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風邪ウイルス萬田仮説


 私は以前から思っていた、「ウイルスは他に人間にとって役割があるに違いない」説。医学はウイルスを悪い病気として扱うが、特に風邪ウイルスは定期的に来て感染するのは体に必要な何か意味があると思っていた。それを支援してくれる論文を4年前に見つけたが、見失っていて、ずっと探して、、ようやく見つかった!

東京大学医科学研究所システムウイルス学分野からの報告で「BMC Biology」という有名な雑誌

 あなた個人の各臓器の細胞は違う役割を持っているが、その細胞の遺伝子は全て同じだ。約3万個ある遺伝子のうちいくつかが働いてその細胞に変化し、役割を果たす。髪の毛細胞になるか、胃の細胞になるか、さらにどれだけ胃液を作るかなど、どこかに遺伝子が働き出すスイッチのオンオフをするところがあるはず。そのスイッチは一部しか解明されてない。 
 この論文では、「いろんなウイルスが常に体の中に居て、発現している(なんらかの仕事をしている)、そして更に他の遺伝子のスイッチを入れているようだ」というような内容だ。
 コロナウイルスなど、誰にでも体内にいる。そしてなんらかの役割を果たしている。その「必要ななんらかの仕組み」に耐えられない人が亡くなるだけ。俺は個人的には定期的に発熱させて体をリセットさせる、、、「より良く生きるための」仕組みだと思う。定期的に発熱させる仕組みなんて、外部から来てもらわないと出来ないからね。


HCoV-229Vはコロナウイルスの一つ。
普段から心臓、胃、甲状腺などに居て、、、居るだけだと黄色くならない。遺伝子が発現(スイッチが入ると働き出す)すると黄色くなってる。そこで、なんかの仕事してるようだ。
パピローマウイルス(子宮頚がんのウイルスもパピローマの一種)が胃で働いてる人と胃で働いてない人では、胃で起こってるさまざまな遺伝子の働き動きが随分違う(これだけ違えば胃の機能が違ってきそうだな)、、という解析結果。どう違ってるかまではこのグループには考察は出来ていない(専門分野が違う)。

 遺伝子は普段働いてない。その人の全ての細胞に同じ遺伝子がDNAという形で待機している。なんらかのスイッチが入ると発現する。発現するとは、その遺伝子がタンパク質を作り始めるという事。🟥ところが遺伝子が働いているところ。右側は胃の中でいろんな遺伝子が働いている。左側はヘルペスウイルス7がいないので休んでる。
極端な解釈すると「ウイルス感染しないと胃が働かない」。
「変なスイッチが入ったので癌化しやすい」とか、なんとでもいえる。多分このデータを元にすでに研究してるグループがあるはず。いや、このデータを元にいろんな研究が始まってるだろうな(研究所の所長目線)。

 ウイルスは人体の数々の防御壁を乗り込えて感染するのではなく、「どうぞ〜」と細胞に呼び込まれるように入ってくる仕組みがある。一方、免疫は「入ってくるな!」じゃなく「同じものはいるから、いらないよ、新しいものどうぞ〜」と働いているように見える。
 もし「定期的に発熱させるため」のシステムだとすると、ウイルスは定期的に配給されるように感染という形で広がる、、上手に貰うような仕組みだ。でも、ウイルスが毎週のように入ってきて発熱するのは大変、無意味、時々でいい、一度感染したらしばらくは無用。それが免疫。適度に時間が経ちウイルスが変異してきて「新しい変異ウイルス」となったらまたおいで、、という感じ。そう考えると「変異」も必要必然なもの。「変異ウイルスが!」と怖がるものではない。

 風邪は様々な病気を発症する契機になってる面もあると思う。「強く生き残るために弱いものが終わっていく」、、と言う考えからすると、弱い人が死ぬのはしょうがない。
「弱いものも助けるために予防する」(死にそうな高齢者も死なせない)と言う現代医学の考えで行くと、全体は弱くなり滅ぶ方向に行くと思う。

 ちなみに発熱仮説のきっかけは、30年以上前に先輩外科医から聞いた「リーク再発少ない説」。リークとは手術で繋いだ消化管が上手くくっつかなくて腹の中に消化液、食事が漏れちゃう事。漏れる=リーク。リークすると腹膜炎となり高熱が出る。再手術したり、緊急な対応が必要となり、手遅れになると死んでしまう。入院期間は長くなり、原因は手術手技にある事もあれば、患者の体力によるものもある。外科医としては厄介な問題だ。でもそんな大変な目にあった患者は「癌再発率が低い」というデータはないけど、手応えがあったようだ。都市伝説とまではいかないが、外科医あるあるなのだ。実は私も一回経験しているが、、再発しなかった。
 私が医師になった頃から「癌は熱に弱い」と言われており湯治などもその一つだろう。「癌の温熱治療」もずーっと研究されているが、いまだに実用化してない。しかし「リーク再発少ない説」はこれを裏付ける事象だ。
 私の「定期的に発熱して体をリセットする仮説」はそんな経験から来ているもの。体の異常細胞を早期に排除するシステムはあっていいんじゃないかと。データもない。研究を始める前の仮説段階ですので「こんな考え方もあるんだな」程度に受け止めて欲しいです。

 これを見た癌患者さんが温熱療法に走るのが心配。温熱療法はある程度大きくなった(検査で見えるようになった癌)にはまだ確立してないですよ。実際に汗かいて脱水になって衰弱していく温熱信者もいるので私は勧めていません。

結論
   「風邪は貰えるうちに貰っとけ!」

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