なぜか惹かれる【救いのない物語】
昨秋公開された、水木しげる生誕100年記念映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』がAmazon primeで見られるようになったので、子ども向けにポップになった現代の鬼太郎ではなく、初代のおどろおどろしい鬼太郎世代としては興味をもって早速観てみた。
小学校に上がったばかりの時に公開された鬼太郎よりも、ずっと洗練はされていたけど、欲望渦巻くあの世界線が蘇っていて、まあ面白かった。
YouTubeの東映アニメーションのチャンネルで公開されている、墓場で生まれる鬼太郎の話とは、また違った描かれ方をしていたけど、どちらも良い。
詳細は、公式サイトを見ていただければ↓
それにしても、『八つ墓村』や『犬神家の一族』と同じように、村の秘密に隠された人間の醜さと底なしの欲望…全く救いのない物語なのに、なぜか魅了される。
幽霊や妖怪なんかよりも、人間が一番醜くて気持ち悪いと感じる物語なのに、同じ人間として惹かれるのは、自分の中に同じものが潜んでいるからだろうか。
作り物であるという安心感に、日頃は理性で抑えているどす黒い欲望が、妖気を察知する鬼太郎の髪の毛のように、反応するからだろうか。
きっといずれも正解だろう。
欲望を持つ人間は皆、きっと紙一重のところで生きている。
とりあえず、鬼太郎の二人の父は、カッコよかった♡
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