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シンプル仏教(4)努力

疲れて何もする気の出ないことがままあります。
考え過ぎの場合や働き過ぎはもちろん、飲み過ぎ、遊び過ぎなど原因はさまざまです。今日はこれを克服する具体的な方法について述べてみます。

昨日Excelで作った部分(範囲)をコピーしてnoteに直接貼り付けました。
こんな便利な機能があることを昨日まで知りませんでした{笑

八正道の努力(精進)

ブッダが怠惰を戒め、努力の重要性を繰り返し説いた理由は、教えの核心的な部分に関わるものです。以下に、この点をわかりやすく説明します。

怠惰の戒めと努力の推奨

  1. 中道の教え ブッダは極端な苦行と極端な享楽のどちらも避ける「中道」を説きます。怠惰は精神的、肉体的な発展を妨げるため、これに陥ることは中道からの逸脱と見なされます。努力をすることで、私たちはこの理想的なバランスを保つことができるのです。

  2. 煩悩の克服 ブッダの教えの中心的な目標は、煩悩を克服し、悟りを開くことです。怠惰は煩悩の一形態であり、それに抗うためには意識的な努力が必要です。努力することで、私たちは煩悩を乗り越え、精神的な進歩を遂げることができます。

  3. 持続可能な実践 ブッダは瞑想や倫理的な生活を通じて、持続可能な精神的成長を促すことを強調しました。怠惰に陥ると、これらの実践が滞り、成長が停止します。努力を継続することで、個人は絶えず成長し続けることができます。

  4. 個人と社会への責任 努力は個人的な成長に限らず、周囲の人々や社会全体への貢献にもつながります。ブッダは個々人が社会の一員としての責任を果たすことを重視し、怠惰はこの責任を放棄する行為であると捉えていました。

ブッダは怠惰を戒め、努力を重要視したのは、中道を実践し、煩悩を克服し、持続的な成長を促進し、個人と社会の責任を果たすためです。これらはすべて、悟りへの道を効果的に歩むための要素となっています。

しかしながら、社会生活の中で、メンタルだけで克服することは甚だ困難であることも確かでしょう。慢性的な疲労が蓄積し、何もやる気がしない状態に陥ることはよくあることです。

そこで、一気にやる気が出て、ついでに元気も出る画期的な方法をお伝えしましょう。両手を組んでまっすぐ天に向って上げるだけでもいいですし、深呼吸一つでも、四股を踏んでもいいでしょう。とにかく身体を動かすことです。掃除・洗濯・食器洗い、何でもいいのです。

モチベーション(動機づけ)の決め手は、その小さな一歩です。

紙を横に三つ折りし、さらに縦に三つ折りしてシートを作ります。
真ん中のセルに課題を書き、その周りに指針を書き込みます。

✅️サブシートの例

努力のサブシート

努力を続けるための動機付けは、目標達成や自己実現への道のりにおいて中心的な役割を果たします。以下に、努力を促すための効果的な指針を8つ提案します。

  1. 明確な目標の設定 自分が達成したい具体的な目標を設定することは、努力を続ける上での基本です。目標が明確であればあるほど、その達成に向けての行動が明確になります。

  2. 小さな目標で分割 大きな目標を小さなステップに分割することで、それぞれの段階で達成感を感じることができます。これはモチベーションを維持し、全体のプロセスを管理しやすくします。

  3. 進捗の追跡 目標に向けた進捗を定期的に評価し、記録することで、自分自身の成長を視覚的に確認できます。これにより、努力の結果が具体的に感じられ、続ける動機付けになります。

  4. ポジティブな自己対話 自分自身に対してポジティブな言葉をかけ、自己肯定感を持つことが重要です。否定的な考えではなく、支援的で励ましのある言葉を選ぶことで、内面からのモチベーションを促します。

  5. 習慣の形成 努力を習慣化することで、それが自然な行動の一部となり、無理なく続けられるようになります。習慣は最初は意識的に努力する必要がありますが、徐々に自動的な行動へと変わります。

  6. フィードバックの活用 他人からのフィードバックを求め、それをポジティブに受け入れることで、自己改善の方向性が見えてきます。フィードバックは自分の盲点を理解する手助けとなり、努力の方向を調整するのに役立ちます。

  7. 報酬の設定 小さな成功ごとに自分自身に報酬を設定することで、目標達成のプロセスを楽しむことができます。これにより、長期的な努力を継続するための追加的なインセンティブが生まれます。

  8. ストレス管理 長期的な努力はストレスを伴うことがあります。ストレス管理技術を学び、適切にリラックスする時間を設けることで、燃え尽きを防ぎ、持続可能な努力が可能になります。

これらの努力を支える指針を用いることで、目標に向けた努力を継続しやすくなり、そのプロセス自体をより充実したものにすることができます。


こうしたポジティブな気持ちになれない場合や否定的な感情が起き上がってくるときに「煩悩ぼんのう」という表現をします。

煩悩は仏教において、心の平穏を乱し、苦しみの原因となる内面的な障害や情動を指します。具体的には、無知、欲望、怒りといった感情や思考が煩悩に含まれます。以下に、煩悩の概念をわかりやすく説明します。

煩悩の基本的な理解

  1. 三毒 仏教では、煩悩の核となるものを「三毒」と呼びます。これは貪(とん、貪欲)、瞋(じん、怒り)、癡(ち、無知または愚かさ)の三つを指し、人間の心を曇らせ、苦しみを生む根本的な原因とされています。

  2. 生と死のサイクル 煩悩は、輪廻(りんね、生と死の繰り返し)の原因ともされます。煩悩によって生じる行動や考えがカルマ(行為の結果としての力)を生み出し、これが新たな生を引き起こし、死後の生まれ変わりに影響を与えるとされます。

  3. 悟りの障害 煩悩は悟りを開く上での障害となります。悟りとは、真実を見ること、すなわちすべての存在の本質を理解し、すべての苦しみから解放される状態です。煩悩が存在する限り、心は真実を見ることができず、悟りを得ることが困難になります。

煩悩の克服

仏教では、煩悩を克服するための多くの方法が提唱されています。瞑想や修行を通じて心を浄化し、煩悩の影響を減らすことが推奨されます。また、八正道の実践を通じて、煩悩を徐々に解消していくことを目指します。

煩悩は、人間が経験する苦しみや不安の多くの源泉です。これを理解し、克服することが仏教の修行において非常に重要な部分を占めており、最終的には心の平和と解放へとつながる道であります。


わたしは、怠惰に陥りそうになったときに、ブッダ最後の言葉を思い出します。この短いお言葉で、また立ち直ることができます。

いかなるものも移ろい行きます。
怠ることなく努めなさい。

パーリ仏典 長部第16「大般涅槃経」より


ご覧頂き有難うございます。
念水庵 正道


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