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「New York」「up-down」「アタサバ」の由来を整理する

New York(NY,ニューヨーク)

競技クイズのルールのひとつ「ニューヨーク」の基本形は以下の通りと考えている。

  • 正解で1ポイント獲得。

  • 誤答でマイナス1ポイント。

  • 10ポイント先取で勝利。

これをなぜ「ニューヨーク」と呼ぶかというと、「アメリカ横断ウルトラクイズ(1977~1992,1998)」というクイズ番組にまで歴史を遡る必要がある。アメリカ各地を旅しながらクイズに挑戦、負けたら即帰国。その最後、ときに1万人を超える参加者から勝ち残った2人が戦う決勝の舞台がもっぱらニューヨーク州であり、1対1の対戦で採用されるルールがこれだった……というわけ。

なお、本番組でほかにも行われる早押しクイズでは多くで「正解+1/誤答-1」の基本ルールが採用されており、決勝だけ10ポイントという高いノルマが設定されている。競技クイズでしばしば、勝ち抜けポイントを7にした「7NY」という変形を見たことがあるが、この場合は「正解+1/誤答-1」という部分に「ニューヨーク」の本質を見出されていて興味深い(原典にあたれば、どちらかというとニューヨークをニューヨークたらしめているのは『10ポイント先取』の部分ということになる)。

up-down(アップダウン)

競技クイズのルールのひとつ「アップダウン」の基本形は以下の通りと考えている。

  • 正解で1ポイント獲得。

  • 1回目の誤答でポイントが0になる。2回目の誤答で失格。

  • 10ポイント先取で勝利。

クイズ大会「abc」では初回から3rd Roundのコースのひとつに据えられており、この大会で形式を認知した人も一定数いると思うが、こちらも発祥はテレビ番組にある。
「アップダウンクイズ(1963~1985)」では、6人の参加者が早押しクイズに挑戦。ルールは、「失格後、誤答かスルーとなった問題へ正解すると復帰できる」というものがある以外はほぼ上記のまま。実際に上下動するゴンドラに乗ってクイズに挑み、一番上(=10問正解)まで到達するとハワイ旅行が贈られるというものだった。

これを改変したものが「abc」で採用されたという事実は、「abc ~the first~」の公式サイトにも記載がある。

「abc ~the first~」公式サイトより引用

アタック風サバイバル(アタサバ)

競技クイズのルールのひとつ「アタック風サバイバル」の基本形はない。共通していると思われる事項は概ね以下の通り。

  • 全員がポイントを持ってスタートする。

  • 正解でほか全員のポイントを減らす。

  • 誤答で自分のポイントが減る。

  • ポイントが0以下になると失格。

競技クイズの場面では上記にさまざまな設定・アレンジが加えられている一方で、「アタサバ」の呼称が共通して使われることもまた多い。やはりこれ(というか、今や名前だけ)の由来もテレビ番組にある。
「パネルクイズ アタック25」で1989年から1991年まで不定期に行われた特別企画「100人の大サバイバル」では、4つの解答席はそのままに1チーム25人での団体戦が実施。各チーム1人ずつが席につき、正解者以外の3名は都度チームの次の者へ交代する…という形式が採られ、パネルの取り合いと並行して「25人が全滅した場合は失格」というルールが追加された。これが「アタック風サバイバル」の「アタック」の所以である(『風』の文字が脱落した『アタックサバイバル』の呼び名も見られるところから、名前の由来を『他者を攻撃するから』と思われている可能性を考察している。もっとも、『アタック風サバイバル』という呼び名自体の由来はわかっていない)。

今では「正解でほか全員のポイントを減らす」というところ程度が「アタック風サバイバル」に通ずる構成要素で、前述ふたつのルールよりだいぶファジイになっていると思う(強いていえば、『誰かひとりを指名してポイントを減らす』とかになったら『アタサバ』とは違う?)。

まぁ……

ここらへんって知ってたら面白いけど別にこの番組とか企画とかって今やってへんししゃあないよなぁ!!!!!!!!!!

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