【デジタルお絵描き】「レイヤー」という初心者にとっての最初の鬼門について
はじめましてのヒトは、はじめまして。
いつもの皆様、こんにちわ。
大葉さんです。
前回の記事
突然ですが、ワタクシの作画能力は小学生レベルです。正直、これまでは絵は「自分ではやらないリスト」に突っ込んでいて、必要な時はお知り合いに作成依頼してました。ただ、欲しい物に手が届かなくなりつつあるので、現在頑張って技術を身につけようとしている最中です。
なぜこの記事を書いたのか?
イラスト描こうとした時に最初に引っかかる&なかなか理解できない概念に「レイヤー」があります。将来的に技術向上した時に「なぜレイヤーという概念が理解できなかったのか」「レイヤーのどの部分にひっかっかって、初心者は挫折するのか」について忘れてしまいそうなので、ここに現時点の私の気持ちを整理しておきます。
「何が分からないかが、分からない(というのがわからない)」
「よって、自分なりの回答をは持ち合わせる方法がない(というのを、そもそも自覚していない)」
数年後に、そんなクダラナイ所で悩んでいたのかと笑い飛ばせることを願ってマス
以上が伝えたいことです。詳細に行ってみましょう。
■「レイヤーの概念がわからない」に関する誤解
「レイヤーの概念がわからない」と言われると、大抵のイラスト教師の方は、こう答えます。
・クリップスタジオ様の解説より
これ、初心者の疑問の30%くらいにしか回答していないと思ってます。
初心者が知りたいのは「レイヤーはどういう仕組みなのか?」ではなく「レイヤーを使うとどんな感じで便利になるのか?」なんです。この部分が伝わらない。
初心者以外に、この沼にハマるタイプが、もう一種族います。分業を想定していない元アナログ絵描きさん、特に水彩画をメインにしている方々です。彼らはプロなので「レイヤーが存在しない紙面上で、イラストを完成系まで持って行けてしまいます」アナログでは1枚キャンパスで完結する作品を、どうしてデジタルでは複数レイヤーに分けるのが理解できません。アニメーションさせるわけでも無いのに、なぜセル画のように描かなければいけないのか、的な発想です。結果として、一枚レイヤー上に水彩画を描写して完成させてしまいます。彼らにとってデジタル化するメリットは「元に戻す」機能と「絵の具にかけるコストが削減できる点」だけです。
■レイヤーを使うと、どんな感じで便利になるのか?
こちら、意外と重い課題だと思っています。よくある(誤解を生みやすい)説明と、ワタクシが解釈を間違えてしくじったパターンを何点か、ご紹介。
Case1:
レイヤーをパーツごとに分けていると、後から修正がやりやすくなります。
初心者は「なるほど、つまり人体をパーツ単位の絵を描いて、福笑いみたいにレイヤーごとに移動させて絵の形にまとめれば良いんだ」って思うかもです。
【前提】ラフ画がないタイミングでいきなり、、、
レイヤー0:輪郭
レイヤー1:右目
レイヤー2:左目
レイヤー3:口
(以下略)
初心者がいきなりジェネレイティブやるんじゃねーよって話ですね。当然バランスが崩れますし、デッサン練習しないから技術向上しません。でもこれ、よく見かけます。AIによる自動生成アートにも、この傾向が見られます。要素は確かに全部含んでいるんですけど、どこかズレてる。
参考イラスト:#138「ことね」
【補足】Monacuteとは?:
Case2:
背景やロゴの位置を、後から好きな位置に変えられますよ!
初心者は「なるほど、つまり(1)背景(2)メインキャラ(3)ロゴ、の3枚にレイヤーを分ければ良いんだ!」って思うかもです。
困ったことに、前述したレイヤーの説明書にも(レイヤーの概念を簡単に解説するために)「3枚にレイヤーを分ける例」が描かれています。
そして本来のイラストは1枚レイヤーに結合された状態で描かれますにゃーん。間違えたら「元に戻す」連打、あるある!
Case3:
レイヤーを複数枚使って、元のイラストに装飾品をつけてみるとよくわかりますよ!
初心者は「装飾品」を1枚レイヤーにいっぱい描いて、ロゴの感覚で表示位置だけ変えたりするかもです。
■それでは、どういう説明をすれば、レイヤーの概念が初心者に伝わりやすいのか?
イラスト作成については完全に初心者なので、これという解決方法を見出せてはいないのですが、いくつか糸口になる提案を示します。
・提案1:1枚レイヤーで完成させたラフ画に、複数レイヤーを使って色をつけてみる(カラーラフを作ってみる)
ワタクシがレイヤー概念の便利さを体感した理由がこれです。まぁ、具体的に言えば今日、ほんの6時間前なのですが…
ぶっちゃけ、レイヤーの恩恵を一番受けるのは、着色フェーズです。ただですね、初心者さんの練習画は、大抵の場合「本格的な着色まで行きません」
(1)ラフを描く
(2)髪の毛や服、瞳に単色で着色する
(3)なんかデッサンが狂ってるなーで完了、次のイラストへ
あるいは
(1)鉛筆ツールでラフを描く
(2)コミックのコマ等を参考にして、瞳の中を描く
(3)コミックのコマ等を参考にして、♯や///で影を書く
(4)白黒でそれなりに完成したと判断して、次のイラストへ
あるいは
(1)デッサンやクローキーをやる
(2)短時間でシルエットを描く練習なので、色つけない顔詳細描かない
(3)制限時間が来たら、次のイラストへ
ほら、レイヤーの恩恵が一切受けられない。
なので、王道ではないのですが、あえてラフ画完成から(ペン入れを飛ばして)着色練習をすることで、レイヤー入れ替えによる着色作業の効率化を体験させ、「レイヤーを使うとどんな感じで便利になるのか?」を肌で感じさせるのが良いと考えます。実際、初カラーラフでワタクシ、全ての歯車がカチッと合致いたしました。
実体験しないと、なかなか腑に落ちないものですね。
詳しい説明を求められたので補足。絵が拙いのは許してください。
初心者さんの練習絵、ここで終わりがち。輪郭うまくいかなかった〜とか、髪の毛が下手だーとか、思うこと多数あるので、次に行きたくなる。
これが問題。
この時点では、レイヤー使う魅力は皆無。メリットないから、面倒くさいレイヤー機能なんて使わなくていーじゃん、に、なりがち。
では、ここからカラーラフを始めるとどうなるか?
①レイヤー追加で、肌塗り(べったり)
②レイヤー追加で髪塗り。肌塗りの溢れた部分をおおい隠す。
③レイヤー追加で耳を塗ったら、はみ出した!
④レイヤーの順序変更して、はみ出し部分を髪レイヤーで隠す!(これがメリット)
⑤あ、瞳の白抜き忘れてた!レイヤー追加して、輪郭に合わせて白目を塗って…
⑥線画レイヤーを一番上に移動!おめめパッチリ!(レイヤーを使うメリット)
何を今更、当たり前のことを、と、思うかも知れませんが「練習が線画で止まっている人は、これを体感していません」
まずは真っ直ぐに線を引けるようになるまで延々と円と楕円とシャープ描きましょう、とか、あたりが取れるようになるまで、棒人間クロッキーで練習しましょう、みたいな練習方法を取っていると、特に顕著です。
はい、つまりはワタクシです!
これが「『何がわからないか』が分からない」の正体でした。
ラフの練習するときは、ざっくりカラーつけるところまでが1工程。世界観が変わりました。
ちなみに、完成したカラーラフを晒しておきます。ラフだから、光源を意識した天使の輪や影、シワの詳細は書いてないです。カラーバランス見るのが目的。念の為。
ここまでやれば、最終完成イメージはだいたい想像できるので「ボツにするならこのタイミング」かなと。今回の絵でさえ、線画とカラーラフで受ける印象が異なるので、色つけせずに継続するしない判断するのは危険だなーと感じました。良き経験です。
【おまけ】
レイヤーのフォルダ分けせずに塗っちゃった。次回からはこれを参考にしてみる。
・提案2:さいとうなおき先生のYouTubeを拝見してみる
さらにレイヤーについて調べた所、さいとうなおき先生に辿り着きました。
レイヤーの使い方についての一般論とタイプ分け、実際のイラストでは何枚くらい使われているのかについて、YouTubeで全て解説されています。
内容があまりにもかんっぺきなので、まず見て欲しいです。(先生も15年前まで1レイヤーに書き込むタイプだった点も意外でした)
私は分割タイプを目指すことにしました。
さてさて、どうなる?
本日は以上です。
ではでわ!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?