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モノのもつパワー・アンティーク家具編その2

その日、Nちゃんは自宅で大切なオンライン会議がいくつか入っていました。夫と子供たちを送り出した後、仕事に入る前にお化粧を済ませ、ほっと一息、新しく購入した珈琲メーカーで珈琲を飲もうと、マグカップを片手に、キッチンに立つNちゃん。珈琲のボタンを押すと、ガーっと豆を砕く音が部屋に響き渡りました。すると、不意に突然、雄猫Kちゃんが、ガブーっとマグカップをもつNちゃんの手に嚙みついてきました。驚くNちゃん、落ちるマグカップ、ひえーっとなったところに、今度を頭を噛みついてきたそう。うろたえつつも、正気を失った雄猫Kちゃんをケージに入れるべく、立ち向かいました。しかし、雄猫Kちゃんは完全戦闘モード、今度をNちゃんの左足をガブリ、骨まで見えるぐらいの全力で噛みつかれ、履いていた水色のパンツは見る間に血の色に染まったそう。

驚いたNちゃんは、いったん、リビングから退室。ご主人に連絡して、助っ人を頼むも、子猫の時から可愛がって育てた飼い猫Kちゃんからそんな行動は想像つかなかったらしく、緊迫感が伝わりません。

仕方なく、負傷した左足を引きずりながら、素手では太刀打ちできないと悟ったNちゃんは、傘を開いて、『鬼滅の刃』の炭次郎ばりに『おりゃー』っ雄猫Kちゃんに立向かい、さすがのKちゃんも驚いて、ケージに入ったそう。その後、義理のお父様が駆けつけてくれ、病院に直行、整形外科で処置をしてもらったとのこと。

この話を聞いて、雄猫Kちゃん、珈琲豆を砕く音にびっくりしちゃったのかな?っというのが最初の反応でしたが、その話を聞いたNちゃんお友達から、丁度、Nちゃんがご実家のお墓参りをした際に連絡が入ったとのこと。

そのお友達、ご両親が伊勢神宮にお参りに行ったら、お父様に不思議な力が降りてきて、今まで見えなかったものが、色々と見えるようになったそう。

雄猫KちゃんとNちゃんの凄い話を聞いたお友達が、お父様に見てもらった方が良いと、声をかけてくれたとのこと。Nちゃんのご実家からその方のご自宅までは行けない距離でもなかったので、善は急げですぐに会いに行ったNちゃん。

見てもらうこと約20分、何と、雄猫Kちゃんの猗窩座への豹変ぶりは、Nちゃんが貰ってきたアンティーク家具が原因ということが分かったそう。

遡って、Nちゃんが、タワマンに引っ越す前。ご自宅の家具が猫たちに汚されてしまっていたNちゃんのもとに、某富豪がお亡くなりになり、ご自宅を引き払うのに、もしも欲しいものがあれば、何でも持って行って良いというお話が舞い込んだとのこと。

多忙を極めるNちゃんは、有難いと思いながらも、なかなか見に行けずにいた所、明日には全て捨てるので、欲しいなら明日までに来て、っと言われ、急いで行ったところ、それはそれは素敵な調度品ばかり。引越し先の広いタワマンにピッタリな調度品を、まるっとお譲り頂いたそう。

見えないものが見えようになったお友達のお父様には、Nちゃんのタワマンもすっかり見えたようで、リビングはそのままで良いけれど、寝室にもらってきた家具は直ぐに全て処分するように言われたそう。

アドバイス通り、家具を処分し、盛り塩やら御神酒やら、言われた通りお供えしたところ、不思議な現象(御神酒が全て無くなったり、白く濁ったり)が色々あったものの、2週間ぐらいで落ち着き雄猫Kちゃんの様子も平常になったそう。

実は、頂いてきた家具や調度品の持ち主、ご主人様はお亡くなりになったけれど、奥様は認知症になられて、施設でお過ごしだそうで、お友達のお父様曰く、奥様の魂が、家具と一緒に来ていたそう。

ご家族との大切な想い出が詰まった家具が、見ず知らずのNちゃんご家族に使用されたことに、何らかのわだかまりがあったのかも知れません。雄猫Kちゃんが炭治郎で猗窩座はNちゃんだったという落ちに、娘と私は度肝を抜かれました。

我が家では、ママが使っていた素敵な家具に合わせて、いくつかアンティーク家具を購入していたので、見えないものが見える方に、一応みてもらおうと思っています。



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