見出し画像

ハンドメイド作家 一年目の頃にやったこと

Petit écrin étoile(プチエクランエトワール)のeriと申します。ロリータファッションのヘッドドレスやアクセサリーを製作しています。

大好きなおしゃれで人と関わりたい、幼い頃から好きだった手芸を活かしたい、という思いより販売活動を初めて2年半になります。
今回は1年目にやっておいて良かったことや乗り越えたことを中心にお話します。

ハンドメイド作家はどんどん増えていると聞きます。私もそのうちの一人です。そして増えた分なかなかうまくいかず心が折れて活動を辞めていくという方も多いと聞きます。
私も何度か活動を続けるか悩んだことがあります。活動を通じて知り合った方の中にも何人もの作家さんが活動を止めていたり、辞めている様子を見て寂しいとも感じました。
もちろん事情は様々かと思いますが、もし、ものを作ること自体が悲しい思い出になってしまったら嫌だなと思ったので何か少しでもお役に立てることがあればと考えています。

一年目に主に力を入れて取り組んだことは
・新作を作り、商品レパートリーを増やし続ける
・勉強をする
・ブランディングを意識する
・SNSを更新する習慣をつける
・劣等感と戦ってモチベーションを保つ
(これの項目が一番長いかも)
です

書いているうちに熱がこみ上げてきてかなり長くなってしまいました。「あとで読む」等に入れてお時間のある時にお読みください。まだまだ販売活動はひよっ子である分駆け出しの方や悩んでいる方と比較的近い目線でのお話が出来ることが本記事の強みかと思っております。
(ノウハウ記事ではなく経験談や個人の考えを書いています。また、情報の販売等の予定は現在ございません)

お恥ずかしながら私は最初の半年間のうち4ヶ月が売り上げゼロでした。作っても作っても在庫が増えるだけの一方でした。
知名度もブランド力もない中でしたが、イベント出展の際にありがたくも少し手に取っていただくことができ、同時に嬉しい出来事もあり、「もう少し続けよう」と思いました。そしてそこから何度か挫けかけながら踏ん張りつつ1年目を過ごしました。

私の1年目は赤字で終わっています。しかしその分時間に余裕があったため製作以外のことにも力をいれた年でもありました。以前に書いた記事のように時間をかけて通販ページをみなおしたり、写真や文章の練習をしました。

当初の予定と変わりイベントが中心の活動へと変化したものの様々な取り組みが実ってきたようです。2年目に入った頃より徐々に売り上げが立つようになりました。
3年目の現在は少しずつリピーター様も増え、前職のお給料くらいの売り上げになる月もでてきました。経費や材料費を差し引くと手元にあまり残らずまだまだ胸を張ってお仕事とは言えない段階ですが、ブランド・クリエイターとしての成長を大きく実感しています。

結論として「続けること」が上手くいきはじめた一番の要因だと私は思っています。
新作を定期的に作り続けること、SNSを定期的に更新し続けること、決めた取り組みや学びを続けることなどです。

新作を作り、商品レパートリーを増やし続ける

クリエイター活動をお仕事にしたい、ブランドを大きくしたい、と思った時にはただ好きなものを作るだけではなく、誰かに買っていただかなければいけないのだと、当たり前のことですが活動を初めてから身に染みて感じました。
作ったものがすぐには売れなかったため、売り場の再検討やSNSの活用等を行いながらも商品レパートリーの充実を考えました。
売り場を充実させることで「お店」が出来上がっていきブランドの世界観が伝えやすくなること、お客様がお店を見てくれる機会・時間を増やすことを期待しました。
当初から一点物は作らない方針と決めていたため「何か月に1シリーズ以上発表」の目標を作り製作に励みました。

商品レパートリーを増やした狙いのもう一つに、早期にブランドの方向性を決めたかったということがあります。

現在私のブランドは「ヘッドドレスを作るブランド」としていますが、1年目はアイテム特化のニッチな方向性で進むことに不安がありました。「ヘッドドレスをメインにするのか」「ヘッドドレスも作るのか」、そしてどんなヘッドドレスを作るのかをかなり迷っていました。
そこで一定の期間をお試し期間だと考え、様々な方向性で作品を作って反応を見ながらブランドの方向性を模索することにしました。

上手く言葉で説明できないのですが、こんな感じの図を頭に浮かべています。まず①+③の商品を作ることも大変です。何のデータも実績も持っていない中で最初から③を狙うと②の池に嵌ってしまいそうだなと思いました。最初は実際に作りたいものを作り、商品レパートリーを増やしながら自分の引き出しの中から③を探っていく作業をしていきました。
アイテム毎というより、アイテムに含まれる要素を分解し、その単体や組み合わせたものをマッピングしていきました。「刺繍」「薔薇」「チュール」「赤」などの技法やモチーフ、素材、色、テイスト等の要素が中心で、組み合わせは例えば「刺繍×薔薇」「赤×チュール」等です。作り手やそのターゲットによってどんなものが求められるのものなのかは異なると考えます。
初期は購入数自体が少なかったため、アクセス数やSNSの反応数(いいねがない時期は詳細クリック数)、イベントで検討いただいた際の反応、委託販売等で関わってくださった方の感想などを拾い集めていきました。
特に委託販売はスタッフさんの客観的な意見や私が直接聞くことが出来ない感想を聞くことが出来ました。1つでもいただければ大きな収穫で、手数料の価値はここにもあると考えています。

初期は販売して半年以上動かなかったものが突然急に人気商品になったことがあります。その経験から要素を諦めるのではなく、集めていく意識で現在も継続しています。

③はずっと同じとは限りません。流行りで変わるし、技術の向上によって広がりも出ると考えています。

技術や仕入れ力が上がれば黄色が広がり、副次的にピンクも広がりそうです。
市場・流行の調査をすることで青を見つけやすくなると考えます。

「技術を磨いても売れるようにならない」というノウハウを時々みますが、③が広がるのだから意味のあることだと私は思います。
私は黄色とピンクの部分を広げたいと考え、時々少しずつでも実験的に新しいことをしたり新しい要素を取り入れようと決めています。

勉強をする

「ハンドメイド作家」は名乗れば誰でもなれるけれど、商いとして行うために必要な知識が意外とあることに気づきました。そこで子供の頃大嫌いだった勉強を頑張ってみることにしました。以前の記事で書いたような写真や文章の練習も込みで行っています。
学んだ項目の中で後々苦しい思いをしないようにおすすめしたいのが
・著作権関連
・税金や確定申告関連
についてです。

特に著作権関連は触れてしまうと私だけでなく他の人をとても嫌な気持ちにさせてしまう可能性が高いです。
知ってるつもりにならないよう学んで、現在も時折見直し・少しでもわからないことは都度調べるよう心がけています。

個人的にやっておいて良かったと思う勉強はExcelを使えるようにしたことです。
私のレベルがまず「計算ができるソフトだとは聞いた」程度だったためマス目への入力から少しずつ覚えていきました。
今は動画で一緒にワークしてくれる時代です。かなり助かりました。

私は確定申告の勉強とセットで経費等を入力しながら学んでいきました。(当時あまり売れておらず暇が多かったからこそゆっくり覚えるチャンスでした)
同時に在庫管理もExcelで行うようになりました。
これが便利だったのはPOPUPなどの委託販売に参加した時です。納品書等がデジタルで提出のことが多く、Excelの表に入力する様式が殆どでした。
日頃在庫管理をExcelで行うことで自分の在庫表を確認しながらの納品書作成ができ、入力ミスの予防に繋がっていると考えます。
学び始めて2年後、企業様と連絡のやり取りをした際はExcel入力や書類作成ができることを前提で話が進んでいったことがあります。パソコン音痴だということに甘えずある程度できるようにしておいて良かった、と心から思いました。

ブランディングを意識する

ブランディングはその言葉の意味を調べるところから少しずつ学び、意識して取り組んでいます。私は「どんなブランドだと思われたいか」の像をイメージし、それに近づけるよう行動していくことと解釈しました。

例えば一年目の私は『休みの日のおしゃれを思いっきり楽しめるブランド』と設定しました。
初期の頃は写真もまだ上手く撮れず、商品数も少ないため先輩作家さん達のような世界観を演出することがまだ難しい状態でした。
そこは頑張って練習を積むとして、当時の「今できること」考えてルール化しました。

当時は「休みの日」「思いっきりのおしゃれ」から「非日常」という言葉を連想し、生活感をまずは消すことから始めました。
例えば
商品を運ぶためのカバンはなるべく無地の黒・グレー・紺のものを使用する
SNSでは自分の料理や生活に関する投稿を少なくする
等です。
意識の部分への行動やすぐに実践できることから始めて、活動への慣れと同時に項目を少しずつ増やし・見直していきました。
たとえ小さくても決めたことを無理なくやり続けることも立派なブランディングの行動だと私は解釈しています。
そしてこの理想の像については変える変えない関わらず、現在半年〜1年に一度は見直しを行なうように決めています。

活動に慣れて写真の技術向上を実感したり、作品作りの方向性が定まってきた頃に「表現したい世界観」と「どんなブランドだと思われたいか」を擦り合わせながら考える作業を開始しました。(だいたい活動9ヶ月〜10ヶ月あたりでした)
これが上のように言語化していくのはあまりに難しかったため、私は「色」を軸して考えることにしました。
ブランドカラーを決め、毎回そのカラーを頭に浮かべながらお知らせのデザイン、写真の雰囲気、紙物作成、イベントのディスプレイなどに反映させていきました。

カラーは三色決めました。一色だけだと他のブランドさんと似通ってしまうので、三色なら負担なくブランドの個性を出すことができると考えました。私はこんな感じで決めました。
①ブランドカラーとして一番初めに思い浮かぶ色
②お客様の多くが好きそうな色と①の間の色
③私が好きな色と①の間の色
パソコン等で出てくる色のパレットを使って選び、そのカラーコードを控えています。

活動の中でもこの3色のイメージを様々な場面で反映させるよう努めています。
例えば私のイメージカラーは3色とも彩度の低い色を設定しています。
決めた色に対し少し無機質なイメージを持っているため、SNSでの全体に向けたお知らせ等には少しあっさりした言葉遣いを心掛ける等しています。

こちらも少しずつできることから続けて、少しずつ増やしていきました。決めたことはルールブックのようにパワーポイントにまとめ、都度見返せるようにしています。
個人で活動しているため、方針はいつでも見直せる・変えられるものだと考えています。

これは個人的に思ったことですが、「ブランドを継続していく」ということも強力なブランディングではないでしょうか。"老舗"という言葉がある通り、続くことはそれだけ価値があることなんだと思います。
私は頭がこんがらがったとき、自分の取り組みに自信がなくなってきたときは「現状続いているんだから大したもんよ」とこれを自分自身に言い聞かせています。

SNSを更新するくせをつける

一年目はSNSの面では何より更新頻度を保つことを意識し、考えました。
これは以前もネットショップの記事でお伝えしたのと同じく「ブランドが現在進行形で動いている」ことがわかるようにするためです。
フォローしてくれた方がフォローをし続けてもらえるために、また、アカウントを見にきた方に投稿を遡って見てもらうためには「ちゃんと動いているか」が前提にあると考えたからです。

またその反対に情報が伝わりやすくなるよう、投稿数をむやみに増やしすぎないようにもしました。
私は買い物する側の時は普段好きなブランドのアカウントをフォローせず、必要に応じてブランドさんのアカウントやサイトにアクセスし、情報を得るタイプです。(自分でアクセスをすることにわくわくするからです)
もちろんフォローしていただいてお知らせが届きやすい状態にするのがベターですが、私のような方がいつアカウントを訪れても伝えたいお知らせが見えるようにと考え、投稿頻度を多すぎないようにとしました。

自分で商売をするのはこれが初めて、商売のためにSNSをするのも初めてです。私は発信自体に慣れていないため指針を決めることにしました。

まずは投稿頻度の目標を決めました。
・Twitterは最後の投稿から3日開けない
・Instagramはなるべく3日に1回以上は通常投稿かストーリーズを更新する
・特別お知らせ等がなければ1日10投稿を超えないようにする

1年目はこんな感じでした。当時はまだ写真に自信がなく、商品も商品写真も少なかったのでInstagramを甘めに設定しました。

そして投稿内容の優先順位をざっくり決めました。(ここからはTwitterで私が決めたことを書いていきます。)
お知らせ>商品紹介や製作過程>製作や活動に関連したプライベートな話>>全くのプライベートな話

最初の数か月間の私に口酸っぱく言いたいことなのですが、お客様はエスパーじゃないし、お母さんじゃないです。お知らせがあるならちゃんとお知らせをしないと知ってもらえないし、前も発信したから・数日前に予告していたからって把握して覚えてくださっている方ばかりではありません。
知って欲しいことがあるならしっかりお知らせ・発信するくせをつけるべきだと私は考えます。

製作や活動に関連したプライベートな話題とは私で言うと例えばお花を見た・動物園や水族館に行ったなどです。
私はお花や生き物をモチーフにしたアイテムを多く作っています。「好き」を発信し、見てくださった方と好きを共有することも楽しみにしたいと考えて投稿することにしました。

プライベートや「中に人がいる」感のある投稿をすることでアカウントの固さをほぐし、お客様によって問い合わせ等がしやすくなる方がいるといいなと思い、私はブランド発信の邪魔にならない程度に取り入れることにしました。
とは言え初期からこの活動一本に集中した生活のためあまり書くことがなく、たまにお出かけしたことや好きなゲームの話や最近見たドラマ等の話題が多いかもと思います。
「今日は投稿の話題が見つからないな」「最近宣伝やお知らせが続きすぎて固い雰囲気になっているな」と思った時の投稿にしています。

次に「やらないこと」を3つ決めました。投稿内容がうまく思いつかず迷子になった時に後から後悔するような投稿をしないためです。

私はTwitterではこの3つをNGとしました。
・食べ物の写真をなるべく載せない
・ネガティブな発信はなるべく控える
・トイレを連想させる話はしない
あくまでマイルールであり、人によって異なるかと思いますが、そう決めた理由も一緒につけます。

・食べ物の写真をなるべく載せない
特に自宅での食事は極力載せないようにと決めました。私はまだ何者でもないので私自身の生活に興味がある人は多くないと思うからです。
料理は載せ始めると止まらなくなりそうなので自分ルールで一応禁止としています。
例外として、この先食べ物をモチーフにした作品を作ったら作品と関連している食べ物を載せるかもしれません。
(旅行など「楽しかったから載せたい!」と思うものはnoteでまとめたり、一日で消えるInstagramのストーリーに乗せるようにとしました)

・ネガティブな発信はなるべく控える
私の作品の目指すところは「おしゃれを楽しむ日に、より気分を上げるファッションアイテム」です。そのため自分の気分が下がっているツイート、いわゆる"病みツイート"のような、見る人の気分が下がるような投稿をなるべく避けるようにしています。 (普段はかなり落ち込みやすいし不安になりやすい性格です)
作品が思うように売れなかった時、イベント等で嫌なことがあった時、ため息のように書いて吐き出したくなることもあります。このような衝動的に投稿したいと思うことほど下書き保存し一呼吸置いて見直しています。

・トイレを連想させる話をしない
個人的に最も気をつけていることで、生理関連のワードも可能な限り使用を避けています。受け手・受け取り方によっては作品の清潔感も損ねてしまう可能性があると考えたからです。
私は作品が思うように売れず時間が有り余っていた時期にアクセサリーやファッション系で有名な作家さん達と「売れない」とつぶやいている作家さん達を検索して何十人か見比べ、やっていること・やっていないことを挙げていったことがあります。意外な話ですが当時これが三本指と言っていいほどよく当てはまったと記憶しています。

※あくまで私の決めたルールです。食べ物の写真を載せている作家さんに魅力のある方は沢山いますし、病み系作品を作る方はどんなことでどう病んだのか発信するでしょう。トイレ関連の話題もサニタリーや生活用品の一部を販売する方にとって大事な発信テーマになりえると考えます。

これらの決めごとを頭にいれ、最初は迷ったりうまくいかずともSNSの頻度を保つくせをつけていきました。大切なのはたとえいいねがなくてもちゃんと続けること。まずは苦手意識を克服し投稿する習慣を作ることを目標にしました。
私は太字の「決めたこと」と補足を少し足したものをパワーポイントにまとめてルールブックを作り、迷ったときに何度も見返していました。

劣等感との戦い

絶対表に出さないぞと決めていたのですが、実は他と比べて勝手に落ち込んでしまう自分が活動の中での一番の強敵でした。一年目は売れる売れない以上にこれとの戦いに力を使いました。

私は前職で嫌な目にあった時期もあったため、ふとした瞬間に自信喪失モードになってしまうことがあります。今でも言われた言葉が急に心を襲ってきて体が固まったり苦しくなったりもします。
体調を崩してしまった時期もあり、自分自身でも性格やふるまい、物の考え方が大きく変わってしまったと自覚しています。言葉がうまく出てこず、モジモジとするようになってしまったのも大人として恥ずかしく感じ、これがまた「自分なんて…」の気持ちを大きくします。元々の性格よりもさらに落ち込みやすくなりました。

ハンドメイド作家としての活動を沢山の人に知ってもらうために始めたSNSですが、一年目はスマホを見ては不安になり、落ち込む日々の連続でした。
当時「いいね」が沢山ついた綺麗な写真の先輩作家さん達の投稿が沢山流れてきました。見れば見るほど憧れが育ちます。
けれど現実、フォロワー0人からはじめた私のTwitterはどんなに投稿してもなかなか人に見てもらえず、いいねがつくどころか閲覧数もおそらく私が見なおした分だけカウントされているように見えました。
Instagramもハッシュタグはどれをつけたらいいのか、使い方も全くわからないところからのスタートでした。
今では笑い話ですが、増殖していく孤独感や劣等感に辛くなり、主人に「フォロワーが増えないからフォローして」と頼んで「いいけど俺がフォローしてどうするの?」と返された事があります。

それからまたお恥ずかしい話、Twitterを開くと出てくる他作家さんの「完売しました」や「お迎えありがとうございます」などの投稿を見ることも当時とても辛かったです。フォローもフォロワーも少ない段階だとTwitterが勝手におすすめしてくるのでした。
おめでたいことのはずなのに当時の私は素直にそう思うことができず、嫉妬すらもできず、「他の作家さん達はキラキラしているのになんで私は…」とここでも落ち込んでいました。

自信をなくしていた時期ではイベントでも通りすがりの方の表情ひとつで「もしかして今、鼻で笑われた?」なんて勝手に被害妄想に陥ることもありました。早くからお客様が訪れている近隣ブースを見て勝手に恥ずかしい気持ちになっていたこともあります。

他人と比べても落ち込んでもしょうがない、今フォローしてくださった数人の方の存在にまず感謝すべきだし、他の作家さん達は頑張ってきたから今があるし、今の私は写真も製作も腕を磨いて人に知ってもらうことも頑張らないとこうはならないし、お知らせはちゃんと続けなきゃいけないし…、
頭ではわかっていても、どうしても人と比べて自分が劣って見えてしまう・辛くなってしまう気持ちは止められませんでした。

辛い話はこのあたりにして、途中からこの劣等感と戦うために私が考えた作戦が『現状について変えられることと変えられないことを把握してみるぞ作戦』です。辛いと思ったその事象を言葉で書き表し、コントロールできないものとできるものにわけました。

例えばこんなこと
「Aさんの新作のイヤリングの紹介ツイートに200のいいねがついていた。作品はもちろん、写真もAさんの世界観が溢れていて素敵だった。対して昨日投稿した私のイヤリングのツイートはいいねが0だった。自分には価値がないように思え、ハンドメイド作家は向いてない気がする。」

この事象のコントロールできないものの一例をあげます。
・Aさんが投稿すること
・Aさんの投稿内容(作品や写真の魅力を含む)
・Aさんの投稿へのいいねやリツイート
・私の投稿へのいいねやリツイート

コントロールできるものの一例
・私がSNSに投稿するかどうか
・私が投稿する内容
・私の製作や写真の技術
・私の気持ち

まず状況を言語化することと分けることで「しょうもない」や「しょうがない」が心にクッションを作ってくれました。そして分けた項目をよく見て自分自身の行動しか変える事ができないことを認識しました。
他人と比べて辛くなった時はこの作業を行い、「落ち込んでいる場合じゃないぞ、今月何か一つ良くしよう」と言い聞かせていました。
また、一般にはコントロールできないことの方が多いため、できないこととして挙げた数だけできることを探すようにしました。するとすぐに実践できそうなことが思いついたりしました。

こうやって気持ちの持って行き方を変え、やると決めた投稿やお知らせをまずは淡々と続けて、そして徐々に前向きに取り組めるようになっていきました。
2年目からはじめたこのnoteも特にメインの作品についての記事はそこまで多くのアクセスはありません。それでも続けられているのは発信に前向きな気持ちでいられるからだと考えます。

(勿論、沢山見て沢山反応してもらえるために何が出来るかを考えることもできるようになった方が良いのだと思います。しかし世にマーケティング・ウェブマーケティングというお仕事があるくらい、他人の行動を思う通りにコントロールすることは難しい話であるなと私は感じています。それから私の経験ですが意外といいねがなかった作品から売れることもあります。)

ちなみにこの『コントロールできるできない分け作戦』を応用して、一つしか作らなかった商品が売れた時に家で「完売した!!」と独り言を言って喜んでみたりしました。1個でも100個でも完売は完売です。私だって完売を経験しちゃえばいいのです。
一つ作って売って「完売した」と喜んで、二つ作って一つ売れて「あと一つで完売!」と喜んでみるようにしました。
(1個で完売作戦はバレたらちょっと恥ずかしいのでSNSへの投稿は強くはおすすめしません)

もしかしたらこの作戦、前職の辛かった時にも使えてた方法だったのかも、なんて思います。

それでもやっぱり辛さが止まらない時もありました。当時の私に伝えられるなら「一旦一呼吸置いてみて」と言いたいです。
苦しいと思いながら作業をしていると、その作業自体も嫌いになる可能性があります。私は一時期SNSのプロフィールを見直す作業が苦痛になりました。当時泣きながら無理矢理やっていたので脳が覚えちゃったみたいです。(今は平気です)
気持ちが辛い時の休憩の数十分〜数時間が活動を続ける上で大切になってくると思います。
一旦好きなゲームをしたり、推しを眺めたり、散歩をするなりして、気持ちを落ち着けてから作業に戻るのをお勧めします。

さいごに

今回のnote、実は最近のイベント出展でおそらく初めての赤字を出してしまったことから書くに至りました。(さっき売れるようになってきたなんて言ったくせに!)
気合を入れて仕入れをし、沢山商品を作り、意気揚々と新幹線に乗り泊まりがけで出展しました。けれどなかなか思うように目に止めてもらえず、接客中に嫌な思いをしたこともあったり、焦りと落ち込みが交互にやってきました。(そんな中ご購入・ご検討くださった方、応援のお言葉も本当に嬉しかったです。おかげで最後まで笑顔で過ごすことが出来ました。ありがとうございました)
普段の活動圏外だったこともありますが、ふと「1年目って確かこんな感じだったな」「あの時はまずはブランドを知ってもらおうって出来ないなりに色々頑張ってたな」と思い出し、初心を振り返ってみました。

ここ最近は製作ペースのことを考えることに集中しすぎていたのかもしれません。宣伝や告知も決めた分しかやらなかったし、そういえば経費の入力も結構溜めていました。製作は当然大事だし、製作を続けるためにそれ以外も考えること・頑張ることも大切だったなとしみじみ感じ、noteでアウトプットしながら自分に言い聞かせてみました。

だいぶ長くなりましたが今回もお付き合いいただきありがとうございます。
私も頑張るので、共に製作ライフを楽しく頑張りましょう!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?