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瞼のたるみとダイバーシティ

まぶたが弛んできて、眉毛に力を入れて目を開けるようになってきたから、おでこに皺がよるようになった。眼瞼下垂の手術でもしてもらおうかと美容外科に相談にいった。
結果、眼瞼下垂の適用にはならなかったけど、皮膚のたるみで目が開きづらい人はたくさんいるみたいで、そういう場合最近では埋没二重にして、さらに数ヶ月後してから眉毛の下の皮膚を切除するか、おでこの皮膚を切除するかの施術をするのがおすすめらしい。切開する二重はハム目(ガチャピンみたいな目)になっちゃうからあんまりおすすめではないらしい。

なるほど、じゃあそれでお願いしますと、ちょいちょいと瞼を数点糸で縫ってもらった。内出血して片目がボルドーのアイシャドー塗ったみたいなモードなメイクしている人みたい。40代で二重手術かぁとひとり苦笑しながら、しばらく人に会えないなぁとスケジュール調整していたのにブッキングミスで、瞼を縫った翌日に友人数名とがっつり会う約束をしていた。まぁかなり仲良しだし、仕事の相談的な話もあるということで、腫れているから見苦しいけどごめんと先に伝えて会食がはじまった。

「へーーーいいじゃん!Facebookの顔に近づいたねーw w w」(アイプチされた上にフォトショがっつりの詐欺写真)
「そういえばうちの娘も今度就職する前に二重の幅を大きくする手術するのよー。私がお金出すんだよーもー!」
「あはははは〜!」
「そういえばこの間ねー」(と違う話がはじまる)

友人らの反応は、私の想像していたそれとは違って、まるでイボの一個でもとってきました的な軽ーーーーいものでいい意味の驚きがあった。
高校時代、誰かが二重にしたなんてわかろうモンなら後ろ指さされてしばらく話題になったものだが。

その後も、私の目の上の皺が一本増えようが、そんなことは誰も気がつかない。これもうれしい驚きだった。そう。誰も人の顔のことなんて気にしていないのだ。

唯一気がついたのはビデオ通話した父親くらいだった。なんでそんな今日は目が濃いのさと。

私:「時代は変わったと肌で感じたよ。二重になるなんていぼ一個取るくらいなんでもないことみたいなことになったみたい。」
パパ:「寛容的ないい時代になったね〜。世の中がいろんなことを受け入れるようになってきたってことだよ」

そうか。これが多様性かと腑に落ちた。
確実にいい時代になったのだ。

最近、ジャニーズ事務所の姓加害の問題や、歌舞伎役者のハラスメント問題からの自殺未遂事件などが世間を騒がせている。
数社メディアの方から問い合わせがあり、第三者機関を設置しないことについて専門家としてどう思うかなどの意見を求められる。
そしてこういう場合企業としてどう対応すべきなのか?と聞かれる。

常々、こういう時に批判だけコメントするような専門家になりたくないと感じる。
正直、企業は対応したいように対応すればいい。その対応が誰かの不利益を被るものだったり、場当たり的なものだったり、整合性がとれていないものでなければ、好きなように対応すればいいと思う。(問題は多くの企業でそれが結構難しいことなのだが)
そして批判するくらいなら、どうすれば事態を機会と捉え好転できるのか、そこに焦点を当てて論じたい。

2011年に他界したイギリスの国民的司会者ジミー・サビル氏が膨大な数の性加害を加えていたことが明るみになったことがきっかけで、彼がBBCの支配的位置にいたため、彼のスキャンダルを扱うことがタブーとされていたとしてBBCの経営陣がその責務を負う事態に発展し、公共放送局としてクリーンなイメージに路線変更するという流れで、今の日本でシャニーズ不祥事をめぐる報道加熱につながっている。

今後も確実に、権力や影響力のある経営層の不祥事は明るみになっていく。私たちはこうした世界潮流の流れをいち早くキャッチして、自社の役員が同じような事態に陥るリスクがあることを第一に考えることが必要だと思う。

もし問題が明るみなったとしても、その問題に対して取り組みを、先行する好事例になるような対応を真摯に行うことが何よりの希望になるだろう。

そうやって、弱者やマイノリティ、はたまた瞼のたるんだ人にとって、確実に寛容な生きやすい良い世の中になっていくのだから。

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