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ついに完成!真デビルマン

なかなかにして時間がかかってしまいましたが、新作の『真デビルマン』が完成し、販売が開始されました。
そもそもデビルマンの制作にあたっては二回目。
以前はちょうど5年前の今頃でした。

デビルマンに関してはいくつかのバージョン作りたいと思っていた2作目。
予約から発送まで梱包資材の遅れなどでぐずってしまいましたが、それでも5日遅れで発送開始できてホッとした部分もあります。
予約に関しては、成形品が上がってから確実にお渡しできるという形になった段階で予約を取ることにしています。
なにぶん、技術生産というのは突然何が起きるかわかりません。
気候や気象の状態で製品に不良が発生しやすくなったり機械の故障など様々な事象で遅れることは多々あります。
ましてやそういうことは仕事が詰まっている時に起きやすいものです。
そういう側面があるので確実にお届けできる期間の目処が立ってからのご予約、というのが弊社の方針です。

まあ、そういうところはさておき。

デビルマンに関しては特に思い入れも多い作品になります。
まあ毎作品に多くあるのですが、限定品をやってほしいとかコラボさせてほしいとかいうお話はいただくのですがデビルマンに関しては永井豪先生、またはダイナミックの公式の書物などのカラー以外はお断りしてました。
結局、原作のファンの方々にはやはりスタンダードな色が好まれる。
というのをこの作品で身に染みたので、実はこれ以降は原作や公式商品に沿ったカラー以外の色変えは完全にお断りする。
という方針にしました。
ぶっちゃけますと、コラボしてもなんのメリットもなかった。
ということもあります。

もちろん、権利元様やコラボ先の方々にはメリットはあるようですが、弊社はやはりアーティストでもなく
『1企業の出す工業製品』
というのが一般的な当然の認識ですので購入される方にとっては弊社の影が一番薄いわけです(笑

それよりも確実にほしい方に届けられる形が弊社にとっては1番のメリットである。
と感じる次第です。

さて、デビルマンに関しては思い入れの強い作品で、80年代にボークスの圓句氏が手がけた衝撃のガレージキットを見た瞬間電撃が走り、そのまま自分も造形しようとこの道の礎になった作品です。
話すと長くなるので割愛しますが(笑)デビルマンに関してはいろいろな解釈があるかと思います。
自分が一番感じていることは

『不動明=デビルマン』の成長物語であるということ。

気弱だが優しい少年がデーモンとの合体で野生化する誕生編。
人間を守る(厳密にそうなのかわからないが)側面とデーモンの残虐さをミックスさせたシレーヌ編。
人間の側面を大きく見せ始めたジンメン編。
そして最終局面に向かう成熟した悪魔人間としてのデビルマン、という感じでの成長物語。

前回製作したデビルマンはこの最終段階でのデビルマン。
正義とか悪とかでなく、ただ自分の意地のみで戦う。
個人的にはそう捉えてより人間的に。
そして逞しい筋肉と力強く意志を持った肉体をモチーフに製作しました。

まあそれ以上にまだ『ソフビらしい』というものも頭に入れていた、というのももちろんあります。
当たり前ですが、ソフビなので制約がある中での製作です。
そう言った中では当時としてはとても満足した出来と思っています。

それから5年…

その間にレガシーシリーズも含め、嵌着付けや原型の癖など勉強に勉強を重ねてどんどんと破綻のない作品ができるようになってきました。
ソフビは歪む引ける、というお話は何度も申し上げているのですが、ここ最近はそれらを最小限にとどめるような力学的観点も取り入れて大幅な改善を進めてまいりました。

じゃあ、次のデビルマンを作ってみよう!

と。

初期デビルマンは野生的且つ原始的なイメージですが、その次の成長したデビルマン…
シレーヌとの戦いを製作することに。

個人的にもここで変身するデビルマンのあのドラマチックさに初めて読んだ時の興奮した思いは未だ覚めることはありません。
『その虫ケラの力を〜』
というセリフは未だに痺れます。

そのデビルマンを作ろうと。
今ならもっといいものができるに違いない!
と制作に励みました。

そもそもソフビ原型を作る、ということに関して。
どうしても昔のソフビのイメージを大切に思うことは大事なことです。
が、最近は自分的にはその先を生きたいと考えており『観念としてのソフビ』から『素材としてのソフビ』という意識に変えてます。
ソフビの可能性というところから素材としての可能性にシフトしました。

だからと言って造形に対する取り組み方は変わりません。
作品中〇〇の頃の造形・それをレトロソフビっぽく…
というのはそれらしく聞こえますが、実はそれだけでは原型で食べていくということは難しい。
そこに『ケレンみ』というなんだかようわからんものを入れていかないと商品というものは売れません。
生きていくためには『売れる』ということは絶対条件になります。

そのためにはどうすれば良いか…
となると、それはもう一つで『キャラを理解する』ということでなく『対話する』ことです。
まあ、そういう話は難しすぎるので割愛します(笑

ただやはり今回のデビルマンも『なんとなく原作に忠実に』ではなく『絶対的な存在』を作らないといけないわけです。
そのためにはなぜ
『シレーヌと戦うデビルマンはこのフォルムなのだろう』
と死ぬほどシンクロしていくわけです。

と前置きがめちゃくちゃ長くなりましたが(デビルマンになると話が止まらない)早速見ていただきたい!
これがビックワンクラフト の新作の『真デビルマン』です!!



今回のデビルマンい関しては『知性と野生』のバランスを考えてます。
まず永井豪先生の絵をじっくりと見ながら対話。
デーモンという凶暴で欲に忠実な生き物にとって食べることと暴力ということのバランスを考えると、デビルマンの元となるアモンは暴力(この表現が正しいかわからんが)に忠実で、そうなると体脂肪が0に近い。
そうなると筋肉は筋っぽい。
さらには空を飛ぶために下半身は華奢で、と言ってもふくらはぎの筋肉は異常に発達。
戦闘としては上半身を特に使っていると思え、腕はやたら太く背筋は激しく盛り上がる…
そういうイメージを取り込み製作しました。



そして、顔は先に書いた『その虫ケラの力が…』を完全再現したかった…
そうしてこのデビルマンのフォルムは出来上がったのです。


さらに塗装に関しては筋肉のマットな感じと皮膚の張りの感じを出すべく半光沢を吹く。

あまり語ることはないのですが(語ってもようわからんと思うので…)実は毎回このように1キャラを作るにあたってものすごく頭を悩ませます。

原型をやりながら次の原型のイメージを頭の中でこねくり回し、気持ちとミックスさせる。
逆にここに落とし所が見つからないとしょぼい原型になってしまうのです。

なんだかようわからんと思いますが(笑)毎回こうやって原型を作っており、今回のデビルマンはこういう着地点を見出しました。
というお話でした。
なんのこっちゃですな(笑

真デビルマン、というタイトルはわかる人にはわかるタイトルでした

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