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人は『居場所』を探し続ける

あなたには心の安らぐ『居場所』がありますか?
その『居場所』はどこですか?

『我が家』と答える人がもっとも多いのかもしれませんが、学校、職場、趣味のサークル、図書館、美術館、行きつけの喫茶店、行きつけの焼き鳥屋やバー、公園のベンチ、ネットカフェ等々、人それぞれかもしれません。

『居場所』とはただのスペースなのでしょうか?

例えば『我が家』と答えた人は、家族も含めているのかもしれません。家族と一緒に暮らす家が居場所。それなら、一人暮らしの場合、自宅は居場所になりえないのか。決してそんなことはなく、もちろん一人でホッと落ち着く場所も居場所だと思います。我が家を居場所としていた人でも、家族とはいえ、関係が修復不可能なほどこじれてしまったり、突然、家族が居なくなってしまったら、そこは居場所ではなくなってしまうでしょう。

家族であれ、家族でなくても、適度な距離感を保ちつつ、人と触れ合える居場所を人は求めているのではないでしょうか。先日のニュースで、名古屋に『ドン横』と呼ばれる若者の居場所があることを始めて知りました。ディスカウントストア『ドン・キホーテ』の横、通称『ドン横』が、そこにたむろする若者たちによって事件が引き起こされるような危険性を伴う場所であっても、思い思いに若者が集まる空間。そこも彼らにとっては、れっきとした居場所なのです。おそらく全国の至るところに、私たちの世代が知らないそんな場所があり、どんなにSNSが普及しても、メタバースの空間が広がったとしても、人は居場所を求め続けるのだと思います。

あるNPO法人が運営する、児童養護施設や里親家庭から自立した『ケアリーバー』と呼ばれる人たちのための居場所に行ってきました。私はこれまで、その法人の活動を支援してきましたが、居場所を訪れたのは初めてでした。イベントやセミナーで会ったことのある若者たちが、一人、また一人と集まってきて、ボランティアも含めたスタッフが迎え入れる。スタッフと若者が近所のお店に夕飯の食材を買いにでかけたり、夕方近くなると料理ボランティアさんが来られて若者と一緒に料理を作り始めたり。私は、そこまででその場を離れましたが、おそらくその後も、みんなで夕飯を食べて、後片付けをして、また少し談笑やゲームをして、あまり遅くならない時間にはそれぞれの家に戻っていく。そんな居場所でした。

どんな人にも居場所は必要なはずなのに、「居場所が無い」と答える人は少なくないのかもしれません。だからこそ、先日訪れた『子ども食堂』もそうだし、前述した『ケアリーバー』のための居場所も、いずれも大事にしていかなければならない、あらためてそう思いました。

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