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動画で使うNDフィルターの選び方

前回の記事「動画撮影で必要最小限の機材の選び方(ミラーレス一眼カメラの場合)」が長すぎて、NDフィルターの選び方を別記事にまとめたのがこちらの記事になります。



それではNDフィルターの選び方ですが、大きなポイントは以下の2つです。

①一枚使いが一番良い

②可変NDの場合は、レンジが広いものを選ばない

そもそもNDフィルターというのは何かというと、サングラスのようなものでレンズの先に付けるフィルターで、レンズに入ってくる光を減光してくれるものです。

<例>
ND2, ND4, ND8, ND16, ND32, ND64, ND128, ND256・・・・・・ND10000

NDの後ろにある数値がありますが、この値が大きいほど濃度が濃く、減光してくれる度合いが増えるといったことになります。

どの数値のNDフィルターを使うかの判断は、そのときの天候(明るさ)で変わります。

例えば、「日中の雲一つない晴天のときはND256を使おう」や
「本日は曇りだからND64くらいでいいかなぁ」であったり。

そうすると「外の明るさなんて色々あるのだから、全ての値のNDフィルターを持っていなかればいけないの?」と思うかもしれません。

はい、そうなんです。
極論すると、使う範囲内での全NDを持っておくのが一番いいと思っています。

ただ、そうすると持ち物も増えるしお金もかかるしと、あまり現実的ではないとも思っていますので、ここからはもう少し現実的なお話を。


NDフィルターは重ね付けすると掛け算になる

どういったことかと申しますと
例えばこの場所の明るさは「ND128」くらいがいいなとした場合、
ND4 × ND32 = ND128 と計算することが出来ます。
※厳密に言うとイコールではなく相当するという表現が正しいようです

従って、ND4の上にND32を重ね付けすればND128相当になる訳なので
ND128は買わなくてもいいかなという判断が出来ます。

ただし天候の移り変わり(太陽が雲と被ったり等)によって、NDフィルターを取り外ししたり、交換したりと、取り回しが悪いといったことが起こります。


一番楽なのは可変NDフィルターを使う

世の中は便利なもので可変NDフィルターといったものがあります。

可変NDフィルターというのは2枚のフィルターが合わさって1つとなっているフィルターでして、前側のフィルターを回転させることでNDの濃度が変わる仕組みを持ったNDフィルターのことです。

可変NDフィルター ND4-ND32

種類は様々でND3〜ND1000やND2〜ND400などのレンジの広いものから、ND4〜ND32のレンジの狭いものがあります。

可変NDであれば、NDフィルターを付け替えたり、重ね付けしたりせずに明るさを調整できるので取り回しとしてはダントツに使いやすいです。

こんなに使いやすい可変NDでもやはりデメリットはありまして、

X状ムラ(濃度ムラ)と呼ばれるNDの濃さが不均一になることがある
色被りと呼ばれる色がある一色に偏った状態になることがある

詳細の説明はここでは省きますが、上記のようなデメリットが可変NDフィルターにはあり、質の差はあれどこのデメリットはどの可変NDフィルターでも課題としていることとなります。

このデメリットを少なくするには、高品質のものを選ぶのはもちろんですが、1番気をつけたいところとしてはレンジが広いものを選ばないことです。

レンジが広いというのは、例えばND3などのND濃度が薄いところからND1000などのND濃度が濃いところまでを1枚でカバーしているフィルターのことです。

もともと可変NDの仕組み自体が無理が生じやすい仕組みなのですが、それに加えてレンジを広くすると、その無理が出やすくなってしまいますので、可変NDを選ぶ場合はND4〜ND32などのレンジの狭いものが現時点では良い選択かと思います。


おすすめは NDフィルター × 可変NDフィルター

詳細は次回以降で別記事で書ければと思っておりますが、
ここまで読んでいただいた方に向けて私がお勧めするNDフィルターの運用をお伝えいたします。

通常のNDフィルター(2 or 4 or 8)の上に可変ND(4〜32)を重ね付けします。

通常のNDフィルターの濃度を何を選択するかは、天候次第。
その上に可変ND(4〜32)を付ければ、いいとこ取りできるスタイルの完成です。ぜひお試しください。

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