愛着障害と主治医

伯母と(近所に住み顔をだしていたにもかかわらず存在感の薄い父親)から離れてすっかりと燃え尽きてしまったのか、朝起きることも出来なくなり当時住んでた隣町のクリニックに通い、薬を飲み始めたのがきっかけだった。

4年前から患っている膠原病である全身性強皮症の症状である痛みが激しくなり、痛みを止める作用のある抗うつ剤を試した所、とても珍しい副作用である「セロトニン症候群」が起きて不随意運動やめまい、軽い混乱が起きてしまった。
その後症状の確認の為に診察を受けた精神科の医師からは抗うつ剤が合わないタイプなので注意をするようにといわれた。

そういえば隣町のクリニックで最初に出された抗うつ剤を飲みはじめてからどんどん症状が悪化して崩れていったのだった。
今思えばその最初の抗うつ剤で副作用がでた時点で止めておけばつらい思いで断薬をする羽目にならなかったのかもしれない。
新薬なので数ヶ月は様子を見て欲しいと言われて飲んだのだが、だからと言って当時の自分の判断ミスをどんなに嘆いても今更の話である。

やりたいことがあっても自分の心身の体調で途中で諦めなきゃいけないもどかしい状況を変えてくれたのが現在の土地へ引っ越して来て数年後に担当になってくれた先生だった。
最初の診察で家庭の事情を話すと「ああ、ボクと一緒だねぇ」と笑ってくれた、年配の医師だが先生も性格のキツい伯母に引き取られ苦労された事も話してくれた。

何回か診察に行くうちにやっぱり君から問題を感じないんだよねと今まで通ってきた病院や前の医師の処方に文句をつけながら、どんどん薬を切っていった。
もちろん精神科の薬の断薬だ、途中で不安で分けのわからない状態になっても根気よく面倒を見てくれた。
診察は毎回のように時間をオーバーして数時間になることはざらだった、相当迷惑をかけていたと思う。

昔のエピソードを聞いて大変だねぇ、可哀想だったねぇと慰めるタイプではなかった、愚痴でも何でも私の考え方を興味深いとか面白いんだとメモを取りながら真剣に聞いてくれた、私も日常生活の他にこの本を読んだらわざとこう考える事も出来るんじゃないかとか書き留めたノートを持って行き話した。

先日読んだ虐待サバイバーの羽場さんの心理士さんと全く同じだ。

https://note.com/haba_survivor/n/nc6f0df9e6c1f

今まで1番求め続けていた特別に大事に扱ってくれる医療者として接してくれた上に、親と会話する中で誰かに甘えたり相談する事を学ぶという、保護者と暮らす家庭の子どもが自然と出来るようになる事を疑似体験し学ばせて貰えた。

その医師が私に「愛着障害」だと言った担当医なのだ。今思えば何が必要なのか最初から見抜いて接してくれたのだと思う。
それまでの年月を考えればあっという間に全く薬を飲まないで過ごせるようになり周りを驚かせた。

しかし数年後で膠原病の全身性強皮症が発覚したのだ。
難病と言われる一生治ることのない重い病気になってしまった事や痛みで眠れない事のストレスの上に、ステロイド治療で副作用が大きく出てしまい、昔通っていたその医師がいる病院へ助けを求める事になった。

残念ながら高齢だった先生は病院をうつられてしまっていたのだが、行かなくなってから何年も経っているにも関わらず直ぐに受け入れて貰えた。
初診が半年先だったりコロナの感染蔓延もあり受け入れ中止をしていた精神科もあるぐらいの状態だったので本当に助かった。

実は先生の転勤先は知っているのだ。
でもまだ頑張れるんじゃないか、もう少し頑張ろう。
また通うようになって心配させたくない。
お世話になった母校の先生への、それこそ父親に対する強がりのような気持ちを少し持っているのだ。
もう少しだけ頑張りたい。


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