せめて物語の中は、優しい世界であってほしい
残酷なシーンが、昔から苦手なんですよね。
今日お休みだったから、映画観てたんです。
内容的に暴力描写もありそうだな、という予感はしたんですが、好きな俳優さんも出てるし観てみようかな、と思って。
結果、開始30分もしないうちに、停止ボタンを押してしまいました。話の流れ的に予想はついたのですが、過激な暴力シーンに、ひえーっとなってしまって。
観てらんなくて、目元を手でおおってやりすごそうと思ったのですが、役者さんの演技が上手すぎるせいで、音声だけでも怖い。
もう、音が痛そうなんですよね。
わたしは傷ひとつ負ってないのですが、自分がやられてる気がしちゃうのかな。
ていうより、ボコボコにされてる人たちが、痛そうでかわいそうになっちゃうのかも。
不良がタイマンはってるとかなら、ビビりながらもなんとか観れるんです。
一方的に痛めつけられる、という状況がニガテなのかもしれません。
同じ理由で、戦争モノとかもあまり観ることができないんですよね。教育上必要だったんだと思うのですが、はだしのゲンでトラウマになりました。
昔、村上龍さんの「69」という小説を読んだんです。最後の方で、主人公のケンが恋人と映画を観に行くシーンがあったんですよ。
実際の残酷な事件をモチーフにした作品をみちゃって、って流れだったんですけど。
それで、映画を観たあとに、彼女の方がケンに言うんですよね。
若いころ読んだときは、そこまでピンと来なかったんですよね。でも、今なら、彼女の言うこと、なんとなくわかるかも、と思います。
実際にそういう残酷なことは起きているんだろうし、同じ過ちを繰り返さないために、そういった作品が作られているんだろうな、というのも理解できるんです。だから、目を覆いたくなるような描写のある作品を、批判したいわけではありません。時々、そういう作品を手にとることもあるし。
だけど、なんだろうな。現実の世界で悲しい出来事がたくさんあることがわかってきたからこそ、せめて物語の中だけでも、暖かくて優しいものをみていたいな、と、そういうふうに思うようになったのかもな。そんな気がします。
そうだよね。甘いと言われるかもしれないけど、わたしもそう思うよ。
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