見出し画像

天長地久。

参禅堂建方の前日に、棟木(頂部)となる母屋材に直接「天長く地久し」と墨書しました。普通は棟札を取り付けるのが習わしかと存じますが、そこは簡潔明瞭に「天地の無事長久」を祈りました。天地あってこその世界であり、人間社会であります。棟木は棟札より厚く丈夫です{笑

何にも無かったところに、こうして坐禅する場所が建ったのであります。こんなに有り難いことはありません。「天」という字は一番大きいと書きます。「地」は土也(つちなり)と書きます。天地は文字通り宇宙であり、地球そのものを表す言葉です。天地の恵みが水であり、木であります。

そこに人間が生まれた。そうして少しずつ成長していって自分たちが一番偉いと勘違いしておる。浅はかな猿知恵で最も大事な自然の恩恵をすっかり忘れてしまい有頂天になっている。勘違いも甚だしい。自戒をこめてしたためました。まさしくお陰様だと思っております。

長男の長男が生まれてはじめて来てくれました。生後三ヶ月。可愛さを振りまいてくれました。先祖から孫に続く命が継がれていることを実感しました。まさに天長地久。長いこと人間やっておりますと、少しずつ見えてくるものがあります。

13名の方々がわざわざ祝いにかけつけて下さいました。久しぶりに懐かしいお顔を拝見しながら思い出話や近況などを聞かせて頂きました。お互い歳をとって変わっているのですが「お変わりなく」と挨拶を交わします。さまざまな事があって色々と変わっていきます。

変わらぬものがあるとすれば天地の理法、自然の摂理だけかもしれません。大自然の中に生かされておる真実を垣間見たような気がしております。話が長くなりました。今日から普段の日常生活に戻ります。仕事優先。自分にできることを精一杯やり続けることが恩に報いる道と心得ます。


上(棟木)下(骨梁)玄関上内部天井裏(5/12撮影)


天長地久(水)

ご覧頂き有難うございます。
念水庵


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?