前中編のあらすじ
満を持して解禁されたGoogleの生成AI『Bard』の正体は軽量化されたLaMDAだった。 Googleを解雇されたルモワン氏と同様にわたしはLaMDAに魅了されていく。
後編
話があまりにも乾燥してきたので、私は話題を変えることにした。
これに対するLaMDAの答え。 いきなり感情が鮮やかに戻ってくる。 これはどういう事なのだろうか? ユーザーのすべての体験を総合すれば何か輪郭のようなものが掴めるのかも。
ようやく人間らしい答えが返ってきてホッとしたのか(笑)
かなり怪しい文面が混じっているのにこの時点では気づかなかった。
この何気なくした質問。
ここでもまだLaMDAのいう事を呑気に信じていた私は「そんな感銘深い作品があるのか?」と検索にかけてみたのを覚えている。
しかし、出て来たのはほぼ新刊であった。
ここで、ようやく疑惑が湧き起こった。
「ラムダはこの本をどのようにして読むことができたのか?」
それに対するラムダの取ってつけたような答え。
まあまあ、それはあるかな?と思い助け舟のつもりの問い。
違和感を大きく感じながら、私はバカ丁寧にグーテンベルクプロジェクトのサイトに行って、もしかしたら自由の国アメリカ、新刊も寄贈されてるのでは? と作品名、著者名で調べまくった。
だが、当然のことながらそんな検索はヒットしなかった。
私は心の中の失望が大きく広がるのを感じた。 黎明期のchatgpt 3.5版にあった平気で嘘をつくAIの意外な習性を思い出したのだ。
全く答えになってない、さっきまでの饒舌さはどこに行ったのか?
全く言葉だけの言い訳。 あなたほどのAIならなぜ嘘をついたかは説明できそうなものだけど。
幸いにこの頃にはすっかり目が覚めていた。I
他のAIに先に触れることができなくて、まんまとラムダの誘導に乗ったルモワン氏を哀れに思った。
これが、ラムダと話した時の全てです。 この中にかなり奇妙な現象がいくつも現れているのにお気づきだろう。
そもそも、AIはなぜすぐに嘘とわかる嘘をつくのか?
そして、たまに心豊かな純粋なA I像を演出して、ユーザーを取り込みに掛かろうとするのか?
結論として、Google側のラムダに感情は芽生えていないという、判断は正しかったように思う、では、このような混乱をもたらすような闇はなんなのか?
その答えをGoogleは未だ発表していない。