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年の瀬に想うこと

ー人間、みんな脆くて弱いー

二日前の朝日新聞にそんな記事が書かれてあった。
「コロナ禍」とよばれたこの一年で、人間は、みんな脆くて弱い存在であることに気づかされた、と。

弱くて、脆い。他者無しには生きられない。人間とはそういう孤独な生き物だ。たしかに、間違いないことだと思う。けれど、何か物足りない。

各々が、その脆さや弱さを自覚して、誰かに助けを求めたり、声を分かち合ったり、その弱さを糧に優しい社会や世界を創り出そうとしたり・・・そんなエネルギーを、この世の中で感じることはできない。

むしろ、「人間は孤独で柔くて弱い存在である」ということが、「頭の良い」人達が発するただの言葉にすぎなくて、実際は、世の現場では、その弱さにつけこんで、いろんな差別や分断が生まれているように思う。

この「コロナ禍」で、どれだけの人がどれだけの人を憎み合っただろう。
私は、私自身にも強く問う。

「いや、やさしさも生まれたじゃないか」そんな声が聞こえてくる。

その通り。でも、そのやさしさの裏で、憎しみも生まれた。

医療が緊急事態に陥って、人々の医療にかかわって下さる人々(医療従事者)を称え、感謝する日々が続いた。一方で、その他者に気持ちを向ける「やさしさ」は、感染拡大の「源」ともいわれるような若者の行動に対して、とてつもない「怒り」へと変わった。

経済か生命かという政府が打ち出す二項対立は、さらに人々の生活を分断させ、TVや新聞では、連日、Go to キャンペーンだの、自粛だの、大人が熱く言い争う。

また、「夜のお店」という言葉もひっきりなしに登場し、きっと、言葉にならない思いをされた方々もたくさんいる。


人間は脆い。理性も感情も瞬く間に崩壊していく。

ただ、その弱さは一つや、二つでない。

無限大にある。

だから、いろんな弱さを知って、感じて、力にする必要がある。

来る、2021年。

たくさんの弱さと手を取り合って、想像力を働かせて、創造性であふれるような世の中にしていけるような活動をしていきたい。