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9月24日のマザコン128 父、夜中に施設から脱出を計る

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私がすでに布団に入っている、夜中の1時過ぎであった。
寝転んで本を読んでいた時。
おや。
ブィーーーーーン…………という、たまに聞く、なんだか心臓に悪い音がする。
この音はたしか。スマホの音。どんよりする音。恐怖の音。そうだ、スマホに電話の着信があってブイーンと震えているのだ。

私は2年前から「着信恐怖症」になっている。
電話がかかって来るということは、良くないことが起こっているということなのだ。健全な知人からの健全な連絡は、SNSで、文字で来る。直接電話がかかって来る用件は、すべてどんよりする用件なのだ。
しかも、今は世の中が寝静まっている夜中1時過ぎ!
「夜中の1時過ぎにかかって来る電話」が、良い内容であることがあり得ようか? この時間に着信している時点で、憂鬱度トップクラスの用件が発生しているということがわかる。

唯一の希望は間違い電話であることだが、発信元を見てみると……、
父の入っている施設であった。
ぐっっ……ガッデム!!!! どんな最悪なことが起きたのか!! 1日を終えてそろそろ清々しく寝ようとしていたのに、メンタルが墜落だ!! 家族のいる施設から、夜中に電話がかかって来るというこの絶望!! 出る前からわかるよ100%絶望的にどんよりする用件だと!!!

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