社交辞令を言う理由

社交辞令はなぜ言うのだろうか。パッと考えたところ、相手を気遣うために使う嘘でありコミュニケーションツールである。

では、なぜ気を使うのか。

結論を先に言うと、相手の人格を神聖なものとして現代の社会では取り扱っているためではないのか。

社会学者アーヴィング・ゴッフマンによると、かつて神聖視されていた「神」がいなくなり、その座に「人格」がついたのだという。その結果、人々は「私は本当はあなたに興味があるのですが、あなたを傷つけたくないので興味がないように振る舞いますね」と振る舞っている「礼儀的無関心」という行為が社会で行われている。

だから、当たり障りのない言葉や相手を気遣った社交辞令が飛び交う世の中になったのかもしれない。

アービング・ゴッフマン1980『集まりの構造』誠信書房

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