先も世界中のたくさんの愛に囲まれて
わたしの好きな花がきれいに咲き続けられますように


2022.4.27の松田好花公式ブログと同じ構図で撮影したネモフィラの咲くみはらしの丘(2022.4.28追記)
2022.4.28 ひたち海浜公園 (撮影:Soh)

やっほっ素敵な23歳の誕生日🌼


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