見出し画像

どうせ2日で終わる日記-67-(今週読んだ本)【9/12-9/18】

またしても更新を忘れていた。
しかし今回のミスはどちらかと言えば明日(今日)が休日であることに由来すると思われる。
つまり、今日が日曜だということを忘れていたのだ。

……などと何の参考にも弁護にもならない言い訳を並べたところで意味はないので、とっとと本題に入ろう。

今週読んだ本

久々のこのコーナー。
これまで新書やら論文やら、理系に偏ったものばかり紹介していた気がする。
それは僕が理系であり、なおかつ理科オタクでもあるため、読む本の大部分が科学系のトピックを扱った書籍であり、そうなると必然的にここで扱う本のジャンルもそちらに偏ることになる。

しかし、今回はそうではない。

今週はこの『夏と花火と私の死体』という小説を読んだ。
……とは言ってもこの小説を知っている人は多いだろう。
何せあの有名な乙一先生のデビュー作なのだから、当然と言えば当然である。

しかし思えば、僕が大学に入ってからというもの、小説を読んだ記憶があまりない。
勿論、全く読まなかったかと言えばそれは嘘だ。
僕の大好きなライトノベルに『オーバーロード』という作品があるが、これは本当に好きな作品なので何度も読み返しているほどだ。
それに、記憶にあるところだと『青の数学(著:玉城夕紀)』という小説も今年に入ってから読んだ記憶がある。

しかし、それも僕の小・中・高校生時代に比べれば圧倒的に少なくなっているように思える。
いや、高校生の頃には受験などもあり既に読む量は減っていたかもしれない。
ともかく、以前と比べると小説を読む頻度というのは明らかに減った気がする。

では読書量が少なくなったのか、と問われればそれは違うだろう、と自信なく言える自信がある。
何をもって読書というのかは怪しいところだが、大学入学したての頃は新書や教科書などはよく読んでいたし、技術解説書や論文なども良く読んでいた。
そして研究室に配属になり自分の研究が始まってからは専ら論文がメインとなった気がする。
つまり、読書時間の内訳が変わり、そのほとんどを論文が占めるようになった、と言ってもいいだろう。
しかも僕は主に語彙の欠如を理由に英語を読むのが遅いため、文字数で言ったら確実に減少傾向にあるとは思う。

そんな中で久々に手に取った、しかも大学の道すがらTSUTAYAで気分で購入した小説をその場で速攻読む、というのは何とも久々な気がする。

ページ数自体はそこまで無かったことと、単純に面白かったということもあって、普通に大学に行って帰ってくるまでの間に読み終わってしまった。
以前から乙一先生の作品は、その評判を耳にしていたこともあって気になっていた。
そんな折、TSUTAYAで何か面白い本はないかと探していると、偶然これが目に留まり、クイズの知識でこれがデビュー作であることは知っていたため、ならばということで購入したのだ。
ミステリー小説であり、さらに言うならこのストーリーのギミック上あまりネタバレになるようなことを言及するのも如何なものかと思うので、内容については触れないが、まさに評判通りといった感想を僕は抱いた。
さらに言うなら、これを16歳で書き上げたという乙一先生の能力には驚かされるほかなかった。小野不由美先生もこの書籍の後ろで言及していたが、年齢という基準による評価は微々たるものであるとは思うのだが、それでもこれは驚かざるを得ない、というか嫉妬すら覚える。僕もこんな力を高校生の内に会得したかった……。

ネタバレにならない範囲で一言感想を述べるなら、健くんが一番恐ろしいなと思った。これはラストシーンを見た上でも僕の意見は変わらない。
だってこいつの心理に関してはそんな思考回路になった切っ掛けが全く分からないんだもん。他は分かる、というか書いてあるのに。何なの??怖すぎ。高い知能故に歪んだ、とかそういうのを逸脱してるでしょ、これは。小6だよ???

まあともかく、全然一言には収まらなかったが、それくらいには面白かった、ということだ。
何か複雑なことがある、とか難解なことがある、という訳でも無いため、読み進めながら普通に全貌を予想できるくらいにはシンプルな、というかスタンダードな構造を取っている。
まあだからこそサクサク読み進められる訳ではあるが、そういう訳で読書をあまりしない人でも十分楽しめると思う。
すでにネット上に流れている評判があるのでここまでは言うが、この本は個人的には「叙述トリック入門」として例示してもいいくらいだと思っている。それくらい綺麗だし、面白い。

あと、この本にもう一つ掲載されていた『優子』という作品も面白かった。
こちらは僕も「あ~~そっちか~~~!」と声を上げてしまったくらいには、かなり精密に真実が文章で隠されている。
オタクは伏線回収が大好きな生き物と相場が決まっているが、そういう人間にとってはかなり旨味を感じる作品だと思う。
前半の作品と負けず劣らず、こちらも面白いので是非続けて読んで欲しい。

こういう作品をふと読むと、小説の良さを改めて実感する。
いくつか気になっている作品はあるので、今後も読むことがあったらここで紹介しようと思う。
今回はネタバレを回避したい気持ちになるような構造を持つ小説だったためネタバレをしなかったが、今後読む作品によっては考察を広げたい、とかそういう理由でネタバレもガンガン書く可能性があるので、そこは留意していただきたい。


それでは。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?