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新刊の企画から入稿までの地獄

こんばんはらいらです。

前回の記事からひと月以上経っていたようですね。我々はあれ以降もずっと戦い続け、ついこの前、9/24に入稿が完了しました。

今回は、裏話というか、我々のこの一年の戦いについて書きたいと思います。

企画が持ち上がったのはおおよそ一年前、「幻想郷を作るためのキャラクター解釈入門」(以降、入門)の製作の終盤だったと記憶しています。サークルメンバーのつづらさんが蓮メリの本を作りたいと申されやがったのです。つづらさんは我々のサークルへ2022年の6月に加入し、新しい風を吹き込んでくれると確信していました。そう、こういう風を吹き込んで欲しかったんだよ。そう私は考え、GOサインを出しました。

当初の計画では入門の次である2022年の冬コミで頒布する予定でした。しかし、つづらさんに製作してもらったたたき台を見て確信します。秘封倶楽部は手を出してはいけなかったのかもしれない。東方Projectのキャラクターは基本的に元ネタがあったり、逆に完全に現実と切り離されていたりと比較的書きやすいものが多かったです。入門はライトなキャラクターの考察であり死線は潜りませんでした。今年の5月に頒布した「妹紅完全詳解~1300年の歴史を紐解く」(以降、妹紅本)は元ネタがある程度はっきりしていて書きやすかったです。これはこれで死にかけたのですが。一方、秘封倶楽部。近未来の描写がブックレットに少しずつ散りばめられているだけ、確かに読むだけなら気持ちよく読めるし妄想も広げられるからいいかもしれない。しかし、これをまじめに考察するとなると難航を極めるに違いない。

予感は当たりました。何を手繰れば考察できるかわからないのです。どうやっても小学生並みの感想しか出てこないのです。私は途方に暮れました。どうすればいいんだろう。。。当初、私は秘封倶楽部を詳しく知りませんでした。なんか、そういうブックレット作品があるらしい程度の認識でした。ちゃんと世界観を理解し、原作者の描いていた時の心情を理解し、根拠を持ってこの作品に向き合わなくてはならないと感じました。

今日まで、ブックレットがボロボロになるまでストーリーを見直し、何度となく国の膨大な調査結果を読み解きました。原作に対する理解と、科学世紀という近未来を公式な情報として取得したいと考えたためです。

まだ、皆さんからの感想をいただいていない状態で書くのもなんですが、この作戦は成功しました。ZUNさんが思い描く近未来の科学世紀と日本が未来に描いている光景がある程度一致していたのです。ブックレット中に記載されている未来を想起させる文言を抽出し、日本の現在と未来を比較しその世界は具体的にはどのような暮らしになっているのだろうか。掘り下げられるだけ掘り下げました。正直、もう掘り下げられない。最終的には、世界の未来予測を読みました。国の統計データを読みました。大学の講義資料も読みました。英語の論文も読みました。正直、こんなに膨大な時間のかかる苦行を同人活動で行うとは思ってもいませんでした

結果として、私を含めサークルメンバーの寿命はおそらく少なからず削れましたが、満足のいく一冊に仕上がったと思います。

ここで、皆さんにお伝えしなくてはなりません。
今回の「秘封倶楽部完全詳解 - 今、わかるコトから科学世紀を紐解く -」は我々atlatszoが作成した同人誌の中で最高傑作であり、得てして読了するための難易度はそれなりに高くなっています。歴史から美術、地学、物理学まで幅広く、限りなく根拠を明示して事実を整理した上で、私たちの考えを記載しています。量も前回の妹紅本と比較になりません。校正作業の際に頭から最後まで読むと全体で5-6時間ほど要しました(妹紅本は1-2時間程度)。それだけの内容がぎっしり詰まった同人誌になります。

私たちはもともとコスプレを通じて同人活動をしていたコスプレイヤーとカメラの集団でした。ところが完成品を見てみると、文章とイラストばかりでコスプレ写真は気持ち程度しか掲載されていません。なんで、こうなってしまった? いや、秘封倶楽部を解釈するためにはどうしても必要だったんだ。

そんな、私たちが命を燃やして作った「秘封倶楽部完全詳解 - 今、わかるコトから科学世紀を紐解く -」。皆さんの考察の足がかりとして手元に置いていただけたりすると嬉しく思います。

お楽しみに。

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