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言葉のことばかり【ごきげん】

誰にでも
ご機嫌なときはある

夜中に道を歩いていたら、
おまわりさんが自転車で通り過ぎた。
そのおまわりさんはなんだかごきげんで、
鼻歌を唄っていた。

声だけ聞いていると、
ほろ酔い加減のおとうさんみたいだった。

おまわりさんだって
ごきげんな時があってもそりゃいいんだけど、
なんとなく違和感があっておもしろかった。

そう言えばボクの中学校のときの
同級生がおまわりさんになっている。
「太陽にほえろ」にあこがれて
警察に入ったはずだが、
たしか今でもおまわりさんだ。

ひょっとしたら今晩あたり、
どこかの路地で鼻歌を唄いながら
自転車をころがしてるかもしれん。

機嫌はいいに
越したことはない

「ごきげん」は「機嫌」に「ご」がついてる。
ニュアンスとしては立場が上の人に使う感じ。
「ヨシヒロさん今日はご機嫌ですね〜」的な。

「ご機嫌麗しゅう」って丁寧な言い方もある。
〇〇さまにおかれましては、なんてのが
アタマにつきそうな言い回しだ。

だけどまあ、目上にだけ使うわけじゃない。
「あの野郎、ご機嫌だな〜」とか。
ちょっと揶揄するニュアンスが入ってくる。
だけど基本的に陽気だね。

機嫌はいいに越したことはない。
みんなご機嫌で生きていきたいけど
なかなかそうも行かない。
で、お酒呑んだりするわけですね。

酔っ払いは大概、
ご機嫌です。

酔っぱらうとどうなるか、
人それぞれだけど、
やっぱり陽気な方がいいですよね。

ただ問題は
「酔っている自分」と「まわりの環境」が
一致しているかどうかです。

わかりやすく言うと、たとえばこんな場合…。
気の合う仲間たちが雀荘でじゃらじゃらと。
そこに電話。
「これからそっちに行ってもいいですかぁ~」
そして彼はやってきます。
「わぁ~雀荘って始めて来たぁ~。」
「あ、下からパイが出てくる」
「あ、パイが青い~。あ、こんどは赤い~。
 次はピンクかぁ~」
「すっごいですね~点数が出るんですね。
 デジタルですねデジタル」

自分がご機嫌なのはいいけど温度差がね。

人間というのは、誰かが先に行くと、
急速に醒めるものです…。
いや、これはもちろん実話なんかじゃ、
ありますけどね。

機嫌とは
気分のダダ漏れ

機嫌って元は仏教用語らしいですが、
「嫌い」って入ってるのが不思議。
意味はかなり変化したみたいです。

もともと「機嫌」って
外に出ちゃった気分のことですね。
気分がダダ漏れで周りから見えちゃってる。
自分が感じるんじゃなく人が感じること。

だから機嫌を表す言葉は
人から見た言い方になってるわけか。

「ご機嫌斜め」
なんかちょっとかわいい。子供に使いますね。
ご機嫌麗しゅう、は目上に向けてなのに
ご機嫌斜め、は下に向けて言う。

やっぱり機嫌は上下するものらしいですね。

次回の言葉は「相撲」です。

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